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2020.09.19
2020.08.15
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デジタル庁とIT革命 (2020.09.19)

  2020年9月16日、約7年8ヵ月に及んだ安倍晋三前首相の持病悪化による辞任を受けて、菅義偉新内閣が発足しました。
 その目玉政策と言われているのが、「デジタル庁」の新設です。これを担うのが、平井卓也デジタル改革担当大臣となりました。

 企業経営の世界では、よくヒト、モノ、カネ、情報ということが言われます。これらを総称して経営資源とも言われますが、企業はこれらの資源を活用しながら事業経営を行っているわけです。これは、国や地方公共団体ほか様々な組織においても、同様に当てはめることができます。
 国においては、国会議員や各省庁の官僚といった「ヒト」がいて、法律や政策をつくりそれを遂行することによって「モノ」(ハコモノのほか行政サービスを含む)ができ、そのモノを活用することによって政策運営が行われます。それを行なうにはカネが必要となりますが、そのほかに情報を集め議論し発信することもしなければなりません。

 わが国の国際競争力の低下が指摘されて久しいですが、高齢化・人口減少とあいまって国全体(とくに流通業・サービス業)の生産性向上が叫ばれてきました。そのための重要なポイントとなるのが「情報」なのだろうと思います。つまりわが国の国際競争力の低下は、高度情報化の部分が目詰まりすることによって生じていたと考えられます。
 しかしわが国は、これまでに情報を重視してこなかったわけではないと思います。2000年には「IT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)」ができ、5年以内に世界最先端のIT国家を目指すとされました。

 その少し前から、「IT革命」という言葉も流行りました。これについては、「なぜ“革命”というのだろう?」と考えた記憶があります。「“革命”とは、被支配者階級が支配者階級に替わって権力を握り、社会構造を根本的に覆すこと」なわけです。このように、ある種「物騒な」意味をもつ“革命”ということばを用いるからには、世の中が覆るほどの状況が生まれることを示唆したいのだろうと考えたものでした。

 そしてほどなく、それに近い事件(?)が起こりました。購入した家電製品の修理を依頼した男性が、修理状況にクレームをつけたできごとです。クレームへの対応がまずく、その家電メーカーの副社長が99年7月に謝罪会見を開く事態となりました。男性は、メーカーの対応への不満を自分のホームページ上に公開し、大メーカーが謝罪に追い込まれたわけです。少し前なら、裁判でも起こさない限りありえない事態だったと思います。
 これをみて自分なりに考え、出した答えは、「IT“革命”の本質とは、一般大衆が情報発信により主導権を持つことにある」というものでした。

 しかしその後の状況をみていると、なかなかそのようには進展してこなかったように思います。確かに、ブログを書いて情報発信する人はいましたが、まだ一部の人に限られていました。そのうちにYahoo!やGoogleといった検索サービスが進化し、情報収集はかなり便利になりました。またNTTドコモが携帯電話でメールの送受信やWebサイトを閲覧できる「iモード」を開発・提供し、他社も追随しましたが、やがてスマートフォンが台頭してきました。こうした流れにあっても、情報発信というよりは、むしろ検索をしたり閲覧したりといった「受信」としての使い方が大勢を占めていたのではないかと思うのです。
 最近になってようやく、自ら制作した動画を配信する“ユーチューバ―”といわれる人達や、自前のECサイトで情報商材を販売する人、メルカリ等のフリマアプリで遊休品を売買する人、クラウドファンディングで資金調達する人などが目立つようになり、「IT“革命”」と言ってもいいような状況になってきたかなと感じているところです。

 話を戻しますが、「IT基本法」をつくり世界最先端のIT国家を目指したものの、国のシステムは各省庁がそれぞれに仕様の異なるシステム導入をするなど、全体が最適化されるような進め方ではありませんでした。つまり情報やデータの「デジタル化」はしたものの、「つながらない」状況が残ったために、結局は活用されず、旧来のアナログな方法が使われ続けてきたのです。こうした情報流通の目詰まりが、わが国の国際競争力の低下を招いた一因と言っても過言ではないと思います。

 菅新政権のもと、法整備を図り、「デジタル庁」が発足することにより、ようやくIT国家の司令塔として機能することが期待されます。しかしほんとうの意味でIT先進国となるには、情報流通のデジタル化だけでは足りません。それらと同時に、デジタル機器リテラシー(活用する能力:literacy)や情報リテラシーに関する教育も強化しなければなりません。そして、サイバーセキュリティに関するリテラシーも求められます。
これらが伴って初めて、真の意味での「IT革命」が実現するのではないかと思います。

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ステークホルダー資本主義 (2020.08.15)

  8月9日の日経新聞に、「新型コロナウィルスの世界的な流行は、ステークホルダー資本主義を加速させている」とありました。仏食品大手ダノン社の会長兼CEOエマニュエル・ファベール氏へのインタビュー記事での、氏の発言です。
 同記事によれば、フランスは2019年に新法を制定し、利益以外の目標を達成する責任を負う「使命を果たす会社(Entreprise à Mission)」を新たな会社形態に取り入れた。そして上場企業でその第1号となったのがダノン社とのことです。
 KSM社のネット情報(https://ksm.fr/archives/528992)によれば、ダノン社の2018年の売上高は246億5000万ユーロで、営業利益は35億6000万ユーロとのこと。日本ではミネラルウォーターの「エビアン」や「ボルヴィック」といった製品が知られています。

 再度、日経新聞の記事を引用させていただくと、ファベール氏は「ビジネスは現金で始まり現金で終わるとみる今の経済モデルは間違えている。近代経済は金融資本で語る癖があるが、人的資本や自然資本も経済活動に活用している。それらを資本と捉え、お返ししないといけないという概念が乏しい。(中略)企業が破綻するのも資金が尽きるからではない。リーダーがエコシステム(生態系)への自信をなくすからだ。ビジネスは人で始まり、人で終わる」そして、目指す会社像は「サーブ・ライフ(生命に尽くす)だ。(中略)まず自然があり、経済を回すときには中心にお金ではなく人間がいる。製品を作るには植物や土、水などの自然が必要だ。ここに製品を買ってくれる消費者のほか、製品を作る人、運ぶ人、販売する人がいる。すべての生命を支え、尽くす会社になる」と述べられました。

 さらに、「過去6ヵ月で最も注力したのは、コロナで都市封鎖の指示が出ても、国境を越えて必要な食品が届くようにする仕組み作りだ。(中略)事業を展開する120ヵ国以上のうち売上高の99%を占める70の国ではすべて地元で調達し、消費する体制にしてきた」とのことです。

 また同記事の下のほうには、次のような記述もありました。仏の「使命を果たす会社」と似たような法律は、“株主至上主義”が最も色濃い米国の各州にあり、「ベネフィット・コーポレーション」と呼ばれているとのこと。7月に上場した米オンライン住宅保険のレモネード社の目論見書には、「利益が最大化しない行動をとる可能性がある」と記されており、余った保険の掛け金を顧客が指定する慈善団体に寄付するのだそうです。

 要するに、株主中心の資本主義からそれ以外のステークホルダー(利害関係者)にも目を向けた経営を重視する方向に舵が切られたということだと思います。これはコロナ禍が猛威をふるい始めたから出てきた話ではないことは、本稿冒頭の「・・・加速させている」で示されています。
 単に利益追求が目的ではなく、ゴーイングコンサーン(going concern:継続事業)であることを企業が目指すならば、当然ながら持続可能な経営が求められます。しかし資本主義がグローバルに展開されるにつれて、地球環境に大きな負荷をかける結果となったほか、経済格差も拡大し、貧困や飢餓といった問題も顕著となりました。これでは企業経営の持続可能性も危ういと言わざるを得ません。

 こうしたことから、2015年9月の国連総会では、2030年に向けた国際的な開発目標=SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が採択されました。
 またその9年前の2006年には、国連のコフィー・アナン事務総長(当時)が「責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)」を金融業界に対して提唱しました。これは、機関投資家にESG(Environment、Social、Governance)課題という概念を用いて、環境、社会、ガバナンスの3つの観点から投資判断することを求めたものです。
 持続可能な開発目標(SDGs)も責任投資原則(PRI、ESG投資)も、法的拘束力がなく企業にとっては任意の取り組み対象です。

 しかしこれらについては、グローバル企業や各国の大手企業、機関投資家等の参加が増え続けており、コロナ禍の世界的蔓延とあいまって、「ステークホルダー資本主義」が加速しているのでしょう。
 企業活動だけではなく、人々の価値観や行動も大きな転機を迎えていると言えそうです。

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もう一つの変化 (2020.07.31)

  新型コロナウィルス感染症は6月下旬から兆候が出始めていたのですが、7月半ば以降、本格的に第2波の拡大が始まったと思われます。東京で一日に366人(7/23)、大阪でも221人(7/29)と過去最大の陽性者が確認され脅威に感じていたところ、本日(7/31)には、東京で一気に463人の感染が判明しました。
 厚生労働省HPによれば、8月1日0:00現在の国内感染者は35,836例で、うち空港検疫583例、チャーター便帰国者15例とのこと。また、死者数は1,011例で、うち空港検疫で1例でした。なお、クルーズ船での人数は含まれていません。
 ちなみに日本時間7月31日15:00における各国の感染者数は、米国4,494,601人(死者152,055人)、ブラジル2,610,102人(91,263人)、印1,634,746人(35,718人)、英303,910人(46,084人)、伊247,158人(35,132人)、独209,535人(9,144人)、仏185,280人(30,238人)、中国84,292人(4,634人)、豪16,903人(196人)、韓14,305人(301人)。

 こうした状況から、経済がコロナ禍前の水準に戻るには2年程度、業界によっては3年はかかるとの論調が目立ち始めています。
 とくに旅館・ホテル・温泉等の観光関連とこれに伴う飛行機や列車といった交通機関、更には飲食業関係への影響が大きいです。また劇場や映画館、コンサート会場のほか、アパレル関係も厳しく、小中高、大学といった教育関係者のスケジュールも大幅に支障をきたしています。東京2020を目指して鍛えてきたオリンピックアスリートやその会場関係者も、先行きが見通せない状況が続いています。

 接触や密を避ける日常活動が定着しつつあり、キャッシュレス決済やオンライン会議を駆使したテレワークも常態化しそうです。
 この変化は、ここ半年間ほどの間に、一気に世界的に巻き起こった出来事でした。そろそろ本格的に顕在化してくるであろう世界経済の落ち込みは、想像を絶するものになる可能性が強いです。

 そうした中、先日、ある経営者の憤慨話を聞かされました。その経営者は、このコロナ禍で廃業や倒産が増え始めたなか、将来有望と思われるビジネスを見つけ、別会社をつくって新規事業として始めることにしました。そこで一つの現実を確認させられたと言います。
それは、新会社設立に際し、実印を作り印鑑登録をすることです。折しもコロナ禍でテレワークが普及しつつあり、「ハンコを押すのに出社するのはやめよう」、「印鑑文化も廃止してはどうか」といった声が強まりつつあった矢先だったからです。「しかしまぁ、会社設立にあたり実印登録は当面必要だろう」と思ったようですが、問題はその後の出来事でした。

 会社設立登記が終わり、銀行口座を開設しに行ったのですが、すぐにはできないのです。色々と調査があるらしく、1週間ほどかかるとのこと。「昔は、即日、口座開設できたのに・・・」と考えて待っていたのですが、3日ほど経った頃、1通の郵便物が件の銀行から届きました。開けてみると、保険勧誘のDMでした。「いまどきの銀行は、客の要請を満たすより早く、こうした売り込みには熱心なんだ~」と思ったと言います。
 それだけでは終わりませんでした。新規事業立ち上げにあたり、ある程度自己資金はあるものの、設備投資や人材採用の予定もあるので、口座開設後に件の銀行に融資を申し込みに行きました。金額にもよるだろうが、通常は自己資金の2倍程度は借りられるはずと思い、それなりに検討した事業計画を携えて融資窓口へ行ってまたびっくり。「その額は難しいかもしれない」と言われたとのこと。自己資金は1000万円、融資希望は2000万円弱でしたが、新会社による新規事業は「実績がない」ので・・・とのこと。しかも申し込んだ融資は、保証協会の100%保証付きの資金でした。

 銀行の見立てはともかく、保証協会に話を通してもらうこととし、その日は戻ってきました。そして10日ほど経った頃、件の銀行から電話があり、「やはり保証協会からは難色を示された。ご希望の半分以下の額くらいなら可能性はありそうだが、保証協会の保証がつかないのであれば、当行のプロパー資金での対応なども無理」とのこと。
 この銀行の対応には、その社長もさすがに頭にきた。「100%保証付きでないと一切融資できないとは何事か!銀行はまったくリスクをとる気はないのか!昔、事業の目利きをし、リスクをとりつつ産業や企業を育てようとしたバンカー魂はどこに行ったのだ!」と憤慨しきりでした。
 世界的なコロナ禍により、廃業や倒産が増え、失業者も増えつつある中、少しでも雇用をつくり経済を盛り立てようとする動きに対し、このような対応はどこか変だ。「口座開設に時間がかかる話といい、融資申し込みへの対応といい、世の中こんなにも変化しているのかと、愕然とした。」とのことでした。

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コロナ後に向けて (2020.06.29)

  新型コロナウィルス感染症対策としての外出自粛要請等の解除をうけて、6月に入り、ソロソロと日常生活や経済活動が動き出しておりました。これまでの流れを整理したうえで、今後に向けての話題に触れたいと思います。

 4月7日に初めて、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が7都道府県に出され、4月16日には、5月6日までを目途にその対象を全国に拡大しておりました。そして5月4日には、緊急事態宣言を5月末まで延長することとされていました。
 その後、感染拡大が収まりを見せてきたことと、経済へのダメージを考慮する必要もあり、5月14日には、13の特定警戒都道府県のうち茨城、石川、岐阜、愛知、福岡の5県を含む39の県について、緊急事態宣言が解除されました。残りの特定警戒都道府県=北海道、千葉、埼玉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫については、引き続き5月末まで緊急事態宣言を維持することとされていましたが、実際には5月25日に全て解除されております。

 この間に、外出自粛対策として各業界では「テレワーク」や「デリバリー営業」への取り組みのほか、「キャッシュレス決済」などが、やや強制的に普及することとなりました。
 一方で、政府が推進した全世帯へのマスク配布や持続化給付金の業務処理には数々の問題が発生し、国全体のIT化の遅れなどが露呈しております。

 しかしながら4月~5月と約2ヵ月にわたる特措法にもとづく自粛要請をうけて、企業や個人も新たな行動様式への対応が定着し始めた部分も認識されつつあります。
 ここへ来て感染拡大の第2波が懸念される事象も見受けられたり、新型コロナウィルスに効くワクチンがまだ実用化されてはいないものの、「コロナ後」に向けての企業等のあり方についても様々な「声」が出始めております。

 ここで私共なりに触れておきたいのは、やはり想像力を豊かに思い切った革新を断行すべきということです。異常気象もそうですが、世界経済や国際情勢をみると、明らかにこれまでの繰り返しとは異なる事態となっています。これまでの延長線上での改善レベルでは対応しきれない状況であることは、多くの方が感じているはずです。

 しかし、想像力を豊かに革新を発想せよと言われても、どう考えてよいかわからないと思われるかもしれません。すぐに思い浮かぶのは、これまでとは違った様々な分野の方の意見を聞くことでしょう。幸いにも現代は、ネット上に情報が溢れております。玉石混交ですが、それは数多く色々な角度から比較検討すれば、ある程度判断ができるでしょう。この判断力を養うところから始める必要があるかもしれません。

 イメージからメッセージを感得するという点では、SF(Science Fiction)映画を観るのも良いと思います。ただ、密を避けるという点では映画館は難しい場合もあるかもしれませんが、DVDのレンタル等も利用できます。
 もちろん、SF小説もありです。更にいうなら、日経新聞が創設した「星新一賞」は、電子書籍として読めるSF短編小説といえます。現在、第8回の作品募集中ですが、第7回までの受賞作を無料でダウンロードできますので、それを読まれるのも良いと思います。

 ちなみに第7回(今年4月発表?)の受賞作の中では、一般部門のグランプリとなった「森で」よりも、優秀賞だった「テツノオトシゴ」のほうが私は面白いと感じました。「森で」は、緑化ウィルスによる緑のパンデミックといった、まるでコロナウィルスを想起させるようなテーマに近いものの、緑化ワクチンにより光合成の能力を人体に付加することにより水と日光があれば生きられるといったような内容で、その発想力には驚かされました。「テツノオトシゴ」のほうは、宇宙塵に紛れて地球に飛来した菌糸のようなものが地上で増殖し金属柱に変体した生物にかかわるお話です。

 このほかでは、ジュニア部門の優秀賞の1つ、「何かやり残し保険」もコンパクトにまとまった面白い作品でした。ジュニア部門でも、個人的にはグランプリ作品よりも優秀賞となったほうに惹かれましたが、このあたりは優劣というよりも「好み」の問題のように感じます。この印象をさらに推し進めると、これからの時代は機能の優劣もさることながら、これまで以上に「好み」が重視されて、商品やサービスが選ばれる時代となるような気がします。

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(北海道)休業協力・感染リスク低減支援金の電子申請スタート (2020.05.14)

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、道では、令和2 年4月17日に「『新型コロナウイルス感染症』の感染拡大防止のための『北海道』における緊急事態措置」(以下、「緊急事態措置」といいます。)を決定し、事業者の皆様には、休業等や感染リスクを低減する自主的な取組の実施をお願いされました。
この要請に応じて、休業等にご協力された事業者の皆様には「休業協力・感染リスク低減支援金」が支給されます。
郵送による支給申請は4月30日から受付を開始しておりますが、5月15日13時から電子申請がスタートするとのことです。
また、電話による問い合わせ先が5月15日(金)の8時45分から、変更になります。
詳しくは、http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/csk/sienkin.htmをご覧ください。

<以下、引用 (上記URLの一部内容のみ)
■ 対象施設・支給額等

20200514 youken shikyugaku.png

・ 新型コロナウイルス感染症に係る休業要請等の対象施設一覧は次のとおりです。
※ご注意! 下記PDFを印刷する際は、65%程度に縮小しないとA4に収まりません。

基本的に休止を要請する施設、 基本的に休業要請を行わない施設(PDF)

・ 北海道内で対象施設を管理する法人(中小企業に限らず、大企業等も含まれます。)又は個人事業者が申請者となります。
・ 道内に対象施設があれば、道外に本社がある法人であっても支給対象となります。

・ 複数の施設を管理している事業者は、全ての対象施設で取組を行うことが必要です。
・ 令和2年4月24日時点で、対象施設に関して必要な許認可等を取得の上、対象施設を管理している事業者が対象です。

