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「診断士登録養成課程」by 札幌商工会議所 (2017.11.28)

 札幌商工会議所が、経済産業省より「中小企業診断士登録養成機関」に認定(2017年11月9日付)され、来年3月より「中小企業診断士登録養成課程」を開設するとのことです。
 中小企業診断士の資格を取得するには、通常、一次試験、二次試験に合格したあと実務補習(診断実習)を修了しなければなりません。
 しかし、あまり知られてはいませんが、一次試験合格後、「中小企業診断士登録養成課程」を修了して取得する方法もあるのです。
 この方法は、当初、公的な存在としての「中小企業大学校(東京校)」のみが実施していたのですが、平成18年度(2006年4月)より民間にも開設が認められたものです。
 札幌商工会議所は、東北・北海道地域で初の登録養成機関となりましたが、中小企業大学校以外では13番目の登録でした。
 登録養成機関が実施する「中小企業診断士登録養成課程」は、演習330時間以上、実習については312時間以上といった、国が定めた基準を満たしたカリキュラムとなっております。
 二次試験合格後、15日間の実務補習(診断実習)を修了して資格取得するよりも、費用はかかりますが、みっちり実力をつけるには良い制度だと思われます。

詳しくは、札幌商工会議所:中小企業診断士登録養成課程のサイト をご覧ください。

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「革新再生産TM」で行こう! (2017.11.27)

  「成長か衰退か」。本日の日経新聞トップの見出しです。そして「生産性」とありました。巷で言われている「働き方改革」では時間外・長時間労働が問題視されがちですが、本質は、生産性向上にあります。
 AIやロボットの導入を望みたいところですが、技術が進展途上であったり、必要投資額からみても、なかなか中小企業(とくに小・零細企業)には導入しにくいのが実情と言えます。また、テレワークやサテライトオフィス・シェアオフィスの活用なども進んでいますが、「現場で物を動かしたり」「人のお世話(介護)をする」ような仕事をされている場合、そういうわけにもいきません。
 しかしそうした産業や仕事が、生産性を高めにくいからといって「不要」なわけではありません。必要ではあるのだが、それに見合った対価を得にくい。また、相対的にその価値が低いものと見做されてしまいやすい、といったところに「問題」があるように思います。
 「必需品」と言われているものには、毎日のように必ず消費しなければならないため、対価(単価)をなるべく抑えたいという傾向があるのは事実です。
 しかし、例えば「食」では、一人の人間が食べられる量には一定の範囲があります。にも拘わらず、「食」にかける対価は、人により時によって大きな格差があります。つまり同じ食材が使われていたとしても、ある料理は価値が高いと見做され、何ヶ月も先の予約をしたり、並んで待った挙句、高額な費用を惜しみなく払ったりされています。

 命をはじめ、モノゴトが継続してゆくためには、なんらかの「再生産」が必要です。これまでの社会や産業は、「拡大再生産」を目指すことが主流であったと言えます。
 「大量生産・大量消費の時代は終わった」と言いつつも、頭の片隅には依然として、継続の為には「拡大再生産」が必要であると考えているフシはないでしょうか?
 言いたいことは、「拡大再生産」の呪縛から解き放たれない限り、「必要ではあるが、それに見合った対価を払いにくい」と感じられている産業や仕事の現場における「働き方改革(=生産性向上)」の解は見出せないのではないか、ということです。
 「拡大再生産」という言葉には、どうしても「量」の概念がつきまといます。今後急激に人口減少が進み、国内における消費量縮小が明らかなわが国においては、「拡大再生産」とは異なるコトバが必要だと感じました。
 そこで提唱したいのが「革新再生産TM」というコンセプトです。国内人口の減少だけではなく、地球環境資源の面から考えても、「量を追う」ようなコンセプトでは未来へ向けての解が導き出せません。そこで必要となるコンセプトが「革新再生産TM」ではないかと思うのです。
 そこには「技術」の要素はもちろん含まれますが、それ以外にも、発想や手順、関係作り等々、あらゆる側面で「革新」ということにフォーカスした取り組み方への転換が求められます。革新を発想し行動できる人材を育てるために、教育のあり方から変える必要があるように思います。今の安倍内閣が提唱しだした「人づくり革命」とは違った次元のものが必要となるように感じております。
 「働き方改革」に行き詰まりを感じている企業等の皆様には是非、「革新再生産TM」を軸に据え、「どんな工夫ができるか? 何をしなければならないか?」を徹底的に考え抜き、行動しきることをお勧めします。同じ食材(境遇)であっても、工夫次第で十分な対価を得ている例(食の業界に限りません)もあるのですから。

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第31回 ビジネスEXPO (2017.10.25)

 北海道最大のビジネスイベントである「北海道 技術・ビジネス交流会(ビジネスEXPO)」が、今年もアクセスサッポロを会場として開催されます。11月9日(木)~10日(金)に行なわれ、今回で31回目となります。
 全部で345の企業・団体が出展するとのことですが、実は初めて、私共も所属している(一社)中小企業診断協会北海道がブースを出します。
 中小企業診断士と診断協会を少しでも知っていただくことを目指してのことで、協会事務局のほか、協会所属の各研究会が展示を行います。私(野﨑)は、「トライゴンハニカムチャート研究会」ということで参加しておりますので、ビジネスEXPOへ行かれる方は、是非、私共のブースへもお立ち寄りください。
 当研究会では、事業コンセプト作りの研究などを行っております。会場内でのブースの位置は、一番奥の壁際で中央付近にあります。
 尚、ビジネスEXPOのサイトは こちら(31st EXPO) からどうぞ。

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社会保障費の負担はAIで? (2017.09.26)

 昨日、安倍総理は28日の臨時国会冒頭に衆議院を解散すると表明されました。平成31年10月には消費税率を10%に引き上げることが予定されています。その増税分の5分の1を社会保障の充実に使い、残りは国の借金返済に使う予定でしたが、今回の解散は、消費税の使い道を医療・介護に加え幼児教育の無償化など、子育て支援等も厚くする全世代型の社会保障制度へと転換することの是非や、北朝鮮のミサイル・核問題への対応などについて、国民の信を問いたいとのことです。

 税金の話で思い出したのが、「AIへの課税」です。今年春、ビル・ゲイツ氏が「ロボットが人と同じ量の仕事をするようになれば、人と同じレベルでロボットに課税すればいい」と発言されたとか。また、欧州議会では一部の自律的なロボットを権利や義務を伴う「電子人間」と位置づける案が議論され、ロボットを使う企業に社会保障費の節約分に見合う負担を求める話が出ているようです。(いずれも日経新聞2017年9月7日5面より)

 2000年当時、インターネットの普及で「IT革命」と言われていましたが、それから20年足らずで「AI・電子人間」への課税の話へと発展するとは驚きを隠せません。AI時代への意識改革が迫られていることを実感させられました。

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時間外労働の上限規制と無期転換ルールなど (2017.08.31)

 先日、厚生労働省北海道労働局と北海道経済部労働政策局共催による「“働き方改革推進”に向けた説明会」に出席してきました。
 たくさんの説明がありましたが、とくに影響が大きそうな点について、私共の備忘録的意味も含め、記しておきます。

1.時間外労働の上限規制
  月45 時間、年360 時間を上限とする。
 ただし、一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合の上限については、
  ①年間の時間外労働は月平均60 時間(年720 時間)以内
  ②休日労働を含んで、2ヵ月から6ヵ月の平均は80 時間以内(2ヵ月,3ヵ月,4ヵ月,5ヵ月,6ヵ月の
    いずれの月平均でも80 時間を超えないこと)
  ③休日労働を含んで、単月は100 時間以内とする
  ④月45 時間を超える時間外労働は年半分を超えないこと
 以上を、罰則付きで労働基準法に明記する予定(経団連と連合が3月に合意済み)。