・ 1つの施設内に、休業等を要請する施設と要請しない施設が併設され、明確に区分されている場合、休業等要請の対象となる施設を休業等した場合は、支給対象となります。

・ 休業要請の対象施設において、複数の個人事業者が1つの施設で営業しているケースで、施設を休業した場合は、代表者に1事業者分を支給します。

・ 出張サービスを専門とする事業者は、客等が利用する施設が特定できない場合は、施設の感染防止対策に主体的に携わることができないため、支給対象外となります。

・ 従来から酒類を提供していない飲食店及び、従来から通常19時以降に営業を行っていない飲食店は、支援金の対象となりません。

※ 詳細については、
「休業協力・感染リスク低減支援金」申請の手引き【申請受付要項】(PDF)をご参照ください。

※ 個々のケースが対象となるか、ならないかについては、北海道公式ホームページの
「休業要請等について」の「休業要請等についてのよくあるお問い合わせ」 をご参照ください。


【参考】市の支援金制度
 次の市では道の支援金制度に独自の上乗せと対象拡大を行っておりますので、事業者の皆様は、そちらの制度もご覧ください。
 【各市の休業等支援金についてはこちら】(それぞれの市名をクリックしてください)

札幌市帯広市苫小牧市旭川市釧路市函館市

※「酒類の提供がない飲食店(感染防止対策を実施)」以外で休業等要請の対象となる施設を運営する事業者の皆様につきましては、申請書を道に提出してください。
「酒類の提供がない飲食店(感染防止対策を実施)」を運営する事業者の皆様は、市に申請してください。

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新型コロナ対策 専門家派遣(北海道) (2020.05.01)

 北海道では、新型コロナウイルス感染症により、経営に影響を受けている中小企業・小規模企業の皆さまを対象として、無料で専門家を派遣する事業を開始しました。
 資金繰り、雇用環境、助成金・給付金など、各々の課題に応じ、中小企業診断士、弁護士、公認会計士、税理士、行政書士、店舗コンサル、社会保険労務士等を2回程度派遣するものです。
詳しくは下記をご覧いただき、お申込みください。

新型コロナウイルス感染症対策 専門家派遣 特設サイト

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新型コロナウィルス特集 (2020.04.26)

 残念ながら、新型コロナウィルス収束の見通しがまだ見えません。25日夜8時半現在の国内の感染者数は12,907人、死者は358人、退院患者数2,645人とのことです。ほかにクルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス)での感染者721人と死者13人などがおります。(日経新聞2020.04.26より)。
 中国の湖北省武漢市当局の説明では、原因不明の肺炎患者が最初に見つかったのは昨年12月8日とのことですが、昨年11月17日に感染者が確認されていたとの報道(香港・サウスチャイナ・モーニングポスト紙)もあります(朝日新聞デジタル2020.03.13)。
 いずれにせよ、わずか約3カ月で、感染者は114の国・地域の計約11万8千人、死者4291人(3月11日現在)にまで広がり、世界保健機関(WHO)は3月11日、世界的な流行を意味する「パンデミック」と認定しました(朝日新聞デジタル2020.03.12)。
 日本では、1月6日に武漢市から帰国した神奈川県の30代男性が1月15日に新型コロナウイルス陽性と確認(一例目)されました(厚生労働省)。
 この重大トピックスを今後の参考とするため、以下、時系列に概要を記載しておこうと思います。

 クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスは1月20日に横浜港を出発しました。そして1月25日に香港で下船した80歳の香港人男性が新型コロナウィルスに感染していたことが2月1日に判明。同船はベトナム、沖縄などを回り2月3日に横浜港へ帰港したが、日本政府は乗員乗客の下船を認めず、全員の健康診断(検疫)を実施。
 2月5日、検査結果から10名のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)陽性者を確認。
 ダイヤモンド・プリンセスは2004年に三菱重工長崎造船所で建造(2014年改装)され、全長約290m、総トン数115,875 トンで、英国P&O社が所有し、運航会社は米国のプリンセス・クルーズ社、船長はイタリア人。
 横浜帰港時は乗客2,666人、乗員1,045人の計3,711人を乗せていた。このうち約半分は日本人で、ほかは55の国と地域の人達であった。船籍、運航会社、寄港地の国が違うなか、検疫や乗客の行動等のコントロールを誰が主導すべきか法的にも明確ではない部分があり、対応は錯綜した。
 2月17日、米国からのチャーター機がクルーズ船の米国人乗客を乗せ羽田を出発したほか、豪・香港・加・英・伊・台湾などもチャーター機を派遣し、全員の下船が終了したのは3月1日であった。(国立感染症研究所のサイト記事などより)

 次に、クルーズ船以外のこれまでの推移は、以下のとおり。なお、国内での感染者数等は、報道媒体により微妙に差があるため、厚生労働省のWebサイトの報道発表資料を参照しました。
1月29日 朝、政府チャーター機第1便で湖北省武漢より206人が帰国(外務省HP)。
1月30日 朝、政府チャーター機第2便で湖北省武漢より210人が帰国(外務省HP)。
1月31日 朝、政府チャーター機第3便で湖北省武漢より149人が帰国(外務省HP)。
2月07日 朝、政府チャーター機第4便で湖北省武漢などより198人が帰国。
      初めて中国籍77名、台湾籍2名が含まれていた(外務省HP、jiji.com)。
2月17日 朝、政府チャーター機第5便で湖北省武漢などより65人が帰国。
       うち29名は中国籍者(外務省HP、jiji.com)。
2月25日 厚生労働省に「クラスター対策チーム」発足
2月26日 政府、大規模イベントの自粛を要請。
2月28日 北海道、鈴木知事、法に基づかない緊急事態宣言(外出自粛要請)。
3月05日 政府、4月に予定されていた習近平国家主席の国賓来日を延期すると発表。
3月09日 0時より中国・韓国からの入国を制限(14日間の宿泊施設等での待機を要請)。
3月13日 改正新型インフルエンザ対策特別措置法が成立(期間は最長2年間)。
3月18日 中国、湖北省武漢市で新たな感染者が初めてゼロになったと発表。
3月20日 国内感染者1,000人超す(厚生労働省HPより)。
     (1,007人。うち空港検疫2名、無症状者9名含む。  死者35名。)
    ・日本時間12:00における各国の状況
      中国80,967人(死者3,248人)、韓8,652人(94人)、豪681人(6人)、
      米14,250人(176人)、英3,269人(144人)、伊41,035人(3,405人)、
      独10,999人(20人)、仏10,995人(372人)
3月21日 0時より英・仏・独・伊・エジプト・イラン等38ヵ国からの入国を制限(14日間の
      待機要請)(4月末まで)。
3月23日 米国からの入国を制限(14日間の待機要請)(4月末まで)。
3月24日 東京五輪・パラリンピックを2021年夏に延期決定。
3月26日 改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく政府対策本部を設置。
3月27日 英国、ジョンソン首相が新型コロナウィルスに感染。
3月29日 志村けんさんが新型コロナウィルス感染症により死去(70歳)。
3月31日 国内感染者2,000人超す。
     (2,178人。うち空港検疫18名、無症状者35名。 死者57名。厚生労働省HP)
4月04日 国内感染者3,000人超す。
     (3,191人。うち無症状者278名含む。 死者70名。厚生労働省HP)
    ・日本時間12:00における各国の状況
      中国81,639人(死者3,326人)、韓10,156人(177人)、豪5,454人(28人)
      米275,586人(7,087)、英38,168人(3,605)、伊119,827人(14,681人)、
      独91,159人(1,275)、仏64,338人(6,507)
4月07日 国内感染者4,000人超す。
     (4,168人。うち無症状者306名含む。 死者81名。厚生労働省HP)
     ・東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・兵庫・福岡に法に基づく緊急事態宣言(5/6まで)。
     ・緊急経済対策として、売上半減した中小企業に最大200万円、個人事業主に
      最大100万円の「持続化給付金」を予算化へ。
4月09日 国内感染者5,000人超す。
     (5,246人。うち無症状者363名含む。 死者88名。厚生労働省HP)
    ・日本時間12:00における各国の状況
      中国81,865人(死者3,335人)、韓10,423人(204人)、豪6,010人(45人)
      米430,376人(14,768)、英60,773人(7,097)、伊139,422人(17,669人)、
      独113,296人(2,349)、仏82,048人(10,869)
4月11日 国内感染者6,000人超す。
     (6,616人。うち無症状者420名含む。 死者98名。厚生労働省HP)
4月12日 国内感染者7,000人超す。
     (7,123人。うち無症状者444名含む。 死者102名。厚生労働省HP)
4月15日 国内感染者8,000人超す。
     (8,442人。うち無症状者513名含む。 死者136名。厚生労働省HP)
     ・東京都医師会など、都内約20ヵ所にPCR検査所を設置すると発表。
     ・厚生労働省、自治体へドライブスルー方式でのPCR検査容認を事務連絡。
4月16日 国内感染者9,000人超す。
     (9,027人。うち無症状者539名含む。 死者148名。厚生労働省HP)
     ・緊急事態宣言を全国に拡大(5月6日まで)。
     ・国民1人あたり10万円の給付決定(減収世帯へ30万円/世帯の給付は撤回)
4月18日 国内感染者10,000人超す。
     (10,219人。うち無症状者588名含む。 死者161名。厚生労働省HP)
    ・日本時間12:00における各国の状況
      中国82,719人(死者4,632人)、韓10,653人(232人)、豪6,522人(63人)
      米699,105人(36,727)、英108,692人(14,576)、伊172,434人(22,745人)、
      独140,886人(4,326)、仏109,252人(18,681)
4月21日 国内感染者11,000人超す。
     (11,350人。うち無症状者660名含む。 死者277名。厚生労働省HP)
4月23日 国内感染者12,000人超す。死者も300人超え。
     (12,240人。うち無症状者703名含む。 死者317名。厚生労働省HP)
     ・日本赤十字社、献血血液の一部を使いコロナウィルスの「抗体検査キット」 
      の評価を開始。(mainichi.jp、2020.04.24より)
4月25日 国内感染者13,000人超す。
     (13,031人。うち無症状者802名含む。 死者348名。厚生労働省HP)
    ・日本時間12:00における各国の状況
      中国82,816人(死者4,632人)、韓10,718人(240人)、豪6,667人(76人)
      米890,524人(51,017)、英143,464人(19,506)、伊192,994人(25,969人)、
      独154,545人(5,723)、仏122,577人(22,245人)。

 4月7日に初めて、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が7都府県に出されました。2月25日には厚生労働省に「クラスター対策チーム」が発足していたわけですが、テレビその他の情報によっても、緊急事態宣言までの国の対応には今一つしっくりこないものが感じられました。法に基づく緊急事態宣言であっても、外出自粛や移動制限は強制できず、罰則もなく、あくまでも要請しかできないとのこと。「国民の命と健康を守る」と言う一方で「社会的・経済活動へのダメージも極力避けたい」と言います。
 「人との接触を8割減らせ」ということは、テレワークが可能な職場はともかく、一般の中小・零細企業や個人事業主にとっては「仕事を休め」「閉店せよ」ということであり、実際、具体的に業種名を指定して休業を要請されたところもありますが、それへの協力に対する補償も明確とは言えない状況にあります。

 一般国民はどう考え行動すればよいのか? その答えと思われるものがありました。
4月11日に放映されたNHKスペシャル「新型コロナウイルス瀬戸際の攻防~感染拡大阻止最前線からの報告」です。
 この番組では、「クラスター対策チーム」の押谷仁教授(東北大:2003年のSARS流行時、WHOで封じ込めの陣頭指揮を執った)と西浦博教授(北大:数理モデルによる感染症対策の専門家)の苦悩を明かしながら、いかにして日本独自のコロナウィルス対策が導き出されてきたかが語られていました。
 まず日本においては、中国などで行われたような都市封鎖(ロックダウン)を行なうことは極めて難しいこと。次に、韓国やシンガポールなどのような徹底したPCR検査についても、その体制(設備・人材の絶対数)が十分ではなく、難しかったことが述べられていました。
 このため、日本独自の新型コロナウィルス対策として、その戦略目標を「基本再生産数」を1未満に抑える対策を見つけ出すことにおいたとのことです。そこで、中国・武漢からの帰国者でコロナウィルス感染者110人を徹底的に解析しました。
 するとその8割は誰にも感染させておらず、残り2割のうち半分以上の人も1人にしか感染させていなかった。ところが3人だけ、それぞれ一人から4人、9人、12人と複数に感染させている状況が判明した。
 こうしてクラスター(感染者集団)の存在が浮かび上がったわけだが、このように感染の広がるケースと広がらないケースがある理由が年齢・性別・病気の有無など、患者の特性を調べても手掛かりが不明であった。
 しかし調べていくうちに、大規模なクラスターが発生していたのは、飲食店やスポーツジムなど、密閉された閉鎖空間という共通点があり、人ではなく環境要因が大である可能性が高いと思われた。閉鎖空間における会話での飛沫によるウィルス拡散は、そうではない環境よりも感染が18.7倍起こりやすいことも判明。
 こうして、密閉・密集・密接を避ければ「再生産数<1」が実現できると考え、「3密が重なる場所を徹底して避けよう」というスローガンができたといいます。
 番組の中で西浦教授は、「日本人に対する鉄壁の信頼があった」と述べておられます。リスクをしっかりコミュニケーションして、皆で長期間持続可能な行動をしてもらうことができれば、大規模流行を起こさずに済むと考えたようです。


しかし実際には、筆者には、そのコミュニケーションが十分ではなかった印象があります。また、「3密が重なる場所を避けよう」というスローガンについても、「重ならなければ大丈夫」と逆に解釈して行動する人がいたように思います。

 さて「3密」に着目し、クラスターを見つけ監視下におき、感染連鎖を断ち切ることを目指すなかで、孤発例(感染経路不明な感染者)の存在が浮かび上がってきました。これは、背後に未知のクラスターが潜んでいる可能性を意味しています。放置すると、2~3日で感染者が倍増する「オーバーシュート」を引き起こすおそれがありました。
 3月19日、国の専門家会議では、東京での感染者急増が止まらないため、東京都にも「人々の行動を変える強い措置をとるべき」との助言がなされました。3月25日、東京都は週末の外出自粛を初めて呼びかけました。
 ところで、多くの孤発例が生れる場所として、接客を伴う夜間営業の飲食店が考えられ、感染者の3割が関係していると推定されました。しかし夜間営業の飲食店やその利用者に対し、保健所の聴き取りは難航。語ってもらえず、情報収集はしづらい。夜の街のクラスターを潰すにはどういうアプローチがいいのか・・・医療崩壊してしまうと一気にパニックになる。クラスター対策チームは悩みました。
 3月28日、東京の再生産数は1.5になっていました。3月30日、東京都の記者会見に西浦教授も出席し、カラオケ・ライブハウス・バー・ナイトクラブ等の出入り自粛を呼びかけました。4月7日、東京都の再生産数は1.7に上がりました。
 欧米に比べ「数理モデル」が感染症対策に十分に活かされてこなかった日本。
西浦教授は、「人との接触を2割減らす程度ではオーバーシュートは防げない。8割減らし、10日~14日後に新たな感染者数がピークを迎え、その後急減させられる」といいます。

 この「8割」という目標に対し、「7割ではダメなのか?」といった疑問が起こるかもしれません。事実、安倍総理も「7割から8割減らし・・・」と語っていたのを筆者もTVで見ました。これに対して西浦教授は、「自分は7割とは言っていない。政治家が言ったこと…」と後日指摘されていました。
 ここがポイントだと思います。数理モデルの専門家が緻密な計算をして8割と言ったら「8割」なのです。よく100%絶対というのはありえないといわれますが、それはシミュレーションにおいても同様でしょう。しかし、専門家であれば、おそらく95%の確率で正しいであろうとの基準をもとに「8割」と言ったのだろうと筆者は思います。

 西浦教授は、「今までの生活が戻ってくるという保証は、1年以内にはありません。但し、ものすごく自粛しないといけない生活がず~っと続くかというとそうでもないです。社会経済活動が停止しない範囲で、でも一方で、二次感染が起こるハイリスクな環境、とくに屋内環境を避ける手段を皆で可能な限り考えた上でクラスター対策の第2弾みたいなものを感染者が減ったところでスタートする。それができれば、うまくこの流行と付き合いながらゴールが見えてくると思っています」と述べておられました。

 未知のウィルスであり、いつ終息するのか見通せない。対処法にほとんど答はないように思われていますが、実は答えはありました。「人との接触を8割減らす」ことなのです。8割という具体的な答えが示されています
 ワクチンもないため、とにかく感染を広げないようにするくらいしか手はないのですから「接触を8割減らす」ことが難しいとか言っている場合ではなく、「どうやったら8割減らせるか」皆で考え実行するしかないのです
 国はもっと強力に、この専門家が出した答えを国民や企業に向かって打ち出すべきです。
 答えはあるのに、そのことが正しく伝わっていない現実、また、知らされても実行しようとしない現実、このことこそが問題です。それをしっかりと伝えきれているとはいえないマスコミにも問題があるかもしれません。

 押谷教授が、「都市の封鎖→再開→封鎖を繰返していくと、世界中が経済も社会も破綻します。次々と憧れていたような企業は潰れ、若者は将来に希望を持てなくなる。中高年は安らぐ憩いの場が長期間にわたって失われる。その先は、もう闇の中しかない。その状態を作っちゃいけない。」と番組のなかで仰っていたのが印象的でした。
 また押谷教授は次のようにも述べられました。「このウィルスを克服するカギは“地域力”だと思っています。医師会、医療機関、自治体、一般の人達が連携して取り組んでいる地域では、早期にウィルスを収束させる可能性が出てきています。但し、自治体の連携に時間がかかるとか、国からの指示がないと動けないとかいうようなことを言っていると、時間が浪費され、手遅れになる可能性がある。平時の考え方をいち早く脱却して、この未知のウィルスに立ち向かっていくことが必要です」と。

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ものづくり補助金が変わった!(公募開始)(2020.03.11)

 昨夕17時に、令和元年度補正「ものづくり補助金」の公募が開始されました。今回は「一般型」(補助金額100万円~1000万円、補助率1/2(小規模・個人は2/3))のみで、「グローバル展開型」や「ビジネスモデル構築型」は後日の公募となる予定です。

今回より、大きく変わった点がいくつかあります。
1.通年で公募
  今回の1次公募は3月31日締切ですが、その後5月頃に2次公募、8月頃に3次公募、11月頃に4次公募、来年(R3年)2月頃に5次公募(変更の可能性あり)が予定されています。

2.事業実施期間が倍増
  これまでは事業実施期間が5ヵ月間程度で、2次公募などの場合、年度末の3月までとなると、実質2ヵ月間位しかない状況でした。
 今回からは、事業実施期間が交付決定日から10ヵ月以内(但し、採択発表日から12ヵ月後の日まで)となり、通年公募とあいまって補助事業に取り組みやすくなったといえます。

3.「gBizID(GビズID)」による電子申請
  これまでは紙(+CD)での応募が主流でしたが、今回より電子申請となりました。 このため、応募するには予め「gBizID(GビズID)」を取得しておく必要があります。
  尚このIDには、法人や個人事業主の場合、3種類のアカウント種別があり、その違いは下表のようになっております。
  ものづくり補助金の申請には、「gBizIDプライム」アカウントが必要ですが、その取得には2週間程度かかりますので、早めに利用登録をしてください。
 「gBizID」の登録は→ こちらから

gBizID.png

4.賃上げ要件の追加
  これまでも「賃上げ」は「加点項目」となってはいましたが、今回より給与支給総額(全従業員+役員の給与等(福利厚生費・退職金は除く))を年率平均1.5%以上増加させることと、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすることが必須となりました。未達の場合は、補助金の返還規程も定められています。

5.中古設備も対象に
  補助対象経費にはこれまで同様、「機械装置」や試作のための「原材料費」などがありますが、機械設備については一定の条件のもと、中古設備も対象になりました。

6.新型コロナウイルスの影響へも対応
  目下、収束の見通しが不明な新型コロナウイルスの影響が広がっています。補助事業の実施にも影響がありそうですが、賃上げ等の申請要件の緩和や事前着手を可能とするなどの対応がとられるようです。(ものづくり補助金サポートセンターに要確認)

 ほかにもこまかな変更点がありますので、公募要領の概要版は、 ここで ダウンロードしてご覧ください。

また、公募要領(一般型)の「一次締切分」については、今後微修正される可能性もありますので、全国中小企業団体中央会のサイト↓でご確認ください。

全国中央会ものづくり補助金サイト

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ものづくりニッポンの弱点(2020.02.23)

 今月に入って俄かに顕在化し、いまだに収束の見通しがつかないトピックスが、新型コロナウィルスの問題です。この三週間強、毎日のトップニュースはこの話題の連続でした。 
 この間、わが国の対応には、どこかぎこちなさを感じざるを得ません。こんなにも、こうした面の危機管理ができていなかったのか!という思いがします。
 今月初めころのアナウンスは、「致死率がそれほど高くないので、過度に怖れることはない」といった論調だったと記憶しています。しかし「死ななければ、感染が広がってもあまり心配することはない」といったニュアンスには、この問題をどこか甘く見ていたフシが感じられます。日本全体としてはそうであっても、一企業や一個人にとっては、自分や周囲が感染した場合、死ぬことはなくても事業や仕事に支障が出るわけです。感染症であることが、一企業だけ、一個人だけで済む問題ではないという点を、十分認識できていなかったのではないかと思うのです。

 ここでもう一つ、似たような問題があることに思い至りました。それはコンピューターウィルスなど、サイバーセキュリティ対応についてです。この分野についても、わが国は全体として認識が低く、極めて脆弱な状況にあるのではないかと感じています。
 コロナウィルスもコンピューターウィルスも、感染します。そして、肉眼では見ることができないものであると言えます。
 わが国はこれまで、どちらかといえば「ものづくり」に強い国と言われて来ました。それは、「目に見えるもの」には強いといった見方ができるのではないかと思うのです。一方の感染症やサイバー攻撃など、「目に見えないもの」に対しては、驚くほど脆弱であると考えるのは、言い過ぎでしょうか。

 今日の日経新聞に、「感染症専門の司令塔なく」との見出しがありました。このことばはそっくり、「サイバーセキュリティ専門の司令塔なく」と言い換えることが出来そうです。
 本日のトピックスは、自分自身への自戒も込めて、いま迫っている大きな危機(とくに目に見えにくい危機)に、想像力を働かせて立ち向かう必要性を訴えたいと思い、ここに記しました。

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経営革新から「供給革新」へ(2020.01.13)

 一昨年の12月の本欄で「2019年は経営革新力が問われる」と述べました。当サイトも「経営革新」をメインテーマとして、各種情報を掲載させていただいてきましたが、新年を迎え、これまで述べてきた「経営革新」を一歩深め、「供給革新」を提唱してみたいと思います。
 国による「経営革新」の定義は、「事業者が“新事業活動”を行うことにより、その経営の相当程度の向上(年率3%以上の付加価値向上など)を図ることをいう」とされ、「新事業活動」とは、“新商品の開発又は生産”、“新役務の開発又は提供”、“商品の新たな生産又は販売の方式の導入”、“役務の新たな提供の方式の導入”その他の新たな事業活動をいう」とされております (中小企業等経営強化法(2018年に中小企業新事業活動促進法を改正・施行))。

 ここで、敢えて「経営革新」から「供給革新」へと言い回しを変える理由を述べます。年明け早々の新聞報道などを見るにつけ、資本主義経済のありようが変わってきたといった論調が強いことに気づきました。経済が需要と供給で成り立っていることからすれば、中小企業経営の立場としては、需要の変化を捉え、供給をどう変えていくのか?が問われていると言えます。

 大量生産・大量消費による成長は終焉を告げ、今、若者はモノを持たない生活を選び始めています。 <以下引用>― デジタルを使いこなし、モノの所有欲が乏しいミレニアルが存在感を増すほど消費がしぼみ、成長は停滞するのか。米ミニマリストの草分け、ジョシュア・ベッカー氏は、「ミニマリストも欲望の総量は変わらない」と言い切る。欲望の矛先が変わったのだという。―<引用終わり:日経新聞2020.01.09より>
 この状況に加え、とくに日本では少子高齢化・人手不足が言われ、この4月からはいよいよ中小企業においても「働き方改革」が迫られています。
 一方では、IoTや5Gといった技術革新による生活の変化やAIにより仕事が奪われる(?)といった懸念が示されています。

 つまり、消費(需要)のかたちが大きく変わりつつあるわけですから、供給のかたち・内容も大きく変えて行く必要があるはずだということです。そこで「供給革新」を考えるべきと述べたわけです。
 上記「経営革新」における「新事業活動」の定義には、「生産の方式」なども含まれていますので、これをもっと絞り、「供給の内容」や「供給の方式」を革新するよう意識することにより、新たな取り組みのヒントになるのではないかと思った次第です。
 自らDisruption(創造的破壊)に取り組んで行かないと、これからの構造的変革の時代を乗り越えることは難しいでしょう。

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なりすましメール対策(2019.12.01)

 昨日(11/30)の日経新聞に、「なりすましメール拡散、ウイルス国内本格上陸」との見出しで、コンピューターウイルスEmotet(エモテット)の被害が日本でも広がり始めたとの記事がありました。
 その記事にあったJPCERTコーディネーションセンターという団体を筆者は知らなかったのですが、<以下、部分的に引用>――「JPCERTコーディネーションセンターのサイト(JPCERT/CC)は、(中略)特定の政府機関や企業からは独立した中立の組織として、日本における情報セキュリティ対策活動の向上に積極的に取り組んでいます。――とのことでした。
 同サイトによれば、マルウエア Emotet の感染活動は、――「感染先から窃取した連絡帳やメール認証情報を使い、実際にやり取りしたメール本文を引用した添付ファイル付きの攻撃メールを送信」<引用おわり>――するのだそうです。
 取引先と実際にやりとりしたメール本文をもとに添付ファイルを送られたなら、受け取ったほうは、ほぼ100%添付ファイルを開くでしょう。

 セキュリテイ対策を啓蒙しているサイトには、不審なメールかどうか、「送信元アドレスを確認せよ」とか、「添付ファイルを安易に開くな」と書かれていますが、最近の巧妙な手口を見分けるのは極めて難しくなっていると思います。
 取引口座のある銀行などからも注意喚起のメールが来ますが、そもそもそのメール自体がホンモノかどうか見極めるのもホネが折れると感じています。
 プロバイダーが提供しているフィルター機能で、「迷惑メール」等をブロックする方法もありますが、実際に使ってみると、やはり限界があります。
 筆者の場合は、特殊なソフトを使い、メールを見る前に、サーバーに届いたメール内容を確認する方法をとっています。そして、明らかに怪しかったり、そもそも見なくても良い「売り込み」メールなどは、サーバーにある段階で削除することにしています。

 それでも、本物かどうか分からないケースがあり、それが銀行などからのものであれば、別途こちらからその銀行のサイトを見に行って、ほんとうに今受けたメールと同じ注意喚起をその銀行でしているのかどうかを確認するようにしています。
 また、そうした注意喚起をする情報がネット上で広がっていないか、検索をかけます。すると、たいていの場合は、「同様のメールが届いたが、それはフィッシングメールなので注意せよ」といった情報が見つかるケースが多いので、それで判断するようにしています。
 フィッシングについては、フィッシング対策協議会 https://www.antiphishing.jp/ のサイトも参考になります。

 さらに踏み込んだ対策としては、ウイルス等に感染してもよいPCを用意し、一旦そのPCでメールを受けるという方法も考えられます。
 そのPCには、データは何も入れておかないようにします。アドレス帳はもちろんのこと、メール本文も読んだら削除(ゴミ箱も)して、万が一感染しても、引用されたり持って行かれる情報がない状況にするということです。
 メールを見たとたんに感染してもいいように、先にネットから遮断した状態にしてからメールソフトを起動しなければなりません。
 そのPCが「身代金ウイルス」等に感染した場合、「乗っ取られた状態」になりますので、PC全体をフォーマットしなおし、基本的なソフトもインストールしなおす、場合によってはそのPCは諦めて捨てる(?)ことになるかもしれませんが、そうなってもよいPCを用意し運用するといった対策です。極めて使い勝手の悪い方法とは思いますが、そこまでせざるを得ない時代がくるかもしれません。

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「成長支援制度」 (2019.11.26)

 「成長支援制度」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?おそらく、聞いたことがない人がほとんどではないかと思います。これは、実は私(野﨑)が名付けた「人事評価制度」の別名です。 
 1994年6月より、約180名ほどの食品製造業の会社で運用開始していただいた制度です。その制度を策定するお手伝いをした際に、その会社の雰囲気を考えると、どうも「評価」という言葉が上から目線な印象があり、評価される立場の人に抵抗感が生じるのではないかと思いました。そこで、なんとか会社側も従業員側も、気持ちよく制度を運用できるようにしたいと考え、名付けたものでした。
 基本的に会社側の意向に沿って従業員を「評価」することにはなるのですが、その底に流れている心情は、「従業員の皆さんの成長を願って、それを支援し、その成長の状況を確認する制度なんですよ」ということを分かってもらいたかったからでした。従って、通常は「人事評価シート」を使うところを、「成長確認シート」と名付けたシートで評価を行なうように作りました。
 この話題を取り上げたのは、先日、まったく同じ「成長支援制度」と名付けた「人事評価」を実施している会社を知ったからです。そして今日、その会社(札幌市内)を訪問し、社長さんに色々とお話を聞かせて頂きました。

 素晴らしい経営をされていました! その社長さんは二代目の方でしたが、「社員の成長が無ければ我が社の発展はない」と仰っていました。まったくその通りだと思います。そして私がお手伝いした25年前のものより、はるかに優れた仕組みを導入されていました。
 単に上司が部下の成長を支援するというだけではなく、同僚同士も互いの成長を助け合う、そしてそれが会社の業績にどのようなプラスをもたらすかをも考え、そのことを事前に各自が目標設定して取組み、結果を互いに評価・フィードバックし、次回はさらに高みを目指すという運用を進められていました。
 言葉としてはこのように説明できても、実際にこれを運用するのはそう簡単なことではありません。やってみればわかります。現場の隅々まで、かなり高い実践能力が備わっていないと実現できない事です。この会社は強いです。このこと自体が、一種のコア・コンピタンスを形成しているとみることができるでしょう。実際に、会社の業績も良いようです。今後の発展が楽しみな会社の1つです。

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経営デザインシート (2019.10.31)

 3日前(10月28日)の日経新聞に「内閣府の“経営デザインシート”」なる見出しを見つけました。―― 企業のビジネスモデル変革を促すツール「経営デザインシート」の利用が広がりつつある。内閣府知的財産戦略本部がつくった原型をもとに大企業がM&A(合併・買収)や新規事業の開発、中小企業は事業承継などに活用している。―― とありました。早速、内閣府・同本部のWebサイトを覗いてみると、このような シートでした。
 内閣府はこの「経営デザインシート」を、2018年5月に公表したようです。中小企業庁あたりがこのようなツールを公表するのならわかりますが、縦割り行政のゆえか、まったく気づきませんでした。

  「なんで内閣府が…?」と思いながら、内閣府・同本部の「知財のビジネス価値評価検討タスクフォース」がまとめた報告書をみると、冒頭に次のように書かれていました。
 ―― 時代はSociety5.0の勃興期にある。産業の牽引力がハードからソフト・プラットフォームへシフトし、企業・サードパーティと国家との境界が溶融する等、大きなパラダイムシフトの兆しが散見されている。こうした目に見えやすい変化の他、生産力・物質的豊かさの向上に伴う個人ニーズの変化・多様化(「モノ」から「コト」へ)、さらには、AI・IoT・データ産業やバイオテクノロジー等の発達に伴って人間の生き方自体がより根源的に変化していく可能性も指摘されている。(中略)
 企業には、ニーズや「ウォンツ(潜在ニーズ)」ドリブンで環境と共に変化しつつ、持続的にイノベーションを生み出していくような戦略が必要である。そうした戦略の実現のためには、自らの価値創造のメカニズムの中において、自他の資源及びそれらがどのように組み合わされて価値を創造しているか、創造しようとしているかを認識することが極めて重要である。すなわち「経営をデザインする」ことが求められる。―― 
 さらに「経営デザインシート記載要領」の冒頭には、―― 経営デザインシートは、将来に向けて自社が持続的に成長するために、将来の経営の基幹となる価値創造メカニズム(資源を組み合わせて企業理念に適合する価値を創造する一連の仕組み)をデザインして移行させるためのシートである。(以下略)―― とありました。

  時代認識はまったくその通りと思いますし、シート自体も、大きくは左側に「これまでの価値創造メカニズム」を整理し、右側に「これからの価値創造メカニズム」を記載する。そして「これまで」と「これから」をつなぐ役割として、シート下部に、移行させるための戦略を記載するようになっているのは、一覧性がありわかりやすいと思います。
 類似のシートに、世界で活用されている「ビジネスモデルキャンバス」がありますが、「経営デザインシート」は、1枚のなかに「これまで」と「これから」を整理した点が特徴と言えましょう。その分記載し易さはあると思いますが、ビジネスモデルの部分をより詳細に詰めたいのなら、「ビジネスモデルキャンバス」のほうが使えるかもしれません。
  また「経営デザインシート」は、シートの左半分が「これまで」の整理に使われていますが、「これから」を考え出す部分をもっと深掘りできるとよいかもしれません。手前味噌ではありますが、その部分に私共が提唱している 「トライゴンハニカムチャート」 が使えるのではないかと考えております。

  なお、経営デザインシートに関わる各種情報は、次のURLで確認できます。
  内閣府 「経営をデザインする」 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html

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台風15号と事業継続力強化計画 (2019.09.30)

 今月初めに千葉県等に大きな被害をもたらした台風15号のニュースを見聞きするにつけ、昨年(2018年)9月6日3時7分に発生した北海道胆振東部地震を思い出しました。
 昨年の地震の際は全道約295万戸が一斉に停電になりましたが、それでも3日目には電力供給エリアの99%が復電した(電気新聞デジタル版2018年10月6日付)とされています。
 実際に私共も2日目の途中まで停電を経験し、信号機が消えている中をタクシーで知人の安否確認に行った経験があります。そのタクシーも、「燃料補給ができないので、使い切る前に会社に戻れ」と指示されているとのことでした。

 テレビも固定電話もPCのネットも台所(停電で都市ガスのボイラー停止)も使えず、携帯電話もつながりにくく、バッテリー残を気にしながらの利用を心掛け、トイレは備蓄してあった非常用グッズで大・小の用を足しました。わずか1日半程度の停電でも、あれだけ不便だったことを思うと、千葉県での台風15号による長期間の停電や断水はどれだけ大変であったか、想像を超えたものがあったと思われます。地震ではなかったため、被害について、周囲からはどこか軽く受け止められているような印象があります。千葉県内での停電はピーク時64万1千戸に上ったそうですが、9月8日の停電発生以来、16日後の24日夜に初めて停電ゼロ(東京電力のサイト)と発表されたものの、大規模な倒木などで作業が困難な場所では依然190戸で停電が続いているとの情報もありました。

 こうしたリスクへの備えとして、2017年7月の本トピックスで「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」について取上げました。帝国データバンクが同年5月に調査した結果によると、実際に「事業継続計画(BCP)」を策定済みの企業はわずか14.3%に留まったとのことで、「現在策定中(7.3%)」と「策定を検討中(22.1%)を合わせても半数に満たない状況でした。
 帝国データバンクでは毎年この調査を続けており、今年の5月の調査結果は、BCP策定済みの企業は15.0%と、2年前よりわずか0.7ポイント増加したのみとのことです。
また、『策定意向あり』(「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」の合計)でも45.5%と半数に満たず、依然としてBCPの策定が進んでいない実態が浮き彫りとなりました。
 さらにBCPを策定していない理由(複数回答)についても「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が2年前=45.1%、今年=43.9%、「策定する人材を確保できない」は2年前=30.3%、今年=33.7%と、ほとんど変化がありません。

 これはどういうことでしょう。ほんとうに作り方がわからないのでしょうか?国がBCPを作ることを奨励しだしたのは、2011年の東日本大震災をうけてのことでした。
しかし8年経った今日においても策定済みがわずか15%という現実から、国は推進方法を改めました。これまで提唱してきた重要業務の洗い出しと目標復旧時間の決定などといった難しい取り組み事項を検討させるBCPづくりの手法を見直し、災害が発生したとき、必要最低限のことをいかに素早く実施するかをまとめた「事業継続力強化計画」の実効性が認められれば、国が認定するといった制度になりました。
従来のBCPづくりでは、あまりにも理想的な要件を満たした内容を求められたきらいがあり、中小企業にとってはハードルが高く、「策定スキルがない、人材もいない」から作れないといった結果となっていたようです。

 これだけ大規模自然災害が頻発する時代になっているのですから、企業は国に言われなくとも自発的に備えを進めて然るべきでしょう。今年も残すところあと3ヵ月、被災地に学び、災害への備えを急ぎたいものです。