2.無期転換ルール
  無期転換ルールとは、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が通算5年を超えて反復更新された場合、有期契約労働者(契約社員、パート、アルバイトなど名称問わず)からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのこと。
 この法律は平成25年4月1日より施行されているため、平成30年4月から転換申し込みが本格化する見通し。
 有期契約労働者が使用者(企業)に対して無期転換の申込み(書面が望ましいが口頭も可)をした場合、使用者(企業)は経営上の事情があっても断ることはできない。
 給与や待遇等の労働条件については、労働協約や就業規則、個々の労働契約で別段のめがない限り、直前の有期労働契約と同一となる。労働条件を変える場合は、別途、就業規則などの改定等が必要。使用者(企業)は、例えば「職務限定正社員」等、多様な正社員制度を整備する必要が出てくる。
 無期転換ルールを避けるため、雇い止めをすることは労働契約法の趣旨に照らし望ましくなく、有期契約の満了前に使用者が更新年限や更新回数の上限などを一方的に設けたとしても、されない場合があるとのこと。

3.改正 育児・介護休業法
  育児・介護を理由に離職することを防ぐとともに、育児休業や介護休業等を利用しやすい職場環境の整備を促進するため、育児・介護休業法が改正され平成29年10月1日から施行されるので、施行日までに就業規則の整備が必要。
 改正内容は次の3点
   ①保育園に入れない場合等の育児休業期間を、子が2歳に達する日までに延長
   ②育児や介護休業が必要となる可能性のある労働者に、関連する制度を個別に周知するこ
    とを事業主に努力義務化(その際、プライバシー保護の観点から、育児や介護が必要な旨
    を労働者が自発的に申し出しやすい職場環境が重要であり、事業主はハラスメント防止措
    置を講じることも必要)
   ③小学校就学前までの子を有する労働者に対し、育児目的休暇(卒園式参加など)をとれる
    制度の新設を事業主に努力義務化(特に男性の育児参加促進のため)

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事業継続計画(BCP) (2017.07.27)

 3日ほど前に、北海道が、苫小牧地区倉庫協会と「災害時における物資の保管等に関する協定」を締結したとのニュースが流れました。これは、これまで大きな地震等があった際に、各地から救援物資が送られるものの、被災地の物流拠点が機能を果たせなくなり、せっかくの救援物資が必要としている人々に届けられない事態が生じたことを教訓にしたとのことです。
 北海道では昨年夏、これまでとは違ったルートで大きな台風が3個直撃し、もう1個も一部をかすめるなど、農作物を中心に甚大な被害を被りました。今年になってからも、福岡や秋田など局地的な集中豪雨による甚大な被害も生じています。こうした異常気象以外にも、地震や新型ウィルス等の感染症、サイバー攻撃、テロといった、事業運営に大きな影響を与える事案は多数考えられます。
 こうしたリスクに対しては損害保険をかけるといった対策がありましたが、2011年の東日本大震災以降、「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」を作ることが奨励されております。
 これは、事故や災害に遭ってから対策するのではなく、事前にどのような対応を取るかを計画しておくことによって、被害を最小限に留めるとともに、より早い復旧を可能とし、事業が継続できなくなることを予防するという考え方です。
 ところで、帝国データバンクが2017年5月に調査した結果によると、全国10,142社からの有効回答(回答率42.3%)のうち、実際に「事業継続計画(BCP)」を策定済みの企業はわずか14.3%に留まったとのことです。「現在策定中(7.3%)」と「策定を検討中(22.1%)を合わせても半数に満たない状況でした。
 この、BCPを策定していない理由(複数回答)については「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が最も多く(45.1%)、次いで「策定する人材を確保できない」(30.3%)とのことです。また、事業の継続が困難になると想定しているリスクについても、調査結果が業界別に表で整理されていますので、参考になります。詳しくは次のURLからpdfで入手できますので、ご覧いただくことをお勧めします。 https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p160702.html

 更に中小企業庁では、「中小企業BCP策定運用指針」というサイトを開設しており、次のURLで見ることができます。 http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/index.html
 ここには、BCPの策定と運用に関する様々な情報がありますので、それを参考に自社で策定に取り組まれてはいかがでしょうか。
 昨年、私共でも、道内のある管内の商工会を集めた勉強会で、BCP策定研修を担当させていただきましたが、皆、我が事に感じられたようで、自社に持ち帰ってすぐ策定に取り組まれた企業さんがあったと後から知らされ、お役に立てて良かったと感じております。

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なぜ「働き方改革」が必要なのか? (2017.06.15)

 本日の日経新聞に「2025年問題から2050年問題へ」という記事が載りました。そこでは、4月に発表された国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」に触れ、経済社会の担い手である勤労者層の人口減という「人口オーナス」現象の深刻化を指摘した上で、さらに団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年以降、後期高齢者の急増が社会保障・財政赤字などを通じて経済社会に大きな影響を及ぼす(=2025年問題)ことを指摘しております。

 この二つのことが「担い手不足」と「担い手への負担増」として大きな問題となることはほぼ確実と述べた上で、さらに次のように続きます。「話はまだ終わらない。2050年ごろになると団塊世代の子供たち(団塊ジュニア)が後期高齢者になっていくが、この2050年問題のほうが2025年問題よりさらに厳しそうなのだ。
 今回の推計によると、50年の後期高齢者の数は2,417万人であり、25年(2,180万人)よりずっと多い(ピークは54年の2,449万人)。-(中略)- 2025年問題を乗り切れば済むという問題ではない。その先には、さらにさらに厳しい2050年問題が控えているのだ。」と書かれておりました。
 ここでは触れられていませんが、実は上記(ピークは…)の前年の2053年には、わが国の人口は1億人を切る見通しであることも、冒頭の4月発表には示されております。

 先月ご紹介した「働き方の未来2035」では、「技術革新」により、働き方の変革が迫られるという側面が強いものの、実感が伴いにくい傾向が感じられます。しかし、この「人口減少」とくに担い手:勤労者層の減少は、現実の問題として人手不足に直面している企業も多いことから、「働き方改革」や生産性向上の必要性を実感できるはずです。

 こうしてみると、「働き方改革」が必要な理由は、「人口減少(とくに担い手の減少)」と、「技術革新」の2点に集約できると言えます。後者の「技術革新」については、革新しないようにすれば「働き方改革」もしなくて済むということにはなりません。前者の「人口減少」の場合は、今の出生率で推計した場合の見通しなので、出生率を高めることができれば、厳しい状況を緩和することはある程度可能と考えられます。

 ところが問題は、出生率を高めるには、結婚・出産・子育てしやすい環境づくりが欠かせないということです。業績確保のために長時間労働を前提とした働き方を全社的に改めない限り、わが国は益々厳しくなってゆく一方なのです。「全社的に」と書きましたが、むしろ「社会全体で」と言うべきかもしれません。

 というのは、企業内の結婚・出産適齢期にある人達だけが定時退社できたとしても、その人達の分を他の社員の長時間労働で賄うのであれば、定時退社する人達は「肩身が狭い」思いをします。出産・子育て以外にも、後期高齢者を抱えた方々が増えれば、介護のために長時間労働できなかったり、休業せざるを得ない人も増えることは明らかです。

 その状況で、長時間労働で頑張っている社員を基準とした評価制度を適用するようなことがあれば、企業自ら首を絞めるようなものです。そして、特定の企業が長時間労働を解消できたとしても、それが他企業や他産業の犠牲のうえで成り立つようなものであれば、やはり日本全体として人口減に歯止めをかけることは難しいでしょう。

 これで「働き方改革」が必要な理由が明確となりました。出生率を高め「人口減少」を食い止めるために、そして、「技術革新」を取り入れ生産性を高め、担い手不足を補うためにも「働き方改革」が必要なのです。今生まれたとして、「担い手」になるまでには20年かかります。今すぐ皆で取り組むしかありません。

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「トライゴンハニカムチャート」が記事になりました (2017.06.13)

 私事で恐縮ですが、「トライゴンハニカムチャート」の活用事例が記事になりました。これは、もう十年以上前ですが、このチャートを活用しだした当初の頃のお話です。
 新規開業された方の相談に乗り、「事業コンセプト」をまとめるのにこのチャートを使いました。当初の頃の話ですので、多少ぎこちなさは残っていますが、しかし、今見ても、それほどおかしくはない、今でもこのチャートを使う基本的考え方は通用すると確認できた想いがあります。
 ちなみに、この事例は、開業されたご本人の許可を得て、原稿提供したものですが、その方は今も立派に事業を続けておられます。