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出版記念セミナー (2019.08.28)

 先日ご案内した本の出版を記念して、東京と大阪で「コンセプトづくり」に関するセミナーを開催します。

大阪のほうが先に開催し、申込み締め切りは9月17日です。 
内容は、解説セミナーのみのコースと、演習もセットにしたコースなど、各種あります。

大阪開催 ( 会場: AP大阪淀屋橋 大阪市中央区北浜3-3-25 京阪淀屋橋ビル3F )
・セミナーのみのコース
 1回目 9月20日(金) 19:00~20:30
 2回目 9月21日(土) 10:00~11:30

・セミナー+演習コース
 1回目 上記9月20日のセミナー + 9月21日(土)13:30~16:30の演習のセット
 2回目 上記9月21日のセミナー + 9月21日(土)13:30~16:30の演習のセット


東京開催 ( 会場: TKPスター貸会議室「神田南口2号館」
                     東京都中央区日本橋本石町4丁目5 日本橋ミツヤビル4F )
・セミナーのみのコース
 1回目 9月27日(金) 19:00~20:30
 2回目 9月28日(土) 10:00~11:30

・セミナー+演習コース
 1回目 上記9月27日のセミナー + 9月28日(土)13:30~16:30の演習のセット
 2回目 上記9月28日のセミナー + 9月28日(土)13:30~16:30の演習のセット


申込み受付は、クラウドファンディング (CAMP-FIRE)のサイト(終了しました)

 上記以外にも、コンセプトづくりのメールサポートの回数などにより、さまざまなコース(東京・大阪あわせて18種)がありますので、詳しくはクラウドファンディングのサイトをご覧ください。
 尚、下記はポスターで、こちらよりダウンロードできます が、A3判なので印刷にはご注意ください。

このポスターの右下には、クラウドファンディングサイトへのQRコードがついておりますので、
スマホなどで読み取ってサイトを見ることもできます。

メールサポート等の特典がつくのは9月17日の締切までにお申込みいただいた方のみですので、よろしくお願い致します。

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出版のご案内 (2019.08.24)

 2017年の春以降、このトピックスでも、トライゴンハニカムチャートとか、コンセプトまたはコンセプトづくりについて取り上げて参りました。
 そのノウハウについて本にまとめる作業をしていたのですが、来月には出版できる運びとなりました。全国の書店に並ぶのは9月半ば頃となるかもしれませんが、是非、一度、お手にとってご確認いただければ幸いです。
 書名は『ビジネスを成功させるコンセプトづくりのフレームワーク』(中央経済社)です。よろしくお願い致します。

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デジタル革命の時代 (2019.07.21)

 この1週間ほど、IoTの導入やデジタルイノベーションに関するセミナー、及びAIの活用等に関する展示会に立て続けに参加してきました。
 一方この間に新聞等で話題となったものとして、フェイスブックがVISAなど米国有力企業とともにデジタル通貨「リブラ」を使った金融サービスの構想を発表したことに対する主要国の金融当局等の反応がクローズアップされました。また、セブンペイがサービス開始直後に不正利用されるという事件が起こり、その対応がセブンイレブンらしからぬ状況となったことに対し、世間からの厳しい目が向けられました。
 これらはいずれも、いま始まりつつある新たなテクノロジー活用の時代への入り口で起きている現象といえます。

 時計の針を2~3年前に戻してみると、私達の足元では少子高齢化がますます大きな影となって迫るなか、働き方改革関連法案が成立、今年度より施行されました。少子高齢化はかなり以前からわかっていたことでしたが、国も企業も個人も、ほんとうの意味で具体的な対策がとれてきたとは言い難いような気がします。この大きな問題がいよいよ本格化し始めた一方で、グローバルには冒頭で述べた変化が押し寄せているわけです。この急激に進展しつつあるテクノロジーの奔流は、うまく活用できればわが国の少子高齢化問題の解決に大きく役立たせられる可能性がありそうです。しかしそれには、学校教育も企業経営者も政治家の意識も法整備も追い付いておりません。
 4月の当トピックスでは「グローバル人材とリベラルアーツ」について取上げましたが、7月15日の日経新聞では「産業界はグローバル人材やイノベーション人材の育成を大学に求めるが、実際の採用に当っては、論理的に相手を説得できる人材よりも、空気を読んで円満な人間関係を築ける人材のほうを求める傾向が続いている」との大学人からの指摘もありました。

 少子高齢化とのからみで介護人材の不足は益々大問題になってくる可能性があります。この分野は、どうしても労働集約的な要素が強く、生産性向上が求められる業界の1つです。社会保障における医療費負担を和らげるために介護保険ができました。しかし人命尊重の観点から要介護者等に対する介護支援人材の割合は法律で規定され、一方でフレンドリーなサービスが可能な小規模施設を重視した政策もあります。経営の維持・経済性を考えた場合、バランスをとるには介護人材へ支払う人件費を抑えざるを得ない構造がありそうです。こうした業界に対し、冒頭で述べた最近のテクノロジーを大いに活用した運営ができればよいのでしょうが、まだまだコスト的にもそして人材的にも法律的にも、導入できる状況ではないのです。
 介護業界は一例にすぎず、中小企業が属しているほとんどの業界において、新たなテクノロジーの時代への対応が進んでいないと感じます。冒頭に述べたセブンペイの件にしても、あれだけの大企業ですら、デジタル革命やそれに伴うセキュティ対策等に関し、経営陣の認識は追いついていなかったようです。

 産業界における別な話題として、事業承継の問題もあります。これまで経験したことのないほどのデジタル革命の時代を乗り切るには、新たなテクノロジーを理解し使いこなす経営者へのバトンタッチが必要です。国も企業も個人も、デジタル革命の意味を理解し、本気でドラスティックに変わらねばならないのが正に今ではないかと思います。
 これまでに“良し”としてきたことも、おそらくその半分程度は180度逆に考え、デジタル革命に「ついていく」のではなく「自ら使い、その進化を担う」ほどの意識の切り替えと実際の行動をできた者だけが、15年後に“主体的に”生き残っているような気がします。

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『日本人の勝算』 (2019.06.29)

 今回のタイトルは、今年1月に東洋経済新報社から出版されたデービッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社社長)の著書名です。遅まきながら読了しましたが、根拠を示しながらの極めて示唆に富む提言があったので、その一部を紹介します。
 わが国では、この4月から働き方改革関連法が施行され、生産性向上が課題となっています。今回紹介する本では、第6章に「生産性を高めよ」との見出しで、日本は「賃上げショック」で生まれ変わるとありました。以下はその部分を中心に抜粋要約したものです。

 日本では、2015年から2060年までの間に生産年齢人口が約3,264万人も減る。これは世界第5位の経済規模があるイギリスの労働者人口=約3,211万人を上回る規模である。その反面、65歳以上の高齢者数は減らないので、社会保障費の支払いに支障が出る。
 日本の輸出企業は生産性が高いが、国内産業の生産性は1990年代に入ってから諸外国とくらべ驚くほど低くなり、あまりにも低迷している期間が長く、他の先進国とのギャップが開きすぎている。日本的経営や日本型資本主義、文化の違いを理由にこのギャップを正当化することはできない。

 日本の労働生産性(1人当りGDP2016年=83,233米ドル)は、ギリシャ(同80,449米ドル)より3%高いだけでイタリアやスペインよりも低い。先進国中3流レベルだが、失業率が低いという点だけがギリシャ、イタリア、スペインよりも上なだけ。ここに、日本政府が企業に賃上げを求める理由がある。
 社会保障費を生産年齢人口で割り、さらに年間平均労働時間(ここでは2000時間とする)で割ると、1人1時間当たりの社会保障費負担額を計算できる。2018年には約817円だったが、2040年には1642円となり、2060年には2150円にまで膨らむ。(2040年まで社会保障費が190兆円まで膨らみ、その後は横ばいと仮定した場合)。 今の最低賃金ではとても対応できない。

 日本での人口減少分を補って経済を縮小させないためには、どれだけ生産性向上が必要かは、次で計算できる。今のGDPを今の生産年齢人口で割り1人あたりGDPを算出。次に、今のGDPを2060年の生産年齢人口で割って、今のGDPを維持するための1人あたりGDPを算出。その2つを比べ、43年間のGDP向上率を計算。
 同様にGDPの成長率ごとに必要な生産性向上率を計算。すると、毎年1.29%の生産性向上が必要となる。1990年以降、G7の平均向上率は1.4%なので、日本でも実現可能な数字といえよう。

 これから日本の生産性向上に逆風が吹き始め、なおさら生産性向上が難しくなる。世界的にみても40代はもっとも生産性が高い世代でその人口が増えると生産性は上がりやすくなると言われているが、日本ではこれからこの世代が減る。
 給料が上がらないと日本の生産性は継続的には上がらない。GDPは縮小し、国が破綻しかねないが、経営者が進んで賃上げに動くことは考えにくい。そこで、国による最低賃金の引き上げが必要となる。
 ではどこまで最低賃金を引き上げるべきか。まず経済成長率ごとにGDP総額を計算し、それを生産年齢人口で割り、経済成長率ごとの1人当たりGDPを算出する。格差社会を是正する政策も含め考えると、最低賃金は1人当たりGDPの50%が妥当であることが、世界的な共通認識となっている。
 以上の計算から人口減少下でGDPを維持するためには、2030年で1399円の水準にすることが必要である。

 2016年のランキングでは日本の人材評価は世界第4位で、大手先進国としては最高ランクである。ちなみに次に高いのはドイツの第11位。ここまで人材評価の高い国なら、本来ならば、人材を上手に活かしさえすれば大手先進国で最高水準の生産性と所得水準が実現可能なはず。
 日本以外の国では、生産性と人材評価との間に強い相関関係があり、人材評価と最低賃金にも深い関係がある。しかし日本だけは人材評価が高いのに、最低賃金が低く、生産性も低い。異常だと言わざるをえない。
 生産性向上のため最低賃金を引き上げる政策を実施すれば、日本にはそれに十分耐えられる人材はすでにおり、日本人の実力をもってすれば何の問題も生じない。

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情報銀行 (2019.05.31)

 先日(28日)の日経新聞に、「“情報銀行”データ仕様統一」との記事がありました。
情報銀行とは、名前や住所、ネットの購買履歴など個人情報を利用者から集めて預かり、同意を得た上で他社に提供する企業のこと、だそうです。

 いよいよ、個人の日常生活情報が本格的に商売のネタになる時代になったのだと認識せざるを得ません。頭ではわかる気がしても、心のどこかに違和感を感じるのは、私だけでしょうか?
 平成15年(2003年)5月に個人情報保護法ができたあたりから、名簿の管理などには気を使わなければならない状況が意識され出したと記憶しています。紙ベースで管理されていた情報が電子データとして管理できるようになり、加工も容易になりました。さらにはネットを介して簡単に流通できるようになったことから、生じてきた現象といえます。

 情報銀行は、一種の情報サービスを取り扱う企業なわけですが、似たようなもので思い浮かぶのは、信用調査会社や格付け機関などです。これらはどちらかといえば企業情報を扱うのに対し、この度の情報銀行は、まさに個人情報を売買するところに違和感を覚えるのかもしれません。

 さらに現代を見回してみると、既に街中やさまざまな施設内には防犯カメラ・監視カメラが配置されており、車にはドライブレコーダーの普及もかなり進んできました。個人は常に監視された状態となってきており、否が応でもその状況のなかで生活せざるを得ない時代となっています。

 対価を受け取って自分の情報を提供するからには、その管理についても、提供者の意思に従う運用がどこまで徹底されるのか。まさにそのことが問われています。

 冒頭で示した日経新聞によれば、政府が全国の1000人を対象に実施した調査では、情報銀行を利用したくないとの回答は8割弱を占めたが、データを活用した具体的なサービスを示された場合は、利用したいとの回答が多くなったとのことです。
 データを使うサービス開発は米中勢が先行しており、このままでは日本の産業競争力が海外に引き離されかねないといった懸念から、政府は情報銀行を通じたサービスを浸透させたいようです。

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グローバル人材とリベラルアーツ (2019.04.30)

 平成から令和へと元号が変わるこの連休に際し、最近ますますクローズアップされている人手不足問題について考えてみました。
 経済のグローバル化が進展する中、海外展開されている企業では、たんに人手不足というだけではなく、国際的に通用するグローバル人材が求められています。
 一方、人材を送り出す側の大学においても、十年ほど前から「リベラルアーツ」ということが取り沙汰されてきました。「正解」のない問題に対処でき、グローバルに活躍できる人材を育成するために、英語による授業や専攻以外の科目を幅広く履修できるような体制を整えているようです。
 しかし、そのような取り組みでは、日本の大学教育のグローバル化はできないという意見があることを知りました。現在、世界の高等教育は共通化、統合化が進んでおり、日本の大学教育の学問体系を欧米にそろえないと、人材の評価を適切に行うことができず、企業が人材を採用する際に支障が出てしまうというのです。

 リベラルアーツという言葉は、ギリシャ・ローマ時代の末期に成立した「セブンリベラルアーツ(自由7科)」が起源であり、奴隷ではない自由人として生きていくために必要な素養として、3学と4科が挙げられていたそうです。
  ・3学・・・言語にかかわる 文法、修辞学、弁証法(論理学)
  ・4科・・・数学にかかわる 算術、幾何、天文、音楽
この自由7科の上に哲学があり、さらにその上に神学(Theology)があるとのこと。
 中世ヨーロッパで大学が誕生したとき、自由7科は学問の科目として公式に定められたそうです。
 日本の大学でリベラルアーツというと、「一般教養」の科目と捉えられている傾向が強いようですが、本来、リベラルアーツとは先述した起源をもち、日本の大学の学問体系は、欧米のそれとはずいぶんズレがあるそうです。
 キリスト教世界をベースとした欧米での学問体系は、大きくアートとサイエンスに分かれているといいます。日本の大学でいえば、文系と理系といった分け方に相当しそうですが、その中身はだいぶ違うようです。
 この記事は、ジャーナリストである山田順氏が2013年4月に述べられたものを参考に書かせて頂いていますが https://toyokeizai.net/articles/-/13697、氏の記事を整理すると次のようになります。
 ・アート = 人間がつくり出したもの・・・を学び研究する科目
            (文学、美術、音楽、歴史、哲学、建築 など)
 ・サイエンス=神がつくったもの・・・自然界を貫く法則を見つけだすこと
    これはさらに二つに分かれる
       natural science(自然科学)・・・化学、物理学など
       social science(社会科学)・・・自然界の一部である人間社会が対象。
                      心理学、経済学、経営学、政治学など
 こうしてみると、アート=文系、サイエンス=理系 といった分け方に当てはまらず、ズレている部分があることがわかります。日本の大学で文系とされている心理学や経済学、経営学、政治学などは、アートではなくサイエンスに属し、どちらかといえば理系としての位置づけに近い扱いとなっているようです。
 こうしたことから、学部や専攻学科を参考に採用しようとした際に、食い違いが生じてしまうというのです。
 したがって、海外人材の採用に際しては、このような事情をふまえ、本人が学び研究してきた具体的な中身を確認する必要がありますし、逆に、日本で学んだ人が欧米企業へ就職しようとする際にも、このようなことを踏まえた上でアピールする必要があるといえます。

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補助金担保の借入制度に思う (2019.03.25)

 昨日の日経新聞に、「中小企業庁は国の補助金を裏付けに企業が借り入れをできる仕組みを新たにつくる。」との記事がありました。
 具体的には、「ものづくり補助金」といわれている補助金が対象のようですが、国の補助金は、交付が決まってから支払われるまでに時間がかかるため、補助事業を採択された中小企業がこれを担保に銀行借入できるようにし、その際にフィンテック企業が作成する電子債権を利用することになるようです。
 新たな製品開発や先進設備導入計画に補助金が使えるよう採択されても、実際に補助金を受け取れるのは、その補助事業(新製品開発等)が終了し補助金請求をしたあとになります。このため企業側は、この間の開発等にかかる費用を自前で賄わなければなりません。

 今回の話は、それが難しいために中小企業が補助事業にチャレンジするのを思いとどまることがないように、というのが目的ではないようです。実際、補助金の採択を受けた企業では、それを担保にはできないものの、銀行側がそれも考慮のうえで融資されているケースは結構あるように感じております。
 中小企業のお手伝いをしている者としては、融資を受けやすくして補助事業を活用した新製品開発等の促進をはかるといったこと以上に、補助事業をもっと使い勝手をよくする必要があるように感じています。

 補助金には、当然ながら応募期間と補助事業の完了期限があります。一番問題に感じるのは、補助金の制度が国の会計年度に合わせた運用となっているため、補助金を採択された企業は、新製品開発等を年度末までに完了し、報告しなければならないという点です。 
 企業側は、補助金の制度の期間にあわせて新製品等を開発するというのは本来の姿ではありません。補助金の応募にしても、採択される前に開発等を手がけた部分は補助事業の対象外になりますが、スピードの速い開発競争のなかにあって、補助金の採択を待ってから開発にとりかかるようなことをしていては、貴重なタイミングを逃すことになりかねないのです。このような理由から、有益な新製品開発等をしている企業であっても、補助事業を活用できずにいるケースが結構ありそうです。国の資金管理上の難しさがあるのはわかりますが、法の見直しを進め、もっと使い勝手のよい補助金制度になればよいなと思います。

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Society5.0 (2019.02.28)

  去る2月16日、「Society5.0で北海道が変わる」と銘打った集まりに参加してきました。これは日本学術会議が主催した学術講演会で、「日本学術会議in 北海道」との位置づけで開催されました。
 講演は3つで、1つ目は「Society5.0時代における科学技術・イノベーション政策」について、文部科学省文部科学審議官 山脇良雄氏によるお話。2つ目は、東京大学大学院工学系研究科教授 浅間 一 氏による「ロボット技術とその知能化~現状と社会実装加速に向けての将来展望~」についてのお話。3つ目は、「農業におけるSociety5.0の実現に向けて」と題して、北海道大学大学院農学研究院副研究院長 野口 伸 氏によるお話でした。
 いずれも中身の濃いお話で、私としては初めてこの種の集まりに参加したのですが、ロボットテクノロジー(RT)や自動走行農業機械などが、かなり産業の実用化段階にはいってきていることを知り、未来に明るさを感じたものでした。
 昨年10月~12月(特別編は今年1月)にTVドラマ「下町ロケット」(原作小説:池井戸潤氏)で自動走行トラクターやコンバインのことが放映されましたが、3つ目のお話は、まさにその舞台裏に現実に関わってこられた方のお話であり、ドラマでは紹介されていない未来像までをも解説されていました。
 そこで感じたことは、たんにドラマだけの世界ではなく、あと10年もすれば農業界の姿は相当程度、自動走行農機具による農業が現実のものとなっている可能性があるということです。
 「農業労働力に関する統計(農水省ホームページ)」によれば、基幹的農業従事者の平均年齢は、平成30年で66.6歳。平成27年当時の67.0歳から若干若返ってはいるものの、高齢化・担い手不足であることは切実で、自動走行農機具によるスマート農業の実現は担い手の面からも迫られており、その可能性は高いように感じられました。
 これが現実のものとなると、農業の未来は一気に最先端科学産業のひとつになる可能性があります。農業者の発想も、これまでの農業生産者から最先端技術を駆使できる科学的経営者に変革する必要があります。その世界では、農業の概念そのものが変わる可能性もありそうです。
 先の1つ目の講演で、Society5.0とは「サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と定義されていました。Society1.0が狩猟、Society2.0は農耕、Society3.0が工業、Society4.0を情報社会とし、Society5.0は新たな社会ということで、先の定義となったようです。
 これに加えて経団連の捉え方についても紹介されており、「Society5.0とは創造社会であり、“デジタル革新と多様な人々の想像・創造力の融合によって、社会の課題を解決し、価値を創造する社会”である」とのことでした。
 中小企業においても、こうした新たな社会の到来を見据えて自社を革新していくことが求められます。
 日本学術会議の今回の札幌での学術講演会は、今の山極壽一会長(京都大学総長)になってから、「東京以外でも開催しよう」ということで、昨年12月に京都で開催した「第1回地方学術会議」に次ぐ第2回目とのことでした。私は、とある団体のメールによる案内で知り参加しましたが、参加者はざっとみて120名前後と少なく、もっと一般向けにもPRされ、多くの産業人・経営者等が参加されることが、今後の新たな社会形成のために必要と感じた次第です。

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2019年は経営革新力が問われる (2018.12.28)

  先日、ある経済セミナーを受講しました。その時の講師の方は、2019年は様々な角度からみて、「日本経済は底堅く、結構良いであろう」とのことでした。但し、「想定外」・「不測の事態」もないとは言えない・・・と。
 ここ一週間ほど、日米ともに株価は乱高下しました。経済市場環境がとくに変わったわけではなく、特筆すべき要因もない(と言われている)のに不安定なのです。

 こうした株式市場の影響も重要ですが、それ以上に、色々な構造型変化への対応が経営にとっては根本的に重要と思われます。少子高齢化はもちろんですが、経済のサービス化、社会のデジタル化・IoT化、価値観の多様化・・・等々といった変化は構造的ですが、すべてある程度予想されているものです。

 その一方で、中小企業の経営がこれらに対してどの程度の取組みがなされているかと言うと、まだまだ手つかずの状態といってもいいような印象が感じられます。
 しかし、構造型変化は待ってはくれません。これには地球環境の変化による異常気象等も含めて考えるべきかもしれません。様々な自然災害が経営に与える影響も顕著になってきたからです。

 構造型変化は、じっと堪え忍んでいたり、しばらく様子を見ていれば通り過ぎてくれるというものではありません。つまりある程度時間が経過すれば元に戻るわけではなく、自分(自社)が取り残されるだけということです。それでもまだ追いつく余地があるのであればいいのですが、変化のスピードは速まるばかりです。すぐに自分(自社)も変化し始めなければ、生き残ることも難しくなります。
その意味で、来年(2019年)は経営革新力が問われる年と言えるのではないかと思います。

 昨年の11月のトピックスで、「革新再生産TM」ということを書きました。「拡大再生産」という言葉に対比させての提案でした。
 再生産は、ある種「繰り返し」を意味します。「拡大再生産」はどちらかというと同じ物を繰り返し生産し、量的拡大を目指す要素が強いと言えるでしょう。
 しかし、構造型変化は、元に戻ったり繰り返したりということではありませんので、これまでの「拡大再生産」の発想ではそぐわないのです。
 そこで「革新再生産TM」が求められることになります。ここでも「再生産」という言葉が使われてはいますが、「拡大再生産」とは繰り返すものが異なります。すなわち、「革新を繰り返す」ということです。

 「なぁ~んだ、そんなの経営にとってあたりまえじゃないか」と一笑に付さないでほしいのです。その中身は、経営のあり方を「質的に変えていく」ということですから、たやすいことではない筈です。2019年~2021年あたりで「革新再生産TM」の道筋をつけられた企業は、その先の時代に生き残って行ける経営体質が得られたということになるのではないかと考えております。

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人材への投資増加 (2018.11.21)

  二日前の日経新聞に、「人材育成投資1割増」との見出しがありました。ようやく動き出したか・・・といった感想を抱きました。
 と、いうのも、実は3年前(2015年10月13日)に「忍び寄る危機、“組織崩壊”」というタイトルのトピックスを書いておりました。
 そこでは、わが国で「ワーク・ライフ・バランス」が提唱され始めたときに感じた違和感について触れ、その理由らしきものとして、わが国企業における「組織力の弱体化」があるのではないかと述べました。そして次のように解説していました。

・・・「失われた20年」の間、多くの企業は防戦一方もしくは我慢に徹するか様子見を決め込み、前向きな投資をほとんどしてこられなかった。 そして日本的経営の特徴とされた終身雇用・年功序列・企業別組合のほか、株式持合や稟議制度によるボトムアップ型意思決定、家族主義的経営などはことごとく変革を迫られました。
 とくに人材面には“しわ寄せ”が大きかったように思います。その結果、人材力の低下が進み、組織力も弱体化したと思うのです。 日本的経営には良し悪し両面あると思いますが、そこで培われた組織風土なり企業文化といったものには、その企業としての“強み”や“底力”が秘められていたと思います。
 「ワーク・ライフ・バランス」が提唱されたとき「何かが違う」と感じたのは、この組織風土から生まれる“底力”を回復しないかぎり、機能しない(成果が出ない)と直感したからだと、今、思うのです。・・・と。

 2年ほど前から、「働き方改革」が言われ、関連して「ワーク・ライフ・バランス」も取り沙汰されております。
 3年前と違うのは、少子高齢化による人手不足感が厳しい現実となり、いよいよ本腰を入れた「働きやすさ実現」と「人材育成による生産性向上」が迫られていることです。
 日経新聞の記事では、上場企業等いち早く「働き方改革」に取り組み労働時間や残業代を削減できた企業は、そこで浮いた時間や資金を人材投資に振り向け始めたとのこと。
回答企業の2018年度の研修費の平均額は約4億円で、19年度は16年度比で10.6%増となる見通しであることが書かれていました。

 ここ1~2年でそうした対応ができなかった企業は、5年後、対応出来た企業にはもはや追いつけないほどの差をつけられてしまう可能性があります。ロボットやAIを駆使できる“組織風土”があるか否かは「エクスポネンシャル(Exponential:指数関数的)」な差となって表れるからです。

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IT導入補助金 (2018.10.26)

 働き方改革が叫ばれているなか、生産性の向上が喫緊の課題となっています。その実現のためにITツールを導入する中小企業・小規模事業者等を対象とした補助金が用意されています。
 この補助金は今年(平成29年度補正予算)、昨年の5倍の500億円が予算化されており、まだその枠がかなり残っているようです。
 補助金というと申請が面倒と考えがちですが、この補助金はIT導入支援事業者(ITベンダー等)による代理申請で受付ることとなっていますので、導入企業の手続き負担が軽くなるように配慮されています。

 注意が必要なのは、導入するITツールにはハードウェアは含まれないことです。顧客管理や財務管理といったソフトウェアや、予約機能や決済機能をもったホームページを作成するといったようなことにより、生産性向上に結びつく機能を組み合わせた“パッケージ”(=ITツール)の導入が求められています。
 但し、これらについては、IT導入支援事業者となっているITベンダー等のほうで、補助対象となるITツールが登録されていますので、その中から利用したいものを選択すればよいことです。
 また、申請要件として、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「セキュリテイ アクション(セキュリティ対策に取り組むこと)」の宣言を行なうことと、一般社団法人 サービスデザイン推進協議会のWebサイト(https://www.it-hojo.jp/applicant/checktool.html)にある「経営診断ツール」により、IT導入補助金で導入すべきITツールを選択するための自社の経営状態を把握することが必要となります。

 しかし、いずれもそれほど難しい内容ではなく、まずは、最寄のITベンダーがこの補助金のIT導入支援事業者となっているか否かを確認し、相談するのが早いと思われます。
 現在、第三次公募中であり、2週間毎に締切を設け、逐次審査・採択がなされています。問題は、採択された場合、補助金の公布決定日以降、来年1月31日までに事業を実施(ITツールを導入し、稼働)しなければなりませんので、申請が遅くなるほど、事業実施期間が短くなってしまうことです。
 ちなみに、第四回締切日は11月6日、第五回締切日は11月19日となっております。
 IT導入補助金の概要説明資料は こちらからもダウンロード できますので、ご覧ください。

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新しい学びの機会「ビジログ」 (2018.08.26)

 8月20日、中小企業庁が新たな学びの機会を公開しました。その名は「ビジログ」といい、ビジネススキル+記録(ログ)から名付けられたようです。
 その背景・趣旨として、中小企業庁のウェブサイトでは次のように述べられています。
 「中小企業が、第四次産業革命等の急激な環境変化や人口減少という構造的問題に対応しながら、成長・発展を続けるためには、経営者を支える中核人材の育成が急務です。
 こうした問題意識から、中小企業庁では、中小企業等で働く従業員を、将来、社内の中核的な人材に育成するためのプラットフォーム『ビジログ』を構築し、ホームページ上に公開しました。」

 カリキュラムとしては、“仕事にどう向き合い取り組んでいくのかといった[姿勢]”を学ぶ「キャリア・オーナーシップ」、“前に踏み出す力”、“チームで働く力”、“考え抜く力”などについて学ぶ「社会人基礎力」のほか、「専門知識」として①現場を一新させる“人手不足解消術”や②仕事の効率をアップさせる“生産性向上術”など、将来、社内の中核的な人材に成長してもらえるような内容となっているとのことです。

 学習スタイルも、全国9会場のいずれかに参加する「ワークショップ型」のほか、インターネットを利用した「ウェブ型」および「双方向ライブ型(定員・開催日程指定あり)」の3つから選んで(組み合わせも可)受講できますので、時間や場所にとらわれない学習が無料で受けられます。
詳しくは、 「ビジログ」のサイト をご覧ください。

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「質」を伴ってこその「働き方改革」 (2018.07.31)

 働き方改革関連法案が6月29日に成立しました。8つの法律の改正を伴うもので、具体的には雇用対策法、労働基準法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法、じん肺法、パートタイム労働法(パート法)、労働契約法、労働者派遣法が対象となります。
 本日の日経新聞に、厚生労働省が2019年4月より管理職の労働時間を把握するよう企業に義務付けるとありました。長時間労働や残業抑制の話題は依然として目立つ存在といえますが、一方で「生産性の向上」議論も経営の現場では問題となっております。

 私共では、「働き方改革」がブームの様相を呈し出した昨年春頃、私共の視点にはない捉え方で「働き方改革」への取組みを提唱していたあるコンサルティング会社のコンサルタント養成講座を受講してみました。その会社では、自分達の会社における「働き方の成果」を前面に訴求しながら、その手法を様々な企業へ提案しておりました。
 その講座の内容は、私共にとっても新鮮な部分があったのですが、残念ながらそこで配布されたケーススタディの内容はお粗末でした。

 そのコンサルティング会社では、「従業員は残業せず定時に帰っているが、業績は順調に伸びている」といい、「生産性は向上している」とアピールしていました。
 しかし、講座で配布された資料には致命的なケース設定が複数あり、しかもその訂正については当方が指摘するまで説明されることはありませんでした。「これで果たして本当に生産性が高いといえるのか?」と、素朴な疑問を感じたものです。所定の時間内に仕事を完了できたとしても、その質がお粗末であれば、まともに評価するわけにはいきません。
 「生産性の向上」に努め長時間労働を解消することは重要ですが、仕事の「質」が確保された「働き方改革」でなければホンモノとは言えません。

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エクスポネンシャル思考 (2018.06.29)

 何年かに1回、時代に取り残されるといった危機感を覚えることがあります。最近読んだ齋藤和紀氏の著書『エクスポネンシャル思考』大和書房との出会いもその一つです。私にとっては、想像を絶することが書かれていました。
 エクスポネンシャル(exponential)とは、“指数関数的”という意味。最近話題のAIは、指数関数的進化の代表格といえます。エクスポネンシャルな進化を遂げるテクノロジーを利用し、いかに理想の未来を作り出すイノベーターになれるかを議論しているシリコンバレーのシンギュラリティ大学は10年も前に創設されました。そこでは、10倍アップを目指す考え方が叩き込まれるそうです。常に現状を劇的に変えるブレークスルーにチャレンジし、シリコンバレーのベンチャー企業は出現してきているのです。
 それにしても、テクノロジーはここまで進んでいるのか!と驚かされたことのひとつを同書から引用します。「今後数年以内に、バーチャル・リアリティや遠隔操作、感覚のフィードバックなどを介した“テレプレゼンス”といったものが現実化します。これは、たとえば地球の裏側に置いたロボットに五感を転送して操作し、あたかも自分がそこにいるように共に旅行をしたり、一緒に作業をしたり、人と会ったりできる技術です。(中略)このテクノロジーが実現し、普及した世界においては、生身の人間が飛行機で移動することはもはや時代おくれとなる可能性が大いにあります。」とのこと。
 また、ピーター・ディアマンディス氏とともにシンギュラリティ大学を創設した未来学者のレイ・カーツワイル氏は、2020年以降人類の寿命が1年に1歳程度伸びると予測しているそうです。そして人間の肉体をこのまま使うことも想定していないとのこと。あと20年くらい生き続ければ、かなりの高確率で「死なない」存在になる可能性があるというのです。恐怖を気にするよりも、わくわくして生きていたほうがよいのかもしれません。

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GDPR(一般データ保護規則) (2018.05.31)

 最近、いつも見ているニュースサイトを開くと、30秒もしないうちに、「〇〇(当該サイト)は、・・・クッキー(cookie)を使用しています。このバナーを閉じるか、閲覧を継続することでクッキーの使用を承認されたとみなされます。」といったポップ表示がなされるようになり、何だろう?と思っていたが、どうやらGDPRへの対応らしいと理解しました。
 GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)とは、EUが個人データやプライバシーの保護を強化するために去る5月25日より施行したもので、EU加盟国に同一に直接効力を持つほか、EU域外の事業者へも適用されるとのことです。
 先述したポップ表示は、GDPRがクッキー(cookie)を「個人を識別しうるデータとして規制の対象にした(日経新聞2018年5月27日)ことから生じていたようです。

 またGDPRはその17条で、EUに住む個人がデータを消すよう企業に求める「忘れられる権利」を定めました。たとえば、EU在住の方が日本企業のショッピングサイトを利用する際に名前やクレジットカード情報を提供していたが、そのショッピングサイトを利用する予定が無くなって退会する際には、日本企業側に「個人情報をすべて消して欲しい」と求めることができるわけです。
 問題は、その要求を受けた企業は、データを遅滞なく消す義務を負うばかりか、データの形式がデジタルか紙か、保管場所が国内外のどこにあるかを問わず消去が求められるとのこと(日経新聞2018年5月29日より)。
 GDPRの詳細については、個人情報保護委員会のウェブサイトなどで日本語仮訳をダウンロードできます。
https://www.ppc.go.jp/enforcement/cooperation/cooperation/GDPR/

 また、個人情報保護委員会のサイトのトップページでは、「SNSの利用者のみなさまへの留意事項」として、次のような注意を呼びかけています。
 「一部のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)は、当該SNSの「ボタン」等が設置されたウェブサイトを閲覧した場合、当該「ボタン」等を押さなくとも、当該ウェブサイトからSNSに対し、ユーザーID・アクセスしているサイト等の情報(※)が自動で送信されていることがあります。」
      (※SNSがユーザーID等を他の情報と紐づけて個人情報として管理している場合、当該ユーザーIDは個人情報となります。)
 インターネットを利用する側にも、個人情報への意識を高めていくことが求められていると言えます。

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インタンジブルズ競争の時代 (2018.04.30)

 先月のトピックスでは、「コンセプト」を取り上げました。その際に、差別化という要素がなければコンセプトとしての目的を果たせないと書きました。これは、なぜコンセプトが重要なのか?必要なのか?といった「そもそも論」として、少なくとも経営においては、他との違いを明確にして(差別化して)商品(サービス)や店や事業に優位性を持たせるためにコンセプトをつくるのだということです。

 逆に言えば、コンセプトは、競争力の一部であるといえます。そこでふと思ったことは、今はインタンジブルズ(触ることができない、無形のもの)による競争の時代ではないかということ。昔から、経営資源として「ヒト」「モノ」「カネ」と言われ、やがてこれらに加えて「情報」も取り上げられるようになりましたが、企業はこれらを駆使して市場競争を繰り広げております。当初は、「モノ」や「カネ」をたくさんもっている企業が強かったわけですが、徐々に「ヒト」や「情報」にその重点がシフトしてきたといえます。

 つまり目に見える有形(tangibles)の「モノ」や「カネ」から、目に見えない無形(intangible)の「情報」などへのシフトです。
しかし実は、経営にかかわるインタンジブルズ(無形のもの)は、以前からなかったわけではありません。経営理念や経営戦略は、言葉に表さなければ見えませんが、きわめて重要とされてきました。そして、コンセプトもそのひとつに数えられるはずです。
実は、目に見えるものは、目に見えないものによって動かされています。わかりやすい例はコンピューターのハードとソフトを挙げれば説明がつくでしょう。

 問題は、以前から重要とされていたはずの目に見えないインタンジブルズ(無形のもの)が、わが国ではまだまだ重視されていないことです。
有形物による競争は、少なくともふた昔(20年)くらい前には終わっていて、無形物による競争の時代(21世紀)に入っているのに、未だにこの部分に焦点を当てた経営がなされていないといったら言い過ぎでしょうか?
 しかしその責任は、私どもにもあると感じております。これまで、そうしたインタンジブルズによる競争のあり方をわかりやすく説明してこられなかったからです。少なくとも今後は、「コンセプトの定義」やその構築手法について、私どもなりの説明をし、実践していただけるようにしたいと考えております。

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コンセプトとは何か (2018.03.23)

 コンセプト(Concept)という用語は、色々な場面で使われます。「商品コンセプト」、「ストアコンセプト」、「事業コンセプト」といった具合にです。
しかし、その「コンセプト」って何?どういう意味?・・・と問われたとき、明確な答えを言える人は多くないと思います。