 記事が掲載されたのは、月刊の経営誌『近代中小企業』6月号(発行:中小企業経営研究会 http://www.datadeta.co.jp/)です。

掲載記事は、下記にてご覧いただけます。
   『近代中小企業』記事

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「働き方の未来2035」 (2017.05.21)

 「働き方改革」については、去る3月28日に働き方改革実現会議においてその実行計画が決定され、本格的に動き出しました。目下、関連法の改正案づくりが進められており、早ければ2019年度からの施行を目指すとのことです。

 ところで最近、「働き方の未来2035」という報告書があることを知りました。これは、厚生労働省が設置した“働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために 懇談会”が、 昨年8月に発表したものですが、遅まきながら、概要をザックリとご紹介します。
 2035年には、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を中心とした大きな技術革新によって、時間や空間や情報共有の制約はゼロとなり、産業構造、就業構造が大転換、個々人の働き方の選択肢はバラエティに富んだ時代となる。工場のように、実際にその作業現場に人がいなければならないような物理的な作業の大半は、2035年までにはロボットがこなすようになっているに違いない。
 産業構造に占めるサービス業の割合が増える一方、ますます人手不足が進み、接客に関しては、低価格での提供を主とする業態においてはロボットや機械が対応し、付加価値の高い業態においては人間が対応する。人間の仕事としては、人々のニーズを捉えるサービス開発・商品開発といったことがメインとなり、それをロボットやAIを使って提供するといった企業形態が多くなるのではないか。
 2035年には、各個人が自分の意思で働く場所と時間を選べる時代、自分のライフスタイルが選べる時代に変化していることこそが重要である。物理的に同じ空間で同時刻に共同作業することが不可欠だった時代は、そこに実際にいる「時間」が働く評価指標の中心であった。だが、時間や空間に縛られない働き方の時代では、「成果」による評価が一段と重要になる。
 変化のスピードが速くなることで、企業自体がそれに対応するために機動的に変化せざるを得ない時代がやってくる。2035年の企業は、極端に言えば、ミッションや目的が明確なプロジェクトの塊となり、多くの人は、プロジェクト期間中はその企業に所属するが、プロジェクトが終了するとともに別の企業に所属するというふうに、柔軟に企業の内外を移動するかたちになっていく。
その時代では、企業が人を抱え込む「正社員」のようなスタイルは変化を迫られ、フルタイムで働いた人だけが正規の働き方という考えが成立しなくなる。と同時に、パートタイマーという分類も意味がなくなる。
 さらに兼業や副業、あるいは「複業」は当たり前のこととなる。多くの人が、複数の仕事をこなし、それによって収入を形成することになるだろう。一つの会社に頼り切る必要もなくなるため、働く側の交渉力を高め、不当な働き方や報酬を押し付けられる可能性は減ることになる。但し、技術革新のスピードが速いことから、専門的な能力は環境の変化に合わせて変化させていく必要があり、「転職」を柔軟に行える社会になっている必要がある。
企業も多様化が進むなかで、企業規模が大きいことのみでは働く人のニーズを満たすことはできず、働く人にどれだけのチャンスや自己実現の場を与えられるかが評価されるようになる。働く個人から選ばれる企業を目指さざるを得なくなるのである。
 2035年には働く人が大幅に減少していることから、人手不足が一段と深刻になるに違いない。そうした中で、AIなど科学技術の発達による自動化・ロボット化によって、介護や子育て、家事などの負担から働く人が解放され、それらが働くことの制約とならない社会になっていることが重要である。

 いかがでしょうか?俄かには信じ難いかもしれませんが、約20年という時間は、これまで以上に大きな変化となる可能性があります。20年前(1997年)、北海道拓殖銀行が破たんし、トヨタはプリウスを発売、ネット業界ではamazonや楽天市場が創業したばかりで、フェイスブックやツイッターはまだありませんでした。
 20年経った今、車は自動運転が試され、金融や買い物、リクルートはネット経由が当たり前、スマートフォンがなければ生活できない時代となっています。昨年は、人工知能「アルファ碁」が、韓国のプロ囲碁棋士イ・セドル9段との5番勝負で4勝1敗し、話題となりました。
 こうした技術革新のスピードはさらに速まることを考えると、上記報告書が描く社会はかなり実現性が高いかもしれません。

「働き方改革の未来2035」は、下記にてダウンロードできます。
    「働き方の未来2035」報告書.pdf

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日経「星新一賞」、経営革新のヒント (2017.04.16)

 今年も、日経「星新一賞」の受賞作品が決まり、発表されました。理系的な発想力に重きを置き、1万字以内の物語を対象にした新しい文学賞で、今回(3月24日公開)で第4回目となります。
 「今、日本に必要なのは圧倒的想像力」であるとし、SFショートショートのスタイルを確立した星新一氏の名を冠し、「理系文学」を土俵に、独創的なアイデアとその先にある面白さを競うために、日本経済新聞社が創設した文学賞です。(日経「星新一賞」公式ウェブサイト等より)
 受賞作品の電子書籍が日経ストアで無料配布されていると知り、昨年、初めて読んでみたのですが、当初、めまいを起こすような感覚に襲われた記憶があります。ここしばらく、小説や文学作品に目を通す余裕もなく、ましてやSF作品は映画でも接する機会は少なくなっていたせいもあるのでしょう。
 ただ今年は、慣れた訳ではないと思うのですが、昨年ほどショックはありませんでした。昨年と審査員が代わったせいもあるのでしょうが、受賞作品の傾向も少し変化したように感じ、今年のほうがわりとすんなり読めた受賞作品が多かったように感じます。理系的発想(SF性)と文学性の要素を考えたとき、昨年のほうがSF性の強い受賞作が多かったのかもしれません。
 この賞は、「一般部門」、「学生部門」、「ジュニア部門」の三つに分かれているのですが、個人的には、学生部門のグランプリに輝いた作品「バベル以後」がとても印象に残りました。また、ジュニア部門で優秀賞だった「百二十キログラムの命」は、物語としての面白さもさることながら、発想のスケールの大きさには正直、度胆を抜かれました。これが中学三年生の作品なわけですから、私たち大人も知恵を絞らねばなりません。

 さて、「中小企業等経営強化法」(前・中小企業新事業活動促進法、元・中小企業経営革新支援法)では、経営革新の要件として「新しい事業活動」に取り組むことが求められており、具体的には以下の取組を指しております。
 ●新商品の開発又は生産
 ●新役務の開発又は提供
 ●商品の新たな生産又は販売の方式の導入
 ●役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動
 これら新たな取組は、「経営革新計画」として都道府県知事の承認を受ければ、「ものづくり補助金」などの応募に対する審査時に一定の加点がされます。
 とはいえ、なかなか新たな取組についてのイメージが湧かないというときに、今回ご紹介した「星新一賞」作品を読むことで、発想のヒントが得られるかもしれません。

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「トライゴンハニカムチャート」によるコンセプトづくり (2017.03.17)

 経営やマーケティングの世界では、ヨコ文字で語られることも多く、「コンセプト」もその一つです。日本語で言えば「概念」ですが、これがわかったようでわかりにくい。ただ、何となく頻繁に使われてもいる用語と言えます。
 しかし、イザ、「〇〇のコンセプトを作りましょう」となると、何をどう考えて作るのが適切なのかは、案外、理論的に確立されていないのではないでしょうか。
 こうした疑問に対し、私なりに一つの方法論を提示させていただきました。昨年(2016年)11月8日に行われた、「平成28年度中小企業経営診断シンポジウム」での論文発表のことです。タイトルは「トライゴンハニカムチャート法による“コンセプトの見える化”とそれを活用した経営革新支援事例」というものです。
 「トライゴンハニカムチャート」というのは、三角形と蜂の巣状の六角形を重ね合わせた形状であることから、私(野崎)が名付けたものです。
 このチャート(形状)との出会いは1981年のことでしたが、当時はチャートの名称も分からないながら、情報を整理するには有効であるとの思いがありました。 
 本格的に経営相談の現場で使い始めたのは2004年からですが、国を挙げて創業支援が活発となった時期です。開業にあたりビジネスプランを作成する際に、事業コンセプトをしっかり固めておきましょうということで用いTH chart.pngました。
 「コンセプト」は、用いられる場面によって「商品(サービス)コンセプト」、「ストアコンセプト」、「事業コンセプト」といったように使い分けられることがあります。
 “コンセプトづくりの方法”について大手広告代理店の方などが書かれた本にも目を通しましたが、「どうも違うな」という印象がありました(商品コンセプト等には有効と思われます)。
 また中小企業診断士の世界では、「コンセプトとは、“誰に何をどのように提供するか”である」との論があり、これはこれでわかり易いのですが、「そのコンセプトは機能するのか?」という部分について今一つ不十分と感じていました。
 思考錯誤を重ねるなかで、トライゴンハニカムチャートをどのように使えば、事業コンセプトづくりに有効か、ある程度理論化できたと考え、先述のシンポジウムで発表したところ、日本経営診断学会会長賞を頂きました。身に余る光栄に浴し、感謝しかありませんが、より多くの皆様にこのチャートの活用がなされればと思う次第です。
 ネーミングやブランド構築への応用など、このチャート(形状)の活用範囲は広いと思うのですが、意外と見かける機会が少ないと感じております。
   (今回の論文をまとめる際に調べた結果、このチャートは、「デザインスゴロク」とか「スクランブル法」といった呼称で用いられている
    ことがわかりました)