 辞書で調べると、「Concept=概念」と出てきます。何となくは分るのですが、では、例えば「商品コンセプト」をどのように考えて作ればよいのか?と訊かれたら、これまた、ハタと詰まってしまうのではないでしょうか。実は私共も長年、自問自答し続けてきたテーマでした。

 実は本日、この自問自答に終止符を打てる気がしております。私共なりの「コンセプトの定義」が決まりました。それは、次の通りです。

 コンセプトとは、「他と差別化し得る顧客への提供価値を、それを実現できる裏付けのもとに一言で主張したもの」。(2018年3月23日、野﨑晴行)

 他と・・・の「他」は、「他の商品」であったり、サービスであったり、店舗や事業を指すこともあります。
 差別化しうる・・・は、この要素がなければ、コンセプトの目的を果たせないと考えております。

 これ以上の説明は割愛しますが、巷で「〇〇のコンセプト」と言われているものを上記の定義に照らし合わせてみてください。それが機能するコンセプトとなっているかどうかが、わかるのではないかと思います。

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「ものづくり補助金」の公募 (2018.02.28)

平成29年度補正「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」の公募が開始されました。(全国中小企業団体中央会サイトより)

 この補助金は、足腰の強い経済を構築するため、日本経済の屋台骨である中小企業・小規模事業者が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の一部を支援するというものです。

 公募期間は2月28日(水)から4月27日(金)(当日消印有効)

 応募申請のための公募要領や応募様式等は各地域(都道府県中央会)事務局のホームページに順次掲載予定とのことです。

全国中央会のサイトでは「公募要領」がダウンロードできるようになっているのですが、(参考版)とのことで、実際の応募申請には、地域事務局が発行する申請書(様式)をご使用くださいとのことでした。
地域によって多少、様式が異なるようですので、注意が必要です。

早めに準備を始めるために、公募要領の「参考版」を入手したい方は、こちらからもダウンロードできますので、ご利用ください。⇒公募要領(参考版).pdf

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「ニッポン品質」への憂慮 (2017.12.23)

 1年を締めくくるにあたり、このような話題を取り上げねばならないのは残念ですが、書いておくこととします。
 2005年、一級建築士A氏によるマンションの耐震偽装から、同種の問題が全国的に噴出。2007年、不二家や石屋製菓の消費・正味期限偽装、ミートホープの牛肉偽装、船場吉兆の偽装表示・賞味期限切れ商品販売事件。2013年、有名ホテルや百貨店のレストランでバナメイエビを芝エビと表示して使用・販売するなどといった食材偽装問題。2015年、基礎の杭打ち工事で虚偽データが使われ、横浜市で大型マンションが傾き、旭化成建材が手掛けた工事が全国的な問題に。

 そして今年、東洋ゴム工業のデータ偽装、神戸製鋼所や三菱マテリアル子会社の性能データ改ざん、東レ子会社の検査データ改ざん、日産やスバルでの無資格者による新車の完成検査問題など、数年ごとに企業不祥事が大きなニュースとなっております。
 最近では、JR西日本で新幹線「のぞみ」の異音・異臭に気付き後も2時間以上運行し、台車に亀裂が見つかった問題は記憶に新しいでしょう。こうした問題・事件が起こる度に企業は「再発防止」を唱え、「コンプライアンス」や「コーポレートガバナンス」が指摘されてきました。「厳しい競争に晒されている」、「法令と実態が乖離している」、「客先の仕様・要求が過剰すぎる」、「これまでも問題にはならなかった」…様々な事情説明がなされます。「トクサイ(特別採用)」といった商慣習もあるようです。

 神戸製鋼所の事件を受けて、国も工業標準化(JIS)法の改正に乗り出すようです。食の問題も含め、安心・安全・信頼を誇ってきた「ニッポン品質」が揺らいでいることに憂慮を禁じ得ません。「コンプライアンス」や「コーポレートガバナンス」が指摘され、「再発防止策を講じる」わけですが、それは論理的な側面が中心になっていると思われます。しかし、こうした対応は、ある種の限界にきているのではないかと感じます。
 そこで思い出したのが、『国家の品格』(藤原正彦著 新潮新書)です。その第二章に「論理」だけでは世界が破綻する-とあります。その中には①論理の限界、②最も重要なことは論理で説明できない、といった説明が続き、「ならぬことはならぬものです」で締めくくられる「会津藩の教え」が紹介されています。説明はさらに続くのですが、この本の中に“ニッポン品質回復のヒント”があるような気がします。

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「診断士登録養成課程」by 札幌商工会議所 (2017.11.28)

 札幌商工会議所が、経済産業省より「中小企業診断士登録養成機関」に認定(2017年11月9日付)され、来年3月より「中小企業診断士登録養成課程」を開設するとのことです。
 中小企業診断士の資格を取得するには、通常、一次試験、二次試験に合格したあと実務補習(診断実習)を修了しなければなりません。
 しかし、あまり知られてはいませんが、一次試験合格後、「中小企業診断士登録養成課程」を修了して取得する方法もあるのです。
 この方法は、当初、公的な存在としての「中小企業大学校(東京校)」のみが実施していたのですが、平成18年度(2006年4月)より民間にも開設が認められたものです。
 札幌商工会議所は、東北・北海道地域で初の登録養成機関となりましたが、中小企業大学校以外では13番目の登録でした。
 登録養成機関が実施する「中小企業診断士登録養成課程」は、演習330時間以上、実習については312時間以上といった、国が定めた基準を満たしたカリキュラムとなっております。
 二次試験合格後、15日間の実務補習(診断実習)を修了して資格取得するよりも、費用はかかりますが、みっちり実力をつけるには良い制度だと思われます。

詳しくは、札幌商工会議所:中小企業診断士登録養成課程のサイト をご覧ください。

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「革新再生産TM」で行こう! (2017.11.27)

  「成長か衰退か」。本日の日経新聞トップの見出しです。そして「生産性」とありました。巷で言われている「働き方改革」では時間外・長時間労働が問題視されがちですが、本質は、生産性向上にあります。
 AIやロボットの導入を望みたいところですが、技術が進展途上であったり、必要投資額からみても、なかなか中小企業(とくに小・零細企業)には導入しにくいのが実情と言えます。また、テレワークやサテライトオフィス・シェアオフィスの活用なども進んでいますが、「現場で物を動かしたり」「人のお世話(介護)をする」ような仕事をされている場合、そういうわけにもいきません。
 しかしそうした産業や仕事が、生産性を高めにくいからといって「不要」なわけではありません。必要ではあるのだが、それに見合った対価を得にくい。また、相対的にその価値が低いものと見做されてしまいやすい、といったところに「問題」があるように思います。
 「必需品」と言われているものには、毎日のように必ず消費しなければならないため、対価(単価)をなるべく抑えたいという傾向があるのは事実です。
 しかし、例えば「食」では、一人の人間が食べられる量には一定の範囲があります。にも拘わらず、「食」にかける対価は、人により時によって大きな格差があります。つまり同じ食材が使われていたとしても、ある料理は価値が高いと見做され、何ヶ月も先の予約をしたり、並んで待った挙句、高額な費用を惜しみなく払ったりされています。

 命をはじめ、モノゴトが継続してゆくためには、なんらかの「再生産」が必要です。これまでの社会や産業は、「拡大再生産」を目指すことが主流であったと言えます。
 「大量生産・大量消費の時代は終わった」と言いつつも、頭の片隅には依然として、継続の為には「拡大再生産」が必要であると考えているフシはないでしょうか?
 言いたいことは、「拡大再生産」の呪縛から解き放たれない限り、「必要ではあるが、それに見合った対価を払いにくい」と感じられている産業や仕事の現場における「働き方改革(=生産性向上)」の解は見出せないのではないか、ということです。
 「拡大再生産」という言葉には、どうしても「量」の概念がつきまといます。今後急激に人口減少が進み、国内における消費量縮小が明らかなわが国においては、「拡大再生産」とは異なるコトバが必要だと感じました。
 そこで提唱したいのが「革新再生産TM」というコンセプトです。国内人口の減少だけではなく、地球環境資源の面から考えても、「量を追う」ようなコンセプトでは未来へ向けての解が導き出せません。そこで必要となるコンセプトが「革新再生産TM」ではないかと思うのです。
 そこには「技術」の要素はもちろん含まれますが、それ以外にも、発想や手順、関係作り等々、あらゆる側面で「革新」ということにフォーカスした取り組み方への転換が求められます。革新を発想し行動できる人材を育てるために、教育のあり方から変える必要があるように思います。今の安倍内閣が提唱しだした「人づくり革命」とは違った次元のものが必要となるように感じております。
 「働き方改革」に行き詰まりを感じている企業等の皆様には是非、「革新再生産TM」を軸に据え、「どんな工夫ができるか? 何をしなければならないか?」を徹底的に考え抜き、行動しきることをお勧めします。同じ食材(境遇)であっても、工夫次第で十分な対価を得ている例(食の業界に限りません)もあるのですから。

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第31回 ビジネスEXPO (2017.10.25)

 北海道最大のビジネスイベントである「北海道 技術・ビジネス交流会(ビジネスEXPO)」が、今年もアクセスサッポロを会場として開催されます。11月9日(木)~10日(金)に行なわれ、今回で31回目となります。
 全部で345の企業・団体が出展するとのことですが、実は初めて、私共も所属している(一社)中小企業診断協会北海道がブースを出します。
 中小企業診断士と診断協会を少しでも知っていただくことを目指してのことで、協会事務局のほか、協会所属の各研究会が展示を行います。私(野﨑)は、「トライゴンハニカムチャート研究会」ということで参加しておりますので、ビジネスEXPOへ行かれる方は、是非、私共のブースへもお立ち寄りください。
 当研究会では、事業コンセプト作りの研究などを行っております。会場内でのブースの位置は、一番奥の壁際で中央付近にあります。
 尚、ビジネスEXPOのサイトは こちら(31st EXPO) からどうぞ。

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社会保障費の負担はAIで? (2017.09.26)

 昨日、安倍総理は28日の臨時国会冒頭に衆議院を解散すると表明されました。平成31年10月には消費税率を10%に引き上げることが予定されています。その増税分の5分の1を社会保障の充実に使い、残りは国の借金返済に使う予定でしたが、今回の解散は、消費税の使い道を医療・介護に加え幼児教育の無償化など、子育て支援等も厚くする全世代型の社会保障制度へと転換することの是非や、北朝鮮のミサイル・核問題への対応などについて、国民の信を問いたいとのことです。

 税金の話で思い出したのが、「AIへの課税」です。今年春、ビル・ゲイツ氏が「ロボットが人と同じ量の仕事をするようになれば、人と同じレベルでロボットに課税すればいい」と発言されたとか。また、欧州議会では一部の自律的なロボットを権利や義務を伴う「電子人間」と位置づける案が議論され、ロボットを使う企業に社会保障費の節約分に見合う負担を求める話が出ているようです。(いずれも日経新聞2017年9月7日5面より)

 2000年当時、インターネットの普及で「IT革命」と言われていましたが、それから20年足らずで「AI・電子人間」への課税の話へと発展するとは驚きを隠せません。AI時代への意識改革が迫られていることを実感させられました。

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時間外労働の上限規制と無期転換ルールなど (2017.08.31)

 先日、厚生労働省北海道労働局と北海道経済部労働政策局共催による「“働き方改革推進”に向けた説明会」に出席してきました。
 たくさんの説明がありましたが、とくに影響が大きそうな点について、私共の備忘録的意味も含め、記しておきます。

1.時間外労働の上限規制
  月45 時間、年360 時間を上限とする。
 ただし、一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合の上限については、
  ①年間の時間外労働は月平均60 時間(年720 時間)以内
  ②休日労働を含んで、2ヵ月から6ヵ月の平均は80 時間以内(2ヵ月,3ヵ月,4ヵ月,5ヵ月,6ヵ月の
    いずれの月平均でも80 時間を超えないこと)
  ③休日労働を含んで、単月は100 時間以内とする
  ④月45 時間を超える時間外労働は年半分を超えないこと
 以上を、罰則付きで労働基準法に明記する予定(経団連と連合が3月に合意済み)。

2.無期転換ルール
  無期転換ルールとは、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が通算5年を超えて反復更新された場合、有期契約労働者(契約社員、パート、アルバイトなど名称問わず)からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのこと。
 この法律は平成25年4月1日より施行されているため、平成30年4月から転換申し込みが本格化する見通し。
 有期契約労働者が使用者(企業)に対して無期転換の申込み(書面が望ましいが口頭も可)をした場合、使用者(企業)は経営上の事情があっても断ることはできない。
 給与や待遇等の労働条件については、労働協約や就業規則、個々の労働契約で別段のめがない限り、直前の有期労働契約と同一となる。労働条件を変える場合は、別途、就業規則などの改定等が必要。使用者(企業)は、例えば「職務限定正社員」等、多様な正社員制度を整備する必要が出てくる。
 無期転換ルールを避けるため、雇い止めをすることは労働契約法の趣旨に照らし望ましくなく、有期契約の満了前に使用者が更新年限や更新回数の上限などを一方的に設けたとしても、されない場合があるとのこと。

3.改正 育児・介護休業法
  育児・介護を理由に離職することを防ぐとともに、育児休業や介護休業等を利用しやすい職場環境の整備を促進するため、育児・介護休業法が改正され平成29年10月1日から施行されるので、施行日までに就業規則の整備が必要。
 改正内容は次の3点
   ①保育園に入れない場合等の育児休業期間を、子が2歳に達する日までに延長
   ②育児や介護休業が必要となる可能性のある労働者に、関連する制度を個別に周知するこ
    とを事業主に努力義務化(その際、プライバシー保護の観点から、育児や介護が必要な旨
    を労働者が自発的に申し出しやすい職場環境が重要であり、事業主はハラスメント防止措
    置を講じることも必要)
   ③小学校就学前までの子を有する労働者に対し、育児目的休暇(卒園式参加など)をとれる
    制度の新設を事業主に努力義務化(特に男性の育児参加促進のため)

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事業継続計画(BCP) (2017.07.27)

 3日ほど前に、北海道が、苫小牧地区倉庫協会と「災害時における物資の保管等に関する協定」を締結したとのニュースが流れました。これは、これまで大きな地震等があった際に、各地から救援物資が送られるものの、被災地の物流拠点が機能を果たせなくなり、せっかくの救援物資が必要としている人々に届けられない事態が生じたことを教訓にしたとのことです。
 北海道では昨年夏、これまでとは違ったルートで大きな台風が3個直撃し、もう1個も一部をかすめるなど、農作物を中心に甚大な被害を被りました。今年になってからも、福岡や秋田など局地的な集中豪雨による甚大な被害も生じています。こうした異常気象以外にも、地震や新型ウィルス等の感染症、サイバー攻撃、テロといった、事業運営に大きな影響を与える事案は多数考えられます。
 こうしたリスクに対しては損害保険をかけるといった対策がありましたが、2011年の東日本大震災以降、「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」を作ることが奨励されております。
 これは、事故や災害に遭ってから対策するのではなく、事前にどのような対応を取るかを計画しておくことによって、被害を最小限に留めるとともに、より早い復旧を可能とし、事業が継続できなくなることを予防するという考え方です。
 ところで、帝国データバンクが2017年5月に調査した結果によると、全国10,142社からの有効回答(回答率42.3%)のうち、実際に「事業継続計画(BCP)」を策定済みの企業はわずか14.3%に留まったとのことです。「現在策定中(7.3%)」と「策定を検討中(22.1%)を合わせても半数に満たない状況でした。
 この、BCPを策定していない理由(複数回答)については「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が最も多く(45.1%)、次いで「策定する人材を確保できない」(30.3%)とのことです。また、事業の継続が困難になると想定しているリスクについても、調査結果が業界別に表で整理されていますので、参考になります。詳しくは次のURLからpdfで入手できますので、ご覧いただくことをお勧めします。 https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p160702.html

 更に中小企業庁では、「中小企業BCP策定運用指針」というサイトを開設しており、次のURLで見ることができます。 http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/index.html
 ここには、BCPの策定と運用に関する様々な情報がありますので、それを参考に自社で策定に取り組まれてはいかがでしょうか。
 昨年、私共でも、道内のある管内の商工会を集めた勉強会で、BCP策定研修を担当させていただきましたが、皆、我が事に感じられたようで、自社に持ち帰ってすぐ策定に取り組まれた企業さんがあったと後から知らされ、お役に立てて良かったと感じております。

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なぜ「働き方改革」が必要なのか? (2017.06.15)

 本日の日経新聞に「2025年問題から2050年問題へ」という記事が載りました。そこでは、4月に発表された国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」に触れ、経済社会の担い手である勤労者層の人口減という「人口オーナス」現象の深刻化を指摘した上で、さらに団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年以降、後期高齢者の急増が社会保障・財政赤字などを通じて経済社会に大きな影響を及ぼす(=2025年問題)ことを指摘しております。

 この二つのことが「担い手不足」と「担い手への負担増」として大きな問題となることはほぼ確実と述べた上で、さらに次のように続きます。「話はまだ終わらない。2050年ごろになると団塊世代の子供たち(団塊ジュニア)が後期高齢者になっていくが、この2050年問題のほうが2025年問題よりさらに厳しそうなのだ。
 今回の推計によると、50年の後期高齢者の数は2,417万人であり、25年(2,180万人)よりずっと多い(ピークは54年の2,449万人)。-(中略)- 2025年問題を乗り切れば済むという問題ではない。その先には、さらにさらに厳しい2050年問題が控えているのだ。」と書かれておりました。
 ここでは触れられていませんが、実は上記(ピークは…)の前年の2053年には、わが国の人口は1億人を切る見通しであることも、冒頭の4月発表には示されております。

 先月ご紹介した「働き方の未来2035」では、「技術革新」により、働き方の変革が迫られるという側面が強いものの、実感が伴いにくい傾向が感じられます。しかし、この「人口減少」とくに担い手:勤労者層の減少は、現実の問題として人手不足に直面している企業も多いことから、「働き方改革」や生産性向上の必要性を実感できるはずです。

 こうしてみると、「働き方改革」が必要な理由は、「人口減少(とくに担い手の減少)」と、「技術革新」の2点に集約できると言えます。後者の「技術革新」については、革新しないようにすれば「働き方改革」もしなくて済むということにはなりません。前者の「人口減少」の場合は、今の出生率で推計した場合の見通しなので、出生率を高めることができれば、厳しい状況を緩和することはある程度可能と考えられます。

 ところが問題は、出生率を高めるには、結婚・出産・子育てしやすい環境づくりが欠かせないということです。業績確保のために長時間労働を前提とした働き方を全社的に改めない限り、わが国は益々厳しくなってゆく一方なのです。「全社的に」と書きましたが、むしろ「社会全体で」と言うべきかもしれません。

 というのは、企業内の結婚・出産適齢期にある人達だけが定時退社できたとしても、その人達の分を他の社員の長時間労働で賄うのであれば、定時退社する人達は「肩身が狭い」思いをします。出産・子育て以外にも、後期高齢者を抱えた方々が増えれば、介護のために長時間労働できなかったり、休業せざるを得ない人も増えることは明らかです。

 その状況で、長時間労働で頑張っている社員を基準とした評価制度を適用するようなことがあれば、企業自ら首を絞めるようなものです。そして、特定の企業が長時間労働を解消できたとしても、それが他企業や他産業の犠牲のうえで成り立つようなものであれば、やはり日本全体として人口減に歯止めをかけることは難しいでしょう。

 これで「働き方改革」が必要な理由が明確となりました。出生率を高め「人口減少」を食い止めるために、そして、「技術革新」を取り入れ生産性を高め、担い手不足を補うためにも「働き方改革」が必要なのです。今生まれたとして、「担い手」になるまでには20年かかります。今すぐ皆で取り組むしかありません。

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「トライゴンハニカムチャート」が記事になりました (2017.06.13)

 私事で恐縮ですが、「トライゴンハニカムチャート」の活用事例が記事になりました。これは、もう十年以上前ですが、このチャートを活用しだした当初の頃のお話です。
 新規開業された方の相談に乗り、「事業コンセプト」をまとめるのにこのチャートを使いました。当初の頃の話ですので、多少ぎこちなさは残っていますが、しかし、今見ても、それほどおかしくはない、今でもこのチャートを使う基本的考え方は通用すると確認できた想いがあります。
 ちなみに、この事例は、開業されたご本人の許可を得て、原稿提供したものですが、その方は今も立派に事業を続けておられます。

 記事が掲載されたのは、月刊の経営誌『近代中小企業』6月号(発行:中小企業経営研究会 http://www.datadeta.co.jp/)です。

掲載記事は、下記にてご覧いただけます。
   『近代中小企業』記事

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「働き方の未来2035」 (2017.05.21)

 「働き方改革」については、去る3月28日に働き方改革実現会議においてその実行計画が決定され、本格的に動き出しました。目下、関連法の改正案づくりが進められており、早ければ2019年度からの施行を目指すとのことです。

 ところで最近、「働き方の未来2035」という報告書があることを知りました。これは、厚生労働省が設置した“働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために 懇談会”が、 昨年8月に発表したものですが、遅まきながら、概要をザックリとご紹介します。
 2035年には、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を中心とした大きな技術革新によって、時間や空間や情報共有の制約はゼロとなり、産業構造、就業構造が大転換、個々人の働き方の選択肢はバラエティに富んだ時代となる。工場のように、実際にその作業現場に人がいなければならないような物理的な作業の大半は、2035年までにはロボットがこなすようになっているに違いない。
 産業構造に占めるサービス業の割合が増える一方、ますます人手不足が進み、接客に関しては、低価格での提供を主とする業態においてはロボットや機械が対応し、付加価値の高い業態においては人間が対応する。人間の仕事としては、人々のニーズを捉えるサービス開発・商品開発といったことがメインとなり、それをロボットやAIを使って提供するといった企業形態が多くなるのではないか。
 2035年には、各個人が自分の意思で働く場所と時間を選べる時代、自分のライフスタイルが選べる時代に変化していることこそが重要である。物理的に同じ空間で同時刻に共同作業することが不可欠だった時代は、そこに実際にいる「時間」が働く評価指標の中心であった。だが、時間や空間に縛られない働き方の時代では、「成果」による評価が一段と重要になる。
 変化のスピードが速くなることで、企業自体がそれに対応するために機動的に変化せざるを得ない時代がやってくる。2035年の企業は、極端に言えば、ミッションや目的が明確なプロジェクトの塊となり、多くの人は、プロジェクト期間中はその企業に所属するが、プロジェクトが終了するとともに別の企業に所属するというふうに、柔軟に企業の内外を移動するかたちになっていく。
その時代では、企業が人を抱え込む「正社員」のようなスタイルは変化を迫られ、フルタイムで働いた人だけが正規の働き方という考えが成立しなくなる。と同時に、パートタイマーという分類も意味がなくなる。
 さらに兼業や副業、あるいは「複業」は当たり前のこととなる。多くの人が、複数の仕事をこなし、それによって収入を形成することになるだろう。一つの会社に頼り切る必要もなくなるため、働く側の交渉力を高め、不当な働き方や報酬を押し付けられる可能性は減ることになる。但し、技術革新のスピードが速いことから、専門的な能力は環境の変化に合わせて変化させていく必要があり、「転職」を柔軟に行える社会になっている必要がある。
企業も多様化が進むなかで、企業規模が大きいことのみでは働く人のニーズを満たすことはできず、働く人にどれだけのチャンスや自己実現の場を与えられるかが評価されるようになる。働く個人から選ばれる企業を目指さざるを得なくなるのである。
 2035年には働く人が大幅に減少していることから、人手不足が一段と深刻になるに違いない。そうした中で、AIなど科学技術の発達による自動化・ロボット化によって、介護や子育て、家事などの負担から働く人が解放され、それらが働くことの制約とならない社会になっていることが重要である。

 いかがでしょうか?俄かには信じ難いかもしれませんが、約20年という時間は、これまで以上に大きな変化となる可能性があります。20年前(1997年)、北海道拓殖銀行が破たんし、トヨタはプリウスを発売、ネット業界ではamazonや楽天市場が創業したばかりで、フェイスブックやツイッターはまだありませんでした。
 20年経った今、車は自動運転が試され、金融や買い物、リクルートはネット経由が当たり前、スマートフォンがなければ生活できない時代となっています。昨年は、人工知能「アルファ碁」が、韓国のプロ囲碁棋士イ・セドル9段との5番勝負で4勝1敗し、話題となりました。
 こうした技術革新のスピードはさらに速まることを考えると、上記報告書が描く社会はかなり実現性が高いかもしれません。

「働き方改革の未来2035」は、下記にてダウンロードできます。
    「働き方の未来2035」報告書.pdf

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日経「星新一賞」、経営革新のヒント (2017.04.16)

 今年も、日経「星新一賞」の受賞作品が決まり、発表されました。理系的な発想力に重きを置き、1万字以内の物語を対象にした新しい文学賞で、今回(3月24日公開)で第4回目となります。
 「今、日本に必要なのは圧倒的想像力」であるとし、SFショートショートのスタイルを確立した星新一氏の名を冠し、「理系文学」を土俵に、独創的なアイデアとその先にある面白さを競うために、日本経済新聞社が創設した文学賞です。(日経「星新一賞」公式ウェブサイト等より)
 受賞作品の電子書籍が日経ストアで無料配布されていると知り、昨年、初めて読んでみたのですが、当初、めまいを起こすような感覚に襲われた記憶があります。ここしばらく、小説や文学作品に目を通す余裕もなく、ましてやSF作品は映画でも接する機会は少なくなっていたせいもあるのでしょう。
 ただ今年は、慣れた訳ではないと思うのですが、昨年ほどショックはありませんでした。昨年と審査員が代わったせいもあるのでしょうが、受賞作品の傾向も少し変化したように感じ、今年のほうがわりとすんなり読めた受賞作品が多かったように感じます。理系的発想(SF性)と文学性の要素を考えたとき、昨年のほうがSF性の強い受賞作が多かったのかもしれません。
 この賞は、「一般部門」、「学生部門」、「ジュニア部門」の三つに分かれているのですが、個人的には、学生部門のグランプリに輝いた作品「バベル以後」がとても印象に残りました。また、ジュニア部門で優秀賞だった「百二十キログラムの命」は、物語としての面白さもさることながら、発想のスケールの大きさには正直、度胆を抜かれました。これが中学三年生の作品なわけですから、私たち大人も知恵を絞らねばなりません。

 さて、「中小企業等経営強化法」(前・中小企業新事業活動促進法、元・中小企業経営革新支援法)では、経営革新の要件として「新しい事業活動」に取り組むことが求められており、具体的には以下の取組を指しております。
 ●新商品の開発又は生産
 ●新役務の開発又は提供
 ●商品の新たな生産又は販売の方式の導入
 ●役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動
 これら新たな取組は、「経営革新計画」として都道府県知事の承認を受ければ、「ものづくり補助金」などの応募に対する審査時に一定の加点がされます。
 とはいえ、なかなか新たな取組についてのイメージが湧かないというときに、今回ご紹介した「星新一賞」作品を読むことで、発想のヒントが得られるかもしれません。

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「トライゴンハニカムチャート」によるコンセプトづくり (2017.03.17)

 経営やマーケティングの世界では、ヨコ文字で語られることも多く、「コンセプト」もその一つです。日本語で言えば「概念」ですが、これがわかったようでわかりにくい。ただ、何となく頻繁に使われてもいる用語と言えます。
 しかし、イザ、「〇〇のコンセプトを作りましょう」となると、何をどう考えて作るのが適切なのかは、案外、理論的に確立されていないのではないでしょうか。
 こうした疑問に対し、私なりに一つの方法論を提示させていただきました。昨年(2016年)11月8日に行われた、「平成28年度中小企業経営診断シンポジウム」での論文発表のことです。タイトルは「トライゴンハニカムチャート法による“コンセプトの見える化”とそれを活用した経営革新支援事例」というものです。
 「トライゴンハニカムチャート」というのは、三角形と蜂の巣状の六角形を重ね合わせた形状であることから、私(野崎)が名付けたものです。
 このチャート(形状)との出会いは1981年のことでしたが、当時はチャートの名称も分からないながら、情報を整理するには有効であるとの思いがありました。 
 本格的に経営相談の現場で使い始めたのは2004年からですが、国を挙げて創業支援が活発となった時期です。開業にあたりビジネスプランを作成する際に、事業コンセプトをしっかり固めておきましょうということで用いTH chart.pngました。
 「コンセプト」は、用いられる場面によって「商品(サービス)コンセプト」、「ストアコンセプト」、「事業コンセプト」といったように使い分けられることがあります。
 “コンセプトづくりの方法”について大手広告代理店の方などが書かれた本にも目を通しましたが、「どうも違うな」という印象がありました(商品コンセプト等には有効と思われます)。
 また中小企業診断士の世界では、「コンセプトとは、“誰に何をどのように提供するか”である」との論があり、これはこれでわかり易いのですが、「そのコンセプトは機能するのか?」という部分について今一つ不十分と感じていました。
 思考錯誤を重ねるなかで、トライゴンハニカムチャートをどのように使えば、事業コンセプトづくりに有効か、ある程度理論化できたと考え、先述のシンポジウムで発表したところ、日本経営診断学会会長賞を頂きました。身に余る光栄に浴し、感謝しかありませんが、より多くの皆様にこのチャートの活用がなされればと思う次第です。
 ネーミングやブランド構築への応用など、このチャート(形状)の活用範囲は広いと思うのですが、意外と見かける機会が少ないと感じております。
   (今回の論文をまとめる際に調べた結果、このチャートは、「デザインスゴロク」とか「スクランブル法」といった呼称で用いられている
    ことがわかりました)

シンポジウムでの発表論文は下記にてダウンロードできます。
「トライゴンハニカムチャート法による“コンセプトの見える化”とそれを活用した経営革新支援事例」

尚、日本経営診断学会北海道部会での研究会(2017.03.24)でも紹介させて頂く機会を得ました。↓
日本経営診断学会 北海道部会

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戦略としての「働き方改革」と「組織革新」 (2017.02.28)

 最近、「働き方改革」はブームの様相を呈しているとの報道を見かけます。当トピックスでも関連したものとしてこれまでに、「忍び寄る危機“組織崩壊”」(2015年10月)、「人事・労務管理の再構築」(2016年5月)、「「働き方改革」と企業の対応」(2016年9月)、「同一労働同一賃金ガイドライン案」(2016年12月)といったように取り上げてきており、クローズアップされるのは必至とみておりました。
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 先月、私共が関わった経営者セミナーでも、“今、社長がなすべきこと” というディスカッションにおいて「働き方改革」がテーマとなりました。
 内容は、次のような構図で示され、①働き方で検討される要素、②対価を支払う対象、③具体的な対価の内容、④評価基準などが具体的な検討課題となるのではないかというものでした。
 また先日(2017年2月10日)、日本再興戦略2016-第4次産業革命に向けて- 「産業競争力の強化に関する実行計画」(2017年版)が閣議決定されました。
 その本文の約半分を「新たな有望成長市場の創出、ローカルアベノミクスの深化等」関連で占められており、さらのその約3分の1(7.5頁)は、「(1)第4次産業革命の実現」というものでした。「働き方改革、雇用制度改革」については、わずか2頁強にしかすぎません。

 こうしてみると、企業が数年先を見据え取り組むべき内容は、「働き方改革」はその一部に過ぎず、全社戦略の中にどう位置付けるのか?という問題と考えられます。逆に言えば、一部とは言え「戦略として」取り組むべきとも言えるわけです。
 「第4次産業革命」は、国が目指すか否かに関わらず、時流と言えます。企業としてはこれに沿った戦略構築が求められます。当然、「働き方改革」もこれを踏まえたものとする必要があります。
 ところで「組織(構造)は戦略に従う」(アルフレッド.D.チャンドラー)という言葉があります。一方、「戦略は組織(能力)に従う」(H.イゴール.アンゾフ)という言葉もあります。いずれにせよ、戦略を考える時、組織も考える必要があるということです。
 近年、組織形態やその理論には様々なものがあり、一概に整理するのは難しいのですが、現時点では、次のような整理の仕方ができるのではないかと考えております。今後修正する可能性はありますが、「組織革新」のご参考となれば幸いです。

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関連資料 ↓ のダウンロードができます。
「産業競争力の強化に関する実行計画」(2017年版) (注:A4判45ページ)

※本文中の「組織(構造)」及び「組織(能力)」の部分に関しては、次のblogを参考にさせて
  いただきました。
2013.07.01  組織は戦略に従う。そして、戦略は組織に従う。(青木 孝一 氏)

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同一労働同一賃金ガイドライン案 (2016.12.22)

 去る12月20日、第5回 働き方改革実現会議 が首相官邸で開催され、「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告」と、これを受けた「同一労働同一賃金ガイドライン案」が公表されました。
 このガイドライン案の前文には、「…同一労働同一賃金は、正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者パートタイム労働者派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものである。」(中略)「不合理な待遇差の解消に向けては、賃金のみならず、福利厚生、キャリア形成・能力開発などを含めた取組が必要であり、特に、能力開発機会の拡大は、非正規雇用労働者の能力・スキル開発により、生産性の向上と処遇改善につながるため、重要…(以下略)」と、その目的が述べられています。
 これに続いて、「ガイドライン案は、いわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないかを示したものである。(中略)なお、具体例として整理されていない事例については、各社の労使で個別具体の事情に応じて議論していくことが望まれる。(以下略)」と、その趣旨が書かれております。

 次に、有期雇用労働者およびパートタイム労働者の基本給に関し、
  ❶労働者の職業経験・能力に応じて支給しようとする場合
  ❷労働者の業績・成果に応じて支給しようとする場合
  ❸労働者の勤続年数に応じて支給しようとする場合
…のそれぞれについて、<問題とならない例>と<問題となる例>が示されています。
さらに❹昇給について、勤続による職業能力の向上に応じて行おうとする場合…についても書かれております。
 これらはいずれも、応じた部分が同一の場合には、正規か非正規かに関わらず同一の支給・昇給をしなければならないとされております。

 ここで問題となるのは、例えば正規雇用労働者は❶により、また非正規雇用労働者は❷によって支給するというように、適用する基準が異なれば、同一の支給をしないで済むだろうと考えられることです。
 これに関してガイドライン案は、(注)として「…無期雇用フルタイム労働者(正規)と有期雇用労働者又はパートタイム労働者(非正規)の賃金の決定基準・ルールの違いがあるときは、“無期雇用フルタイム労働者と有期雇用労働者又はパートタイム労働者は将来の役割期待が異なるため、賃金の決定基準・ルールが異なる”という主観的・抽象的説明では足りず、賃金の決定基準・ルールの違いについて、職務内容職務内容・配置の変更範囲その他の事情の客観的・具体的な実態に照らして不合理なものであってはならない。」と述べております。
 この部分は、労働契約法第20条を根拠としたもののようです。ここで、a)職務内容とは、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度を指し、具体的には、仕事の難易度や担当業務での目標が未達ならペナルティが課されるといった責任の重さなどの違いが勘案されることになると思われます。
 また、b)職務内容・配置の変更範囲とは、転勤・昇進といった人事異動や役割の変化等の有無とその範囲を指し、具体的には、選択したキャリアコースによる転勤の有無や、営業から管理部門などへの配置転換の有無といった人材活用の仕組みの違いが考慮されると思われます。 
 そしてc)その他の事情とは、a)・b)以外の要素としての合理的な労使の慣行などを指し、例えば、無期雇用労働者は勤務地域の限定なし、有期雇用やパート雇用労働者は地域限定ありとか、定年後の再雇用や嘱託者を有期労働契約で雇用しているといった事情が考えられます。
 こうしたa)~c)の実態が、客観的にみて異なる賃金の決定基準・ルールを適用するのに合理性があると説明できるものであればよいということでしょう。

 いずれにせよ、❶~❹での〇〇に応じて…という部分を納得感のあるものとするには、労働者の職業経験・能力、業績・成果などをきちんと把握・評価する仕組みが必要となります。


関連資料↓のダウンロードができます。

・同一労働同一賃金ガイドライン案
・同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告
・同一労働同一賃金の実現に向けた検討会 中間報告 参考資料 (注!5.0MB)

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「平成28年度補正ものづくり補助金」の公募開始 (2016.11.14)

 本日、「平成28年度補正 革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」の公募が開始されました。締め切りは平成29年1月17日で、2次公募の予定はないとのことです。
 今回の募集では、特徴的なことがいくつかあります。対象類型として、大きく「ものづくり技術」と「革新的サービス」に分かれているのは従来通りです。しかし、事業類型は「一般型(補助上限額1,000万円)」と「小規模型(補助上限額:今回は500万円)」については従来通りですが、新たに「第四次産業革命型(補助上限額3,000万円)」というのが加わりました。
 これには、「IoT・AI・ロボットを用いた設備投資」が必要で、AIやロボット等の単独の導入ではなく、複数の機械等がネットワーク環境に接続され、そこから収集される各種の情報・データ(ビッグデータ)を活用して、①監視(モニタリング)、②保守(メンテナンスサービス)、③制御(コントロール)、④分析(アナライズ)のうち、いずれか1つ以上を行い、AIやロボットを活用するものが対象となります。