シンポジウムでの発表論文は下記にてダウンロードできます。
「トライゴンハニカムチャート法による“コンセプトの見える化”とそれを活用した経営革新支援事例」

尚、日本経営診断学会北海道部会での研究会(2017.03.24)でも紹介させて頂く機会を得ました。↓
日本経営診断学会 北海道部会

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戦略としての「働き方改革」と「組織革新」 (2017.02.28)

 最近、「働き方改革」はブームの様相を呈しているとの報道を見かけます。当トピックスでも関連したものとしてこれまでに、「忍び寄る危機“組織崩壊”」(2015年10月)、「人事・労務管理の再構築」(2016年5月)、「「働き方改革」と企業の対応」(2016年9月)、「同一労働同一賃金ガイドライン案」(2016年12月)といったように取り上げてきており、クローズアップされるのは必至とみておりました。
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 先月、私共が関わった経営者セミナーでも、“今、社長がなすべきこと” というディスカッションにおいて「働き方改革」がテーマとなりました。
 内容は、次のような構図で示され、①働き方で検討される要素、②対価を支払う対象、③具体的な対価の内容、④評価基準などが具体的な検討課題となるのではないかというものでした。
 また先日(2017年2月10日)、日本再興戦略2016-第4次産業革命に向けて- 「産業競争力の強化に関する実行計画」(2017年版)が閣議決定されました。
 その本文の約半分を「新たな有望成長市場の創出、ローカルアベノミクスの深化等」関連で占められており、さらのその約3分の1(7.5頁)は、「(1)第4次産業革命の実現」というものでした。「働き方改革、雇用制度改革」については、わずか2頁強にしかすぎません。

 こうしてみると、企業が数年先を見据え取り組むべき内容は、「働き方改革」はその一部に過ぎず、全社戦略の中にどう位置付けるのか?という問題と考えられます。逆に言えば、一部とは言え「戦略として」取り組むべきとも言えるわけです。
 「第4次産業革命」は、国が目指すか否かに関わらず、時流と言えます。企業としてはこれに沿った戦略構築が求められます。当然、「働き方改革」もこれを踏まえたものとする必要があります。
 ところで「組織(構造)は戦略に従う」(アルフレッド.D.チャンドラー)という言葉があります。一方、「戦略は組織(能力)に従う」(H.イゴール.アンゾフ)という言葉もあります。いずれにせよ、戦略を考える時、組織も考える必要があるということです。
 近年、組織形態やその理論には様々なものがあり、一概に整理するのは難しいのですが、現時点では、次のような整理の仕方ができるのではないかと考えております。今後修正する可能性はありますが、「組織革新」のご参考となれば幸いです。

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関連資料 ↓ のダウンロードができます。
「産業競争力の強化に関する実行計画」(2017年版) (注:A4判45ページ)

※本文中の「組織(構造)」及び「組織(能力)」の部分に関しては、次のblogを参考にさせて
  いただきました。
2013.07.01  組織は戦略に従う。そして、戦略は組織に従う。(青木 孝一 氏)

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同一労働同一賃金ガイドライン案 (2016.12.22)

 去る12月20日、第5回 働き方改革実現会議 が首相官邸で開催され、「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告」と、これを受けた「同一労働同一賃金ガイドライン案」が公表されました。
 このガイドライン案の前文には、「…同一労働同一賃金は、正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者パートタイム労働者派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものである。」(中略)「不合理な待遇差の解消に向けては、賃金のみならず、福利厚生、キャリア形成・能力開発などを含めた取組が必要であり、特に、能力開発機会の拡大は、非正規雇用労働者の能力・スキル開発により、生産性の向上と処遇改善につながるため、重要…(以下略)」と、その目的が述べられています。
 これに続いて、「ガイドライン案は、いわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないかを示したものである。(中略)なお、具体例として整理されていない事例については、各社の労使で個別具体の事情に応じて議論していくことが望まれる。(以下略)」と、その趣旨が書かれております。

 次に、有期雇用労働者およびパートタイム労働者の基本給に関し、
  ❶労働者の職業経験・能力に応じて支給しようとする場合
  ❷労働者の業績・成果に応じて支給しようとする場合
  ❸労働者の勤続年数に応じて支給しようとする場合
…のそれぞれについて、<問題とならない例>と<問題となる例>が示されています。
さらに❹昇給について、勤続による職業能力の向上に応じて行おうとする場合…についても書かれております。
 これらはいずれも、応じた部分が同一の場合には、正規か非正規かに関わらず同一の支給・昇給をしなければならないとされております。

 ここで問題となるのは、例えば正規雇用労働者は❶により、また非正規雇用労働者は❷によって支給するというように、適用する基準が異なれば、同一の支給をしないで済むだろうと考えられることです。
 これに関してガイドライン案は、(注)として「…無期雇用フルタイム労働者(正規)と有期雇用労働者又はパートタイム労働者(非正規)の賃金の決定基準・ルールの違いがあるときは、“無期雇用フルタイム労働者と有期雇用労働者又はパートタイム労働者は将来の役割期待が異なるため、賃金の決定基準・ルールが異なる”という主観的・抽象的説明では足りず、賃金の決定基準・ルールの違いについて、職務内容職務内容・配置の変更範囲その他の事情の客観的・具体的な実態に照らして不合理なものであってはならない。」と述べております。
 この部分は、労働契約法第20条を根拠としたもののようです。ここで、a)職務内容とは、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度を指し、具体的には、仕事の難易度や担当業務での目標が未達ならペナルティが課されるといった責任の重さなどの違いが勘案されることになると思われます。
 また、b)職務内容・配置の変更範囲とは、転勤・昇進といった人事異動や役割の変化等の有無とその範囲を指し、具体的には、選択したキャリアコースによる転勤の有無や、営業から管理部門などへの配置転換の有無といった人材活用の仕組みの違いが考慮されると思われます。 
 そしてc)その他の事情とは、a)・b)以外の要素としての合理的な労使の慣行などを指し、例えば、無期雇用労働者は勤務地域の限定なし、有期雇用やパート雇用労働者は地域限定ありとか、定年後の再雇用や嘱託者を有期労働契約で雇用しているといった事情が考えられます。
 こうしたa)~c)の実態が、客観的にみて異なる賃金の決定基準・ルールを適用するのに合理性があると説明できるものであればよいということでしょう。

 いずれにせよ、❶~❹での〇〇に応じて…という部分を納得感のあるものとするには、労働者の職業経験・能力、業績・成果などをきちんと把握・評価する仕組みが必要となります。


関連資料↓のダウンロードができます。

・同一労働同一賃金ガイドライン案
・同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告
・同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告 参考資料 (注!5.0MB)

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「平成28年度補正ものづくり補助金」の公募開始 (2016.11.14)