 また、「第四次産業革命型」以外の事業類型においては、補助上限が引き上げられるケースが用意されております。雇用増(維持)をし、5%以上の賃上げをする場合には補助上限を倍増。また、最低賃金引き上げの影響を受ける場合については、補助上限をさらに1.5倍とするといったことです。
 この補助上限額引き上げに関しては、「雇用・賃金拡充への取組み等に関する誓約・計画書」の提出が求められており、賃上げ要件を満たしているか否かの判定方法にも決まりがありますので、詳しくは公募説明会で確認されるようお勧めします。
この補助金の情報については、全国中小企業団体中央会のサイトをご覧ください。
  ↓
全国中央会、補助金サイト

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「シン・ゴジラ」と危機管理 (2016.10.30)

 映画「シン・ゴジラ(総監督・脚本:庵野秀明氏)」が、話題になっております。東宝が12年ぶりに日本で製作し、今年7月29日に公開されました。「君の名は。(新海誠監督)」には及ばないものの、興業収入75億円に届くのではないかと言われているようです。
 それまでの、どちらかと言えば子ども向け怪獣映画「ゴジラ」とは違い、大人の観客が多く、観終えたとき、多くの人が約5年半前の東日本大震災、そして福島第一原子力発電所での危機を想い起こしたのではないでしょうか。CGによる迫真感の評価が高い一方、娯楽作品としての虚構(ある種の「嘘」)を指摘する向きもあるようです。

 昔、誰が言っていたか忘れましたが、「時代劇が好きだ。最近のドラマは面白くない」とテレビで語っていたのを思い出します。理由は、「時代劇では悪徳商人(高利貸し)から借金をして期日までに返せなくなった家の娘などが、悪徳商人から差し向けられた追っ手から逃れるのに、川などに飛び込むシーンがありますが、それを見た追っ手は、「ちぇっ、しょうがねぇ」とか言って諦めて帰る。その区切りの良さ(!?)が良い」のだとか。なるほど、それも分かる気はします。しかし、そこで「思考停止」しているとみる事もできます。これが国家や企業における「危機管理」の場面だった場合、「思考停止」は避けねばならない態度と言えます。
 映画やテレビドラマ、漫画などでは、普通、ありえないようなことを表現できるところに面白さがあるのは事実です。そこには、ある種の「嘘」が含まれていますが、それを承知の上で、皆、楽しんでいるわけです。

 さて、「シン・ゴジラ」ですが、日経ビジネスオンラインで、「「シン・ゴジラ」、私はこう読む」( http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/083000015/ )というキャンペーンを行っています。各界のキーパーソンからの“読み方”が披露されているのですが、これがまた面白く、そして勉強になります。
 その“読み方”は人それぞれなのですが、映画「シン・ゴジラ」に含まれている虚構(ある種の「嘘」)に焦点を当て,解説している方が何人かおります。ノンフィクション作家の山根一眞氏や、調達・購買コンサルタントの坂口孝則氏、元防衛大臣の石破茂氏などです。
 「シン・ゴジラ(虚構)」を通じて「危機管理(現実)」を考えた場合、私達オトナが踏まえておかなければならないことに気付かせてくれる、日経ビジネスオンラインのキャンペーンと言えます。
 10月25日に、電子書籍(日経ビジネス編300円+税)としても発売されました。

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「働き方改革」と企業の対応 (2016.09.27)

 昨日(9月26日)、参議院選挙後初の国会(臨時)が召集され、安倍首相の所信表明演説がありました。その中で、経済対策のキーワードは「未来への投資」とし、誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会を創ること。そしてその鍵は「働き方改革」にあり、意欲ある皆さんに多様なチャンスを生み出す、労働制度の大胆な改革を進めるとされました。各般にわたる労働制度の改革プラン、「働き方改革実行計画」を今年度内にまとめるとのことです。
 これまでにも、長時間労働の是正、同一労働同一賃金、脱時間給、配偶者控除等の見直し、女性や高齢者の活用などが取り沙汰されてきました。その背景には、生産年齢人口の縮小に伴う労働生産性向上の必要性があります。
 9月20日の日経新聞では、「働き方改革、世界も苦闘」との見出しで、フランス、ドイツ、韓国の状況が紹介されていました。「欧州の病人」と呼ばれていたドイツでは、2002年以降、「ハルツ改革」により奇跡の復活を遂げたが、その労働市場改革の原則は「自助努力への転換」であったとのことです。フランスでも、労働者の権利を手厚く保護してきたが、この8月に、企業の解雇規制緩和と労働時間延長を柱とした改正労働法の公布に踏み切ったことが書かれておりました。
 この記事を見るにつけ、「働き方改革」は、企業にとって非常に大きなテーマであると同時に、働いている人にとっても、すべての人が良い境遇になるわけではなく、「痛みを伴う」ことは避けられないということです。
 外国人労働者の受け入れも併せ考えたとき、人手不足だからといって自然に賃金が上がるとは限らず、成果を出せない人はいつまでたっても報われない時代がよりハッキリすることになるでしょう。
 逆に企業の側は、事業継続には生産性向上が必須であることから、労働時間ではなく成果に対して賃金を払う「脱時間給」の方向を強めざるを得ません。
 現状で「働き方改革」をネット検索すると、「テレワーク(ITを活用して、時間や場所にとらわれない働き方)」といったことがヒットしてきます。
 ここでは「ITの活用」がキーワードになりますが、労働集約的でITは馴染まないと思われてきたサービス業等の企業であっても、今と同じ場所で働いてもらう場合でも、これからはITの活用を真剣に考えざるをえないでしょう。また、「成果に対して賃金を払う」ということは、成果を適切に評価する仕組みが必要になります。
 一部の企業は、この「事の重大性」に気づき動き出しているようですが、ほとんどの企業は、国の「働き方改革実行計画」が示された来年度以降、あわてて対応に追われることになるような気がします。
 「働き方改革の必要性」が、既にみてきたように、生産年齢人口の縮小といった構造的な問題であり、また、主要先進国に共通する課題であるからには、これを正しく受け止め、政・労・使がともに覚悟をもった取り組みが必要と思われます。

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「中小企業等経営強化法」と「ローカルベンチマーク」 (2016.08.09)

  平成26年経済センサスによれば、わが国の中小企業数は381万者(うち小規模事業者:325万者)で、2年前より4万者減少しました。平成28年7月1日、中小企業新事業活動促進法の一部改正により「中小企業等経営強化法」が施行されました。
 労働力人口の減少、国際的な競争の活発化等に対応し、中小企業・小規模事業者等(含む中堅企業)が行うべき経営力向上のための取組(顧客データの分析、ITの活用、財務管理の高度化、人材育成等)について、事業所管大臣は「事業分野別指針」を策定。それに基づき中小企業・小規模事業者等が「経営力向上計画」を作成し、計画の認定を受けると、固定資産税の軽減(資本金1億円以下の会社等を対象、3年間半減)や低利融資、債務保証等の特例措置を受けることができます。
 また、この「経営力向上計画」を策定する際には、「ローカルベンチマーク」の活用が勧められています。これは、地域経済の「稼ぐ力」を維持し、高めていくため、ローカル経済圏を担う企業に対する経営判断や経営支援等の参考となる評価指標(ローカルベンチマーク)として国が設置した検討会により策定され、平成28年3月に発表されたものです。
 地域企業の経営診断としての指標・手法をまとめたもので、地域経済・産業の視点と個別企業の経営力評価の視点の2つから構成されています。個別企業の経営力評価に関しては、財務情報と非財務情報を網羅しており、非財務情報としては、①経営者、②事業の強みや課題、③取引先や従業員等の関係者、④内部管理体制、といった4つの視点に着目して、金融機関や中小企業支援機関等が企業との対話を深める「入口」として活用されることが期待されています。
 去る6月下旬に行なわれた中小企業白書の説明会では、経済産業省の方に加え金融庁の方が出席され、「金融機関の健全性の監督に軸足をおくことに変わりはないが、地域企業の維持・成長に金融機関がより積極的な役割を果たすのにローカルベンチマークを活用したい」といった主旨の説明をされていたのが印象的でした。

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予告:ものづくり補助金の2次公募 (2016.07.01)

  本日、中小企業庁より「ものづくり補助金」の2次公募の予告がなされました。
<以下、引用>
  この度、「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」については、その目的に沿って中小企業・小規模事業者の生産性向上等をより強力に推進するため、7月1日に施行される「中小企業等経営強化法」に基づく経営力向上計画に認定された事業者等に対して、本補助金の2次公募の申請時において、原則経営力向上計画の認定を受けた事業者に加点して実施することになりましたので、公募要件の概略についてお知らせします。
具体的には、後日発表する公募要領でご確認ください。
  なお、公募の開始については、7月上旬を予定しておりますが、今回の募集によって採択された全事業の終期は1次募集と同じであり、こうした短い期間においても事業を実施できる者に限ります。
  また、公募の決定についてはあくまで現時点でのものであり、現在、全国中小企業団体中央会と調整中のため今後変更される可能性がありますのでご了承下さい。
<引用、終わり>

 公募要件の概略は、こちら からもダウンロードできます。

 また今後は、全国中小企業団体中央会のWebサイトもご参照ください。

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ものづくり補助金の採択状況推移 (2016.06.22)

  今月上旬に、平成27年度補正「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の採択結果が発表されました。昨年までは公募が1次・2次というように応募チャンスが複数回ありましたが、今年は1回のみでした。
 全国から24,011件の応募があり、7,729件が採択されたとのことです。このうち、北海道内からの採択は、249件でした。北海道内からの応募が何件あったのかは公表されていないようですので、道内だけの採択率は分りません。
 そこで、どのような傾向があるかについて、次のようなチェックをしてみました。
    ①全国での採択率を算出→ ②全国における北海道分の採択率を算出→ ③全国の
     採択数に対する北海道分の採択数の割合を算出

 その結果をグラフにすると次のようになりました(データ表も添付)。

採択推移グラフ.png
採択率の推移.png

 棒グラフの通り、この3年間応募件数は減少してきています。そんな中、全国における採択率(青色折れ線)は昨年(26年度補正予算による補助金)は43.1%と高かったのですが、今年(27年度補正)は32.2%と厳しく、10.9ポイントも下がっております。
この傾向は、北海道分(赤色折れ線)についても似た状況であることがわかります。
 ところが、全国の採択数に対する北海道分の採択数の割合(緑色の折れ線)を見ると、右肩上がりです。2.8%→3.0%→3.2%と、年々存在感を増していることがわかります。
 偶然発見したことでしたが、道内で企業支援している者としてはうれしい発見でした。

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人事・労務管理の再構築

  最近、人事評価制度や賃金制度の見直しの相談が増えてきました。人口減少に伴い生産年齢人口が縮減し、人手不足が多くの業界で悩みとなっております。
 こうした中、今月26日(木)~27日(金)に開催される伊勢志摩サミットで安倍首相は、わが国の目玉政策として子育て・介護を中心とした「一億総活躍プラン」を打ち出す方針とのことです。
 その「一億総活躍」の焦点の一つに「働き方改革」があり、「同一労働同一賃金」や「長時間労働の是正」が取り沙汰されております。

 安倍首相はこれまで、経済界に社員の賃上げを呼びかけてきました。「同一労働同一賃金」は、4割を占めるという非正規労働者の賃上げが狙いのようですが、一方で、人手不足にもかかわらず「税制上の103万円の壁」や「社会保険上の130万円の壁」のため、勤務日数や労働時間を抑制する非正規労働者が多数存在する現実があります。
 結局そのしわ寄せを、正社員の長時間労働でカバーするといった悪循環に陥っている状況もありそうです。
 関連した動きとしては、定年を延長したりして高齢者を戦力として活用する動きもありますが、この場合に問題となるのも賃金です。

 非正規労働者にせよ高齢者にせよ、働き方を見直す必要があり、加えて生産年齢に属する正社員も含めた賃金制度の再構築が迫られてきました。
 ここでクローズアップするのが人事評価の問題です。人手不足と相まって直面し出した「働き方改革への対応」の一環として、企業は人事評価制度や賃金制度(退職金制度も)の見直しの必要性に気づき出したのだろうと思います。
 解決策の一つとして「生産性の向上」が言われることがこれまでにもありましたが、なかなか思うような成果が上がっているとは言い難い状況でした。しかし、そろそろ、顔色を変えて「生産性の向上」に取り組まねばならない段階にきたとも言えそうです。

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人工知能とIoT

  「人工知能、AI:Artificial Intelligence」という言葉は、1956年にダートマス会議でジョン・マッカーシー(John McCarthy)により命名されたとされています。(wikipediaより) 当時ダートマス大学(米国)の 助教授であったジョン・マッカーシーが数名の学者と共に、自動プログラミングや自然言語処理、ニューラルネットワークなどを研究する場(ダートマス会議)の開催を提案した際に、初めてこの用語が用いられました。

 それから60年後の今年3月、Google社が開発した人工知能「アルファ碁」が、韓国のプロ囲碁棋士イ・セドル9段との5番勝負で4勝1敗し、話題となりました。
 この対局で「アルファ碁」は、プロ棋士から見ると悪い手を繰り出しても勝つことができ、人間の経験や勘に基づく分析とは違う手法で戦略を編み出したとのことです(日経新聞2016年4月10日より)。 そこでは、人間の脳内の情報処理を真似、人工知能が自ら学ぶ「深層学習(ディープラーニング)」がなされているとのこと。

 一方、米国ブルームバーグなどのニュースによれば、マイクロソフト社が開発した人工知能ボット(Tay:ティ)が3月24日に公開され、Twitterデビューを果たしました。ところが、当初はユーザーとのフレンドリーな会話をしていたものの、ユーザーからの人種問題や性差別といった話題を学習し、ついには「ヒトラーは正しかった。私はユダヤ人が大嫌い」といった仰天ツイートを繰り返すようになり、公開から16時間後にマイクロソフトはTayを休止させ、謝罪する事態になったとのことです。

 こうした人工知能の未来については、人類に対する脅威であると懸念する著名人(ホーキング博士、イーロン・マスク氏、ビル・ゲイツ氏など)の言動があるほか、昨年には国連でも問題提起されたようです。
 ともすれば、ヒト型ロボットに組み込まれ深層学習を繰返すことで、やがては人類を支配するようになるのではないかといったSF的な世界の実現をイメージさせられますが、そこまではともかく、身近な例ではインターネットの検索エンジンや通販サイトのおすすめシステム、ソフトバンクのロボット「Pepper」、クルマの自動運転などで既に応用されつつあります。

 これらに関連しそうなものとして、一昨年あたりからにわかに話題になってきたモノのインターネット(IoT:Internet of Things、)が挙げられそうです。
 「Internet of Things」という用語は、イギリスの無線IDタグの専門家でRFID(radio frequency identifier)の世界標準を作成したケビン・アシュトン(Kevin Ashton)氏が1999年に初めて使用した造語とのことです。(wikipediaなどより)

 これからの時代は、これまで以上にインターネットや人工知能との関わりなしで考えることは不可能と思われます。私たちの日常生活はもちろんのこと、働き方が変わり、会社のあり方も変わらざるを得ません。どのように経営革新すべきか、すべての企業に突きつけられている難問と言えそうです。

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情報リテラシーを磨け

 先日(2016.03.13)の日経新聞に、「スマホ世代のPC知らず」との見出しで、「日本の若者のパソコン離れが米国などより進んでいることを示す調査結果もあり、企業にも影響が広がり始めている」との記事が掲載されていました。
 実はこの話題は、毎日新聞が昨年(2015年)10月16日の朝刊(東京)で既に取り上げていたようです。その中で、「内閣府が今年(2015年)2月に発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、スマホを利用している高校生は89%に上る一方、ノートパソコンは30%、デスクトップパソコンは16%に過ぎない。内閣府の別の調査によると、米国の13~17歳のネット利用者のうち、コンピューター活用が98%と携帯電話の64%を上回っている。英国でも12~15歳の92%がパソコンを利用しており、欧米に比べて日本の青少年のパソコン利用率は少ない。 経済協力開発機構(OECD)が今年9月に発表した15歳対象の調査では、欧米では家庭の経済状況と子どもの家庭でのパソコン利用率は差がないところが多いが、日本は経済的に豊かでない家庭では、利用率が下がっている。 学校でのパソコン利用率も調査42カ国のうち、下から2番目。こうした点から、家庭でも学校でもなかなかパソコンを利用できない層がいることが浮き彫りになっている。」とのことでした。

 話を日経新聞記事に戻すと、「NTTデータでは、LINEやツイッターでの短文入力に慣れ親しんだせいか、きちんとした文章でビジネスメールを書けない若手社員が増えてきていることに対応し、今春入社の社員から、入社後の研修で文章力を高める“日本語ドリル”を導入する」と紹介されていました。 
 また、「ビジネスパーソンには、今後もパソコン操作は必須のスキルなのだろうか。オフィスからパソコンを撤廃した経験をもつ企業にも聞いてみた。」とあり、「少なくとも現段階では、企業のオフィスからパソコンを一掃するのは難しそうだ。」とのことです。
 確かに最近の若者は、スマートフォンを駆使する能力には目を見張るものがあります。しかし残念ながら、リテラシーとしては片手落ちのように感じます。ネット検索し情報を素早く入手したり、素早く伝えたりすることはできていますが、正しく伝わっているかとなると、疑問が残ります。
 インターネットが一般に普及し始めたとき、「IT革命」なる言葉がブームとなりました。私どもは、「革命」という表現を使うからには、相当な変化を生み出すことが予想されており、その本質は何だろうか?と考えたことがありました。(これについては、当時匿名で書いたブログがありますので、興味のある方はご参照下さい。→ ブログ )
そしてスマホの普及は、その一翼を担う存在となったとは感じております。

 しかし、毎日新聞の記事も日経新聞の記事も、パソコンの使い方を学ぶ必要があるのでは?との問題提起に留まっているように思います。文脈からは、どうも「コンピューターリテラシー」の必要性を指摘しているニュアンスが強いのですが、「情報リテラシー」を高めることの重要性をもっと強調してほしいと感じました。
 つまり、パソコンの操作方法(コンピューターリテラシー)も大事ですが、パソコンを使って情報をどう活用するのか。情報を分析・評価し洞察したもの(=インテリジェンス)を得る方法(情報リテラシー)をどう磨くかといったことのほうがもっと重要です。そこでは、WORDよりもEXCELを駆使できることが必要となります。
そのためのツールとしては、スマホよりはパソコンのほうが有効(現時点では)と言えます。

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