 本日、「平成28年度補正 革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」の公募が開始されました。締め切りは平成29年1月17日で、2次公募の予定はないとのことです。
 今回の募集では、特徴的なことがいくつかあります。対象類型として、大きく「ものづくり技術」と「革新的サービス」に分かれているのは従来通りです。しかし、事業類型は「一般型(補助上限額1,000万円)」と「小規模型(補助上限額:今回は500万円)」については従来通りですが、新たに「第四次産業革命型(補助上限額3,000万円)」というのが加わりました。
 これには、「IoT・AI・ロボットを用いた設備投資」が必要で、AIやロボット等の単独の導入ではなく、複数の機械等がネットワーク環境に接続され、そこから収集される各種の情報・データ(ビッグデータ)を活用して、①監視(モニタリング)、②保守(メンテナンスサービス)、③制御(コントロール)、④分析(アナライズ)のうち、いずれか1つ以上を行い、AIやロボットを活用するものが対象となります。

 また、「第四次産業革命型」以外の事業類型においては、補助上限が引き上げられるケースが用意されております。雇用増(維持)をし、5%以上の賃上げをする場合には補助上限を倍増。また、最低賃金引き上げの影響を受ける場合については、補助上限をさらに1.5倍とするといったことです。
 この補助上限額引き上げに関しては、「雇用・賃金拡充への取組み等に関する誓約・計画書」の提出が求められており、賃上げ要件を満たしているか否かの判定方法にも決まりがありますので、詳しくは公募説明会で確認されるようお勧めします。
この補助金の情報については、全国中小企業団体中央会のサイトをご覧ください。
  ↓
全国中央会、補助金サイト

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「シン・ゴジラ」と危機管理 (2016.10.30)

 映画「シン・ゴジラ(総監督・脚本:庵野秀明氏)」が、話題になっております。東宝が12年ぶりに日本で製作し、今年7月29日に公開されました。「君の名は。(新海誠監督)」には及ばないものの、興業収入75億円に届くのではないかと言われているようです。
 それまでの、どちらかと言えば子ども向け怪獣映画「ゴジラ」とは違い、大人の観客が多く、観終えたとき、多くの人が約5年半前の東日本大震災、そして福島第一原子力発電所での危機を想い起こしたのではないでしょうか。CGによる迫真感の評価が高い一方、娯楽作品としての虚構(ある種の「嘘」)を指摘する向きもあるようです。

 昔、誰が言っていたか忘れましたが、「時代劇が好きだ。最近のドラマは面白くない」とテレビで語っていたのを思い出します。理由は、「時代劇では悪徳商人(高利貸し)から借金をして期日までに返せなくなった家の娘などが、悪徳商人から差し向けられた追っ手から逃れるのに、川などに飛び込むシーンがありますが、それを見た追っ手は、「ちぇっ、しょうがねぇ」とか言って諦めて帰る。その区切りの良さ(!?)が良い」のだとか。なるほど、それも分かる気はします。しかし、そこで「思考停止」しているとみる事もできます。これが国家や企業における「危機管理」の場面だった場合、「思考停止」は避けねばならない態度と言えます。
 映画やテレビドラマ、漫画などでは、普通、ありえないようなことを表現できるところに面白さがあるのは事実です。そこには、ある種の「嘘」が含まれていますが、それを承知の上で、皆、楽しんでいるわけです。

 さて、「シン・ゴジラ」ですが、日経ビジネスオンラインで、「「シン・ゴジラ」、私はこう読む」( http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/083000015/ )というキャンペーンを行っています。各界のキーパーソンからの“読み方”が披露されているのですが、これがまた面白く、そして勉強になります。
 その“読み方”は人それぞれなのですが、映画「シン・ゴジラ」に含まれている虚構(ある種の「嘘」)に焦点を当て,解説している方が何人かおります。ノンフィクション作家の山根一眞氏や、調達・購買コンサルタントの坂口孝則氏、元防衛大臣の石破茂氏などです。
 「シン・ゴジラ(虚構)」を通じて「危機管理(現実)」を考えた場合、私達オトナが踏まえておかなければならないことに気付かせてくれる、日経ビジネスオンラインのキャンペーンと言えます。
 10月25日に、電子書籍(日経ビジネス編300円+税)としても発売されました。

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「働き方改革」と企業の対応 (2016.09.27)

 昨日(9月26日)、参議院選挙後初の国会(臨時)が召集され、安倍首相の所信表明演説がありました。その中で、経済対策のキーワードは「未来への投資」とし、誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会を創ること。そしてその鍵は「働き方改革」にあり、意欲ある皆さんに多様なチャンスを生み出す、労働制度の大胆な改革を進めるとされました。各般にわたる労働制度の改革プラン、「働き方改革実行計画」を今年度内にまとめるとのことです。
 これまでにも、長時間労働の是正、同一労働同一賃金、脱時間給、配偶者控除等の見直し、女性や高齢者の活用などが取り沙汰されてきました。その背景には、生産年齢人口の縮小に伴う労働生産性向上の必要性があります。
 9月20日の日経新聞では、「働き方改革、世界も苦闘」との見出しで、フランス、ドイツ、韓国の状況が紹介されていました。「欧州の病人」と呼ばれていたドイツでは、2002年以降、「ハルツ改革」により奇跡の復活を遂げたが、その労働市場改革の原則は「自助努力への転換」であったとのことです。フランスでも、労働者の権利を手厚く保護してきたが、この8月に、企業の解雇規制緩和と労働時間延長を柱とした改正労働法の公布に踏み切ったことが書かれておりました。
 この記事を見るにつけ、「働き方改革」は、企業にとって非常に大きなテーマであると同時に、働いている人にとっても、すべての人が良い境遇になるわけではなく、「痛みを伴う」ことは避けられないということです。
 外国人労働者の受け入れも併せ考えたとき、人手不足だからといって自然に賃金が上がるとは限らず、成果を出せない人はいつまでたっても報われない時代がよりハッキリすることになるでしょう。
 逆に企業の側は、事業継続には生産性向上が必須であることから、労働時間ではなく成果に対して賃金を払う「脱時間給」の方向を強めざるを得ません。
 現状で「働き方改革」をネット検索すると、「テレワーク(ITを活用して、時間や場所にとらわれない働き方)」といったことがヒットしてきます。
 ここでは「ITの活用」がキーワードになりますが、労働集約的でITは馴染まないと思われてきたサービス業等の企業であっても、今と同じ場所で働いてもらう場合でも、これからはITの活用を真剣に考えざるをえないでしょう。また、「成果に対して賃金を払う」ということは、成果を適切に評価する仕組みが必要になります。
 一部の企業は、この「事の重大性」に気づき動き出しているようですが、ほとんどの企業は、国の「働き方改革実行計画」が示された来年度以降、あわてて対応に追われることになるような気がします。
 「働き方改革の必要性」が、既にみてきたように、生産年齢人口の縮小といった構造的な問題であり、また、主要先進国に共通する課題であるからには、これを正しく受け止め、政・労・使がともに覚悟をもった取り組みが必要と思われます。

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「中小企業等経営強化法」と「ローカルベンチマーク」 (2016.08.09)

  平成26年経済センサスによれば、わが国の中小企業数は381万者(うち小規模事業者:325万者)で、2年前より4万者減少しました。平成28年7月1日、中小企業新事業活動促進法の一部改正により「中小企業等経営強化法」が施行されました。
 労働力人口の減少、国際的な競争の活発化等に対応し、中小企業・小規模事業者等(含む中堅企業)が行うべき経営力向上のための取組(顧客データの分析、ITの活用、財務管理の高度化、人材育成等)について、事業所管大臣は「事業分野別指針」を策定。それに基づき中小企業・小規模事業者等が「経営力向上計画」を作成し、計画の認定を受けると、固定資産税の軽減(資本金1億円以下の会社等を対象、3年間半減)や低利融資、債務保証等の特例措置を受けることができます。
 また、この「経営力向上計画」を策定する際には、「ローカルベンチマーク」の活用が勧められています。これは、地域経済の「稼ぐ力」を維持し、高めていくため、ローカル経済圏を担う企業に対する経営判断や経営支援等の参考となる評価指標(ローカルベンチマーク)として国が設置した検討会により策定され、平成28年3月に発表されたものです。
 地域企業の経営診断としての指標・手法をまとめたもので、地域経済・産業の視点と個別企業の経営力評価の視点の2つから構成されています。個別企業の経営力評価に関しては、財務情報と非財務情報を網羅しており、非財務情報としては、①経営者、②事業の強みや課題、③取引先や従業員等の関係者、④内部管理体制、といった4つの視点に着目して、金融機関や中小企業支援機関等が企業との対話を深める「入口」として活用されることが期待されています。
 去る6月下旬に行なわれた中小企業白書の説明会では、経済産業省の方に加え金融庁の方が出席され、「金融機関の健全性の監督に軸足をおくことに変わりはないが、地域企業の維持・成長に金融機関がより積極的な役割を果たすのにローカルベンチマークを活用したい」といった主旨の説明をされていたのが印象的でした。

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予告:ものづくり補助金の2次公募 (2016.07.01)

  本日、中小企業庁より「ものづくり補助金」の2次公募の予告がなされました。
<以下、引用>
  この度、「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」については、その目的に沿って中小企業・小規模事業者の生産性向上等をより強力に推進するため、7月1日に施行される「中小企業等経営強化法」に基づく経営力向上計画に認定された事業者等に対して、本補助金の2次公募の申請時において、原則経営力向上計画の認定を受けた事業者に加点して実施することになりましたので、公募要件の概略についてお知らせします。
具体的には、後日発表する公募要領でご確認ください。
  なお、公募の開始については、7月上旬を予定しておりますが、今回の募集によって採択された全事業の終期は1次募集と同じであり、こうした短い期間においても事業を実施できる者に限ります。
  また、公募の決定についてはあくまで現時点でのものであり、現在、全国中小企業団体中央会と調整中のため今後変更される可能性がありますのでご了承下さい。
<引用、終わり>

 公募要件の概略は、こちら からもダウンロードできます。

 また今後は、全国中小企業団体中央会のWebサイトもご参照ください。

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ものづくり補助金の採択状況推移 (2016.06.22)

  今月上旬に、平成27年度補正「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の採択結果が発表されました。昨年までは公募が1次・2次というように応募チャンスが複数回ありましたが、今年は1回のみでした。
 全国から24,011件の応募があり、7,729件が採択されたとのことです。このうち、北海道内からの採択は、249件でした。北海道内からの応募が何件あったのかは公表されていないようですので、道内だけの採択率は分りません。
 そこで、どのような傾向があるかについて、次のようなチェックをしてみました。
    ①全国での採択率を算出→ ②全国における北海道分の採択率を算出→ ③全国の
     採択数に対する北海道分の採択数の割合を算出

 その結果をグラフにすると次のようになりました(データ表も添付)。

採択推移グラフ.png
採択率の推移.png

 棒グラフの通り、この3年間応募件数は減少してきています。そんな中、全国における採択率(青色折れ線)は昨年(26年度補正予算による補助金)は43.1%と高かったのですが、今年(27年度補正)は32.2%と厳しく、10.9ポイントも下がっております。
この傾向は、北海道分(赤色折れ線)についても似た状況であることがわかります。
 ところが、全国の採択数に対する北海道分の採択数の割合(緑色の折れ線)を見ると、右肩上がりです。2.8%→3.0%→3.2%と、年々存在感を増していることがわかります。
 偶然発見したことでしたが、道内で企業支援している者としてはうれしい発見でした。

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人事・労務管理の再構築

  最近、人事評価制度や賃金制度の見直しの相談が増えてきました。人口減少に伴い生産年齢人口が縮減し、人手不足が多くの業界で悩みとなっております。
 こうした中、今月26日(木)~27日(金)に開催される伊勢志摩サミットで安倍首相は、わが国の目玉政策として子育て・介護を中心とした「一億総活躍プラン」を打ち出す方針とのことです。
 その「一億総活躍」の焦点の一つに「働き方改革」があり、「同一労働同一賃金」や「長時間労働の是正」が取り沙汰されております。

 安倍首相はこれまで、経済界に社員の賃上げを呼びかけてきました。「同一労働同一賃金」は、4割を占めるという非正規労働者の賃上げが狙いのようですが、一方で、人手不足にもかかわらず「税制上の103万円の壁」や「社会保険上の130万円の壁」のため、勤務日数や労働時間を抑制する非正規労働者が多数存在する現実があります。
 結局そのしわ寄せを、正社員の長時間労働でカバーするといった悪循環に陥っている状況もありそうです。
 関連した動きとしては、定年を延長したりして高齢者を戦力として活用する動きもありますが、この場合に問題となるのも賃金です。

 非正規労働者にせよ高齢者にせよ、働き方を見直す必要があり、加えて生産年齢に属する正社員も含めた賃金制度の再構築が迫られてきました。
 ここでクローズアップするのが人事評価の問題です。人手不足と相まって直面し出した「働き方改革への対応」の一環として、企業は人事評価制度や賃金制度(退職金制度も)の見直しの必要性に気づき出したのだろうと思います。
 解決策の一つとして「生産性の向上」が言われることがこれまでにもありましたが、なかなか思うような成果が上がっているとは言い難い状況でした。しかし、そろそろ、顔色を変えて「生産性の向上」に取り組まねばならない段階にきたとも言えそうです。

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人工知能とIoT

  「人工知能、AI:Artificial Intelligence」という言葉は、1956年にダートマス会議でジョン・マッカーシー(John McCarthy)により命名されたとされています。(wikipediaより) 当時ダートマス大学(米国)の 助教授であったジョン・マッカーシーが数名の学者と共に、自動プログラミングや自然言語処理、ニューラルネットワークなどを研究する場(ダートマス会議)の開催を提案した際に、初めてこの用語が用いられました。

 それから60年後の今年3月、Google社が開発した人工知能「アルファ碁」が、韓国のプロ囲碁棋士イ・セドル9段との5番勝負で4勝1敗し、話題となりました。
 この対局で「アルファ碁」は、プロ棋士から見ると悪い手を繰り出しても勝つことができ、人間の経験や勘に基づく分析とは違う手法で戦略を編み出したとのことです(日経新聞2016年4月10日より)。 そこでは、人間の脳内の情報処理を真似、人工知能が自ら学ぶ「深層学習(ディープラーニング)」がなされているとのこと。

 一方、米国ブルームバーグなどのニュースによれば、マイクロソフト社が開発した人工知能ボット(Tay:ティ)が3月24日に公開され、Twitterデビューを果たしました。ところが、当初はユーザーとのフレンドリーな会話をしていたものの、ユーザーからの人種問題や性差別といった話題を学習し、ついには「ヒトラーは正しかった。私はユダヤ人が大嫌い」といった仰天ツイートを繰り返すようになり、公開から16時間後にマイクロソフトはTayを休止させ、謝罪する事態になったとのことです。

 こうした人工知能の未来については、人類に対する脅威であると懸念する著名人(ホーキング博士、イーロン・マスク氏、ビル・ゲイツ氏など)の言動があるほか、昨年には国連でも問題提起されたようです。
 ともすれば、ヒト型ロボットに組み込まれ深層学習を繰返すことで、やがては人類を支配するようになるのではないかといったSF的な世界の実現をイメージさせられますが、そこまではともかく、身近な例ではインターネットの検索エンジンや通販サイトのおすすめシステム、ソフトバンクのロボット「Pepper」、クルマの自動運転などで既に応用されつつあります。

 これらに関連しそうなものとして、一昨年あたりからにわかに話題になってきたモノのインターネット(IoT:Internet of Things、)が挙げられそうです。
 「Internet of Things」という用語は、イギリスの無線IDタグの専門家でRFID(radio frequency identifier)の世界標準を作成したケビン・アシュトン(Kevin Ashton)氏が1999年に初めて使用した造語とのことです。(wikipediaなどより)

 これからの時代は、これまで以上にインターネットや人工知能との関わりなしで考えることは不可能と思われます。私たちの日常生活はもちろんのこと、働き方が変わり、会社のあり方も変わらざるを得ません。どのように経営革新すべきか、すべての企業に突きつけられている難問と言えそうです。

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情報リテラシーを磨け

 先日(2016.03.13)の日経新聞に、「スマホ世代のPC知らず」との見出しで、「日本の若者のパソコン離れが米国などより進んでいることを示す調査結果もあり、企業にも影響が広がり始めている」との記事が掲載されていました。
 実はこの話題は、毎日新聞が昨年(2015年)10月16日の朝刊(東京)で既に取り上げていたようです。その中で、「内閣府が今年(2015年)2月に発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、スマホを利用している高校生は89%に上る一方、ノートパソコンは30%、デスクトップパソコンは16%に過ぎない。内閣府の別の調査によると、米国の13~17歳のネット利用者のうち、コンピューター活用が98%と携帯電話の64%を上回っている。英国でも12~15歳の92%がパソコンを利用しており、欧米に比べて日本の青少年のパソコン利用率は少ない。 経済協力開発機構(OECD)が今年9月に発表した15歳対象の調査では、欧米では家庭の経済状況と子どもの家庭でのパソコン利用率は差がないところが多いが、日本は経済的に豊かでない家庭では、利用率が下がっている。 学校でのパソコン利用率も調査42カ国のうち、下から2番目。こうした点から、家庭でも学校でもなかなかパソコンを利用できない層がいることが浮き彫りになっている。」とのことでした。

 話を日経新聞記事に戻すと、「NTTデータでは、LINEやツイッターでの短文入力に慣れ親しんだせいか、きちんとした文章でビジネスメールを書けない若手社員が増えてきていることに対応し、今春入社の社員から、入社後の研修で文章力を高める“日本語ドリル”を導入する」と紹介されていました。 
 また、「ビジネスパーソンには、今後もパソコン操作は必須のスキルなのだろうか。オフィスからパソコンを撤廃した経験をもつ企業にも聞いてみた。」とあり、「少なくとも現段階では、企業のオフィスからパソコンを一掃するのは難しそうだ。」とのことです。
 確かに最近の若者は、スマートフォンを駆使する能力には目を見張るものがあります。しかし残念ながら、リテラシーとしては片手落ちのように感じます。ネット検索し情報を素早く入手したり、素早く伝えたりすることはできていますが、正しく伝わっているかとなると、疑問が残ります。
 インターネットが一般に普及し始めたとき、「IT革命」なる言葉がブームとなりました。私どもは、「革命」という表現を使うからには、相当な変化を生み出すことが予想されており、その本質は何だろうか?と考えたことがありました。(これについては、当時匿名で書いたブログがありますので、興味のある方はご参照下さい。→ ブログ )
そしてスマホの普及は、その一翼を担う存在となったとは感じております。

 しかし、毎日新聞の記事も日経新聞の記事も、パソコンの使い方を学ぶ必要があるのでは?との問題提起に留まっているように思います。文脈からは、どうも「コンピューターリテラシー」の必要性を指摘しているニュアンスが強いのですが、「情報リテラシー」を高めることの重要性をもっと強調してほしいと感じました。
 つまり、パソコンの操作方法(コンピューターリテラシー)も大事ですが、パソコンを使って情報をどう活用するのか。情報を分析・評価し洞察したもの(=インテリジェンス)を得る方法(情報リテラシー)をどう磨くかといったことのほうがもっと重要です。そこでは、WORDよりもEXCELを駆使できることが必要となります。
そのためのツールとしては、スマホよりはパソコンのほうが有効(現時点では)と言えます。

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ご注意!「ものづくり補助金」公募要領修正

 平成27年度補正「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の公募に関して、複数箇所の修正があるとのアナウンスが中小企業団体中央会のWebサイトに掲示されました。
<以下、引用>
 「公募要領について多数の問合せがあり、中小企業庁から記載内容の修正依頼があったため、一部修正いたしました。修正内容は、別掲「修正箇所について」のとおりです。
なお、公募申請の際は、最新の公募要領をご確認のうえ、最新の様式に記載してご提出願います。(H28.2.10)
<引用おわり>

修正箇所については、こ ち ら .からもご覧いただけます。

また、最新様式のダウンロードなどは→北海道中小企業団体中央会にてどうぞ!

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H27年度補正「ものづくり補助金」

 平成27年度補正「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の公募が2月5日から開始されております。通称「ものづくり補助金」と言われておりますが、年ごとに後半部分の表現が少しずつ変化してきており、平成26年度補正では「・・・サービス革新補助金」であったが、今回は「・・・サービス新展開支援補助金」となっています。また26年度補正にあった「共同設備投資」という類型が無くなった代わりに「高度生産性向上型」という類型ができ、補助上限額3000万円で2/3補助となっています。これは、革新的なサービス開発・試作品開発・プロセス改善であって、IoT等を用いた設備投資を行い生産性を向上させ、「投資利益率」5%を達成する計画であることが求められております。
 ほかにも少しずつ変化している部分がありますので、応募を検討される企業さんは、これから行われる「説明会」に参加されるとよいでしょう。ちなみに北海道経済産業局が行う説明会は2月17日、また北海道中小企業団体中央会の説明会は2月22日に予定されております。
 なお、今回の「公募要領」では「第一次公募」といった表現はなく、「公募は、原則一回限り」とのことで、締切は平成28年4月13日(当日消印有効)となっています。

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実施体制づくりも含めた計画を

 新年も早や半月が過ぎました。今日の日経新聞5面に、小さくて目立たなかったのですが、「経営計画策定で中小に減税措置」という見出しの記事がありました。
 経済産業省は、中小企業が生産性向上を目指す経営計画を策定することを条件に、新規の設備投資にかかる固定資産税や補助金を受けられる仕組みをつくるとのことです。通常国会に関連法の改正案を提出するとのことですが、どのような内容となるのか、興味が湧きます。これまでにも、技術開発を含む経営革新に関係した取り組みには補助金の施策等があり、その取り組みにあたって事業計画を示して応募する仕組みにはなっていました。
 今回の新聞記事では、“生産性向上を目指す経営計画策定”となっていますが、これまでのものとどのように違うのかは、詳細を見てみないとわかりません。ただ、言えることは、補助金や税の優遇措置等の有無にかかわらず、「経営計画」なるものは、策定しただけではダメで、成果はその計画を如何に実践するかにかかっており、その実施体制が伴わないケースが結構見受けられるということです。
 以前にトピックスとして触れたことがありましたが、“失われた20年”をくぐり抜けた今、企業の組織力・底力がかなり弱体化してしまったのではないかと危惧しております。計画を立てても、しっかりやりぬくことができるのか。実施体制づくり、それも基礎的な組織力アップをも含めた計画作りが必要ではないかと思われます。

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公共事業の会社で、長期計画は無理?

 本日夕方、一本の電話がかかってきました。「長期経営計画作りを勧める案内をもらったが、入札で公共事業をメインにしている会社では、長期計画など立てるのは無理なのではないか?」というのです。
 これに対して「確かに、確実に落札できるとは限らず、また、仕事の量も公共事業予算に左右されるので、計画どおりにいかないのは事実でしょう。しかしそれでも、立てた方がよい。将来へ向けての人口減少は明らかで、高齢化も進むなか、公共事業予算の縮減やその使い道の変化が予想されている現在、事業のあり方を見直す必要があります。公共事業をしている企業さんでも長期計画作りをされているところはたくさんあり、その重要な中身としては、新分野進出がテーマとなっています。この場合、企業体質を変革していく必要があり、それにはどうしても数年以上の時間がかかる。ですから、公共事業がメインだからと言って、否、それならば尚のこと、長期的に自社をどう革新してゆくかといった長期経営計画作りが必要なのです。」というようなことを述べさせていただきました。
 すると、「実は、ウチは公共事業をしてきたが、今はすべてやめてしまった。」というではありませんか!なんと、当方がどう回答するか、試されたようです。「公共事業をされていたのであれば社員の皆さんの意識が変わるまでにずいぶん時間がかかったのではないですか?」と問うと、「10年かかって、ようやく今の体制に持ち込めた」とのこと。道理で、質問の電話の割には、余裕のある話しぶりだったわけです。経営革新を成功させられた自信のようなものが伝わってきました。
 実は社名も告げずに質問を受けた電話でしたので、「差支えなければ貴社名を・・・?」と尋ねると、「G社の社長です。当社のホームページもあとで見てください」と言われました。
 電話を切ったあと、その会社のホームページを拝見したところ、確かに、いわゆる公共事業とは明らかに異なる新規事業を手掛けられていました。そこで「もしや」と思い調べたところ、一昨年の「ものづくり補助金」に採択された企業さんでした。私どもとしては直接面識はありませんでしたが、このサイトで提唱してきたことを実践され、それなりに実を結んでおられるお話に接し、当方としてもうれしくなる出来事でした。
 来年度も同様の補助金があるかどうかはわかりませんが、補助金があろうがなかろうが、事業を維持・発展させるためには、経営革新が必要です。そのためにも、長期経営計画作りは社長の最重要課題といえます。

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マイナンバー制度への対応

 マイナンバー制度(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(以下「番号法」という。)」に基づく社会保障・税番号制度(公的略称:番号制度))がいよいよ来年1月より動き出します。マイナンバー通知カードの個人への配達が遅れているとのニュースが報道されていますが、企業における準備も遅れているようです。
 今月に入り、マイナンバー対応に関するセミナーをいくつか受け、市販本も読んでみました。番号法においては、零細企業や個人事業主を含むすべての事業者がマイナンバーの適切な管理に必要な措置を講ずる義務があるとされています(番号法12条)。これまでの「個人情報保護法」では、個人情報の取扱件数が5000件以下なら個人情報取扱業者にはあたらないとされていましたが、今年9月に同法が改正され、この特例は廃止されました。
 したがって、たとえ個人事業主であっても、「支払いを受ける者」となれば取引先からマイナンバーを求められますし、「支払者」として他人(アルバイトや税理士等)のマイナンバーをひとつでも取得・保管・利用することになれば「個人番号取扱事業者」として厳格な安全管理措置が義務付けられております。
 また番号法では個人情報保護法よりも罰則の種類が多く刑も重くなっています。例えば正当な理由なく特定個人情報ファイルを提供した場合、4年以下の懲役または200万円以下の罰金が規定されており、併科される場合もあるほか、不正に提供した者だけではなく、その者を管理監督する責任のある法人等に対しても、最高200万円の罰金が課される可能性があります。
 このため、中小・零細企業であっても、マイナンバー制度に関する「安全管理措置」が必要となります。具体的には①基本方針の策定、②取扱規程等の策定、③組織的安全管理措置、④人的安全管理措置、⑤物理的安全管理措置、⑥技術的安全管理措置が求められております。
 IT企業等においては主として⑥に関するものを中心に熱心にセミナーを開催していますが、中小・零細企業では費用面などから、なかなかそうした提案を実施しにくい現状もあります。
 マイナンバー制度への対応に関して詳しくは、特定個人情報保護委員会のサイトに、「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」など多くの情報がありますので、ご参照ください。

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忍び寄る危機、“組織崩壊”

 当サイトは、「経営革新」をメインテーマとして日頃の話題を取り上げ、あわせて私どもがお手伝いできる事柄についても情報提供してきました。今回は、「組織崩壊」が近づきつつあるのではないか?という危機感を述べたいと思います。

 「仕事と生活の調和憲章」が2007年12月に策定され、「ワーク・ライフ・バランス」が提唱され始めたとき、「何かが違う」と感じたものでした。 翌年、内閣府に「仕事と生活の調和推進室」が設置され7月から「カエル!ジャパン」キャンペーンが始まりました。 内閣府の【仕事と生活の調和推進ホーム】サイトでは、「・・・働き方を変えることで、プライベートをたのしむ時間をつくり出す。社長も、ベテランも、新人も、サラリーマンも、ワーキングマザーも・・・「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」の実現に向けて、仕事のやり方を何かひとつ、今日から変えてみませんか?・・・と呼びかけております。趣旨は理解でき、何ら反対する理由はないのですが、何かが違うのです。
 さて、2014年12月末現在、このキャンペーンに対する賛同企業・団体・個人の総登録件数は2,590件とのこと(前掲サイトより)。 そのうち、企業・団体の登録件数は532件とのことでした。上場企業数が3,400社強、中小企業・小規模事業者が385万者あると言われているところ、あまりにも少ない数と言わざるを得ません。

 ただ、「働き方を変える」ことは、私どもがお手伝いしようとしている「経営革新」にも通じるものがあります。 そして、経営革新が難しいことと、ワーク・ライフ・バランスが進まないこととの間には、共通の要因ともいえるものがありそうな気がするのです。
 最近、「その答えかもしれない」と思えるものに気づきました。それは「組織力の弱体化」ということです。 振り返れば、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた1980年代、(米国ではワーク・ライフ・バランスの萌芽期)、わが国にはまだ“日本的経営”がありました。
 しかしその後、「プラザ合意」があり、日本では「円高不況」、→「公共事業による内需拡大」と「低金利政策」、→「財テクバブル」、→「バブル崩壊」といった道を辿りました。 
 そして「失われた20年」とも言われた長い経済低迷期が続きましたが、この間に、グローバリズムの進展とあいまって規制緩和や自由化が進みました。日本版金融ビッグバンや労働者派遣法改正による非正規雇用の増大、インターネットの普及による競争ルールの変化など、企業を取り巻く環境は激変しています。加えて、最近では、異常気象による経営への影響にも大きなものがあります。

 企業は経営革新を図りながらこうした状況を乗り越えて行かなければならないのですが、「失われた20年」の間、多くの企業は防戦一方もしくは我慢に徹するか様子見を決め込み、前向きな投資をほとんどしてこられなかった。 そして日本的経営の特徴とされた終身雇用・年功序列・企業別組合のほか、株式持合や稟議制度によるボトムアップ型意思決定、家族主義的経営などはことごとく変革を迫られました。
 とくに人材面には“しわ寄せ”が大きかったように思います。その結果、人材力の低下が進み、組織力も弱体化したと思うのです。 日本的経営には良し悪し両面あると思いますが、そこで培われた組織風土なり企業文化といったものには、その企業としての“強み”や“底力”が秘められていたと思います。
 「ワーク・ライフ・バランス」が提唱されたとき「何かが違う」と感じたのは、この組織風土から生まれる“底力”を回復しないかぎり、機能しない(成果が出ない)と直感したからだと、今、思うのです。そしてこれは、経営革新を図ろうとする際にも、同じことが言えると気づきました。

 ここへきて、社員教育等、人材面へのテコ入れを進める動きもあるようですが、非正規雇用者にまで及んでいる訳ではありません。また、急遽、中途採用で人材確保しようとしても期待する人材が採れないか、採用できたとしても定着しない、もしくは本来の力を発揮できない状況が多いのではないでしょうか?
 日本人はもともと農耕民族です。タネを蒔いて水や肥料をやり育て、収穫します。その土壌が肥えていないと作物はよく育ちません。
 企業も同じで、新卒採用(播種)であれ中途採用(苗購入)であれ、水はやっても肥料(人材育成・教育等)を与えなければ、うまく育つ(力を発揮する)ものではありません。土壌がやせてしまっていては、途中で枯れてしまう(定着せず辞めて行く)こともあります。
 つまりここで言いたかったのは、企業の土壌(組織風土・企業文化)を肥沃にしなければ、これからますます強まるであろう異常気象(経営環境の激変)に耐え、生き残っていくことはできないのではないか、ということです。
 こうした事態に対する私どもなりの考えを提案するため、セミナーを企画しました。 「忍び寄る危機、“組織崩壊”を考える」セミナーです。
ご興味のある方は、是非、ご参加ください。→ “組織崩壊”を考えるセミナー

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経営革新を応援する補助金

 「H26年度補正 ものづくり・商業・サービス革新補助金」の、第二次公募についての採択結果が9月30日に発表になりました。
 全国から13,350件の応募があり、5,881件が採択されたとのことです。このうち北海道分は177件でした。採択率は44%で、一次公募のときよりも高まっております。北海道分について、24年度補正の当補助金(途中で名称が若干変化してはいるが・・・)から今回までの3年間にわたり、複数回採択されている企業がどの程度あったかを調べてみました。
 その結果、この3年間に2回もしくは2年連続で採択された企業は101社ありました。また、3回採択されている会社はそれらとは別に30社ありました。
合計131社ですが、ちなみに、この3年間に北海道で採択された件数は延べ987件となっております。
 また、今回採択された177件のうち、複数回採択されている企業は35社ありました。採択企業の2割近くがリピーターということになります。
 来年もこの補助制度があるかどうかはわかりませんが、募集内容が若干変化したとしても何らかの公募はあると思われます。今年初めて応募して、1次・2次とも落選されたとしても、諦めずに来年もチャレンジして欲しいものです。チャレンジすること自体が、経営革新への取り組みそのものなのですから。

